リクルートが発行する旅行情報誌「じゃらん」は、「ご当地グルメ(年越しそば・お雑煮)」に関する調査を行ない、その結果を公開した。
味の想像がつかないお雑煮ランキングの1位は「うちがえ雑煮」!
年末年始に食べる定番グルメ「年越しそば」と「お雑煮」。ふるさとの数だけその種類があるといわれる「お雑煮」だが、実は「年越しそば」も地域ごとに違いがある。そこで、「じゃらん」では、日本の風物詩ともいえる2つのグルメについてアンケートを実施。その結果をランキング形式で公開した。
「ご当地ならではだと思う年越しそば(うどん)」では、沖縄で広く愛される郷土料理「沖縄そば」が1位を獲得。さらに、4位には香川県の「年越しうどん」がランクイン。近年では「年明けうどん」という新しいスタイルも登場するなど、香川県の地域性がうかがえる。
・「じゃらん」ご当地ならではだと思う年越しそば(うどん)ランキング
「味の想像がつかないお雑煮ランキング」では、徳島県の「うちがえ雑煮」が1位に選ばれた。全国でも珍しい餅の入らないお雑煮で、硬い豆腐が2つ重なる見た目がインパクトある一品だ。また、2位には香川県から「あんもち雑煮」がランクイン。文字通りあんこの餅が入ったお雑煮で、甘さとしょっぱさが絶妙なバランスの味わいが特徴となる。
・「じゃらん」味の想像がつかないお雑煮ランキング
「じゃらん」ご当地ならではだと思う年越しそば(うどん)TOP5を紹介!
1位:沖縄そば【沖縄県】
沖縄県では、「沖縄そば」を年越しそばとして食べることが多い。そば粉ではなく小麦粉だけを使い、かん水で練って作る太めの麺と、豚骨やかつお節からとった濃厚なだしで仕上げたこってりとした汁が特徴で、豚の3枚肉を使う「沖縄そば」や、醤油で煮た豚の赤身肉とかまぼこを細切りにしてのせる「八重山そば」が広く知られている。
2位:わんこそば【岩手県】
お椀に一口大のそばを盛り、給仕の人に継ぎ足してもらいながら食べる「わんこそば」。かつては“年越しわんこ”と称して、年齢の数と同じ杯数を食べる習慣があったという。小分けにしたときにツルッと食べられるよう、麺が通常より長く切られているなど、たくさん食べられる工夫がされているのもポイントだ。
3位:にしんそば【北海道・京都府】
ニシンの干物“身欠きニシン”を甘露煮にし、そばにのせた郷土料理。京都では明治時代、その“身欠きニシン”を使った「にしんそば」が名物になり、現在でも年越しそばとしてよく食べられている。ニシンの産地である北海道でも、料理方法が紹介されたことをきっかけに庶民の味として定着。京都が淡い色の薄口ダシなのに対し、北海道は濃口醤油を使った関東風が主流となっている。
4位:年越しうどん【香川県】
香川県では昔から、年越しそばの代わりに年越しうどんを食べる家庭が多く、郷土料理のひとつ「しっぽくうどん」に、季節の野菜など具材をたっぷり煮込んで味わうとのこと。さらに、近年では、「年明けうどん」という新しいスタイルも登場。白いうどんに赤いトッピングを添え、1月15日までに食べることでその年の幸せを願う意味があるようだ。
5位:くるみそば【長野県】
そば処として知られる長野県の上田市や小諸市で食される「くるみそば」。潰したくるみを味噌や砂糖とともにつゆに混ぜ、そばを付けて食べるというスタイルで、栄養価が高いくるみは、ごまだれよりもさらっとしており、そばとの相性もぴったりだ。
「じゃらん」味の想像がつかないお雑煮ランキングTOP5を紹介!
1位:うちがえ雑煮【徳島県】
全国でも珍しい餅の入らないユニークなお雑煮。徳島県三好市祖谷地方で食され、餅の代わりに岩豆腐とよばれる大きくて硬い豆腐を入れるのが特徴だ。なお、食料を保存するのが難しかった時代に、水分の少ない岩豆腐は日持ちする食料として好まれたことから、祝い事や正月などのハレの日に作られるものだったそうだ。
2位:あんもち雑煮【香川県】
いりこのだし汁であん餅を煮て、白みそで仕立てたお雑煮。家庭円満の願いを込めた丸い輪切りの大根や金時人参が入り、あん餅から小豆あんが溶け出して、塩味と甘みのバランスが独特のおいしさを生み出す。年に一度、正月の特別な料理としてお雑煮に貴重な砂糖を使用したのが始まりともいわれている。
3位:はば雑煮【千葉県】
九十九里地域(山武郡市)や市原市で主に食べられる珍しいお雑煮。波葉(はば)は、元々アサクサノリの代用品として地元の漁師たちに食されるのりで、ほとんど市場には出回ることのないご当地食材。この“はばのり”を入れた「はば雑煮」を年の初めに食べると、「一年中幅を利かすことができる」ため縁起がよいとされ、地元の正月料理になったという。
4位:きなこ雑煮【奈良県】
白みそ仕立てで丸餅が入るお雑煮だが、奈良県ではきなこが添えてあるのが特徴。餅を取り出して砂糖入りのきなこに絡めて食べる地域が多いようだ。きなこの黄色は米の豊作を願うといわれ、一年間、家族円満に過ごせるように願いを込めて、餅は丸餅、野菜類も輪切りにして入れている。
5位:くるみ雑煮【岩手県】
三陸沿岸の宮古地方で親しまれる、おもてなし料理のひとつ。煮干し出汁に焼いた角餅を入れた醤油仕立てのお雑煮は、鶏もも肉や高野豆腐、大根、人参、イクラなど具だくさん。お雑煮の出汁が染みこんだ餅をそのまま味わうのはもちろん、くるみだれをからめて食べると甘じょっぱさが加わり、2種類の味を楽しめる。
【調査概要】
インターネット調査/調査時期:2024年10月18日(金)~2024年10月21日(月)/調査対象:47都道府県在住の20代~50代/有効回答数:1,024名/複数回答(「じゃらん」掲載情報を中心にピックアップしたご当地年越しそば(うどん)、お雑煮の中から「ご当地ならではだと思う」「味の想像がつかない」などの項目について、それぞれ3つまで選択)
関連情報
https://www.jalan.net/news/article/851689/
構成/立原尚子