デキる大人は“記録”にマメだ。スマートウォッチでヘルスケアデータを取得するといったイマドキのものから、たとえば仕事の会議のメモをあとから整理するとか、就業のタイミングで振り返りをするとか。あるいは日記をつけるのもそうだ。
筆者はそのいずれも苦手である。ちなみに、記録を見返すのも苦手。レビューしたことをきっかけにスマートリングを着用しているが、ほぼアクセサリ感覚で、データを見返すのはごく稀。あとはiPhoneに時折届く通知(今ストレス感じてる?など)を見るくらいだ。
さて、噂によると記録はダイエットにも効くらしい。それはレコーディングダイエットとも呼ばれ、食事と体重を記録していくことで食生活と体の状態を可視化。改善すべきポイントが浮き彫りになり、ダイエットにつながるというわけだ。筆者は以前、スマートウォッチ「Amazfit T-Rex 3」のレビュー記事を書いたが、引き続きランニングを継続中である。しかし、いくら頑張って走っても体に変化が出るのは先の先。モチベーションを維持するためにも、少しでも変化を具体化したい。
というわけで、「Smart Bath Mat 体組成計モデル」を使ってみることにした(価格は1万9800円)。まずは、その製品概要から解説していく。
「Smart Bath Mat 体組成計モデル」で記録を習慣化し、ダイエットを成功させたい…! ちなみに、筆者は靴のサイズでいうと大体27.5~28くらいだ。
珪藻土マットは洗濯機洗いに対応。足を拭くだけで15種のデータを取得できちゃう!
Smart Bath Matは、スマホアプリ「スマートバスマット」と連動するバスマット型の体重計だ。仕組みもシンプルで、体重計の上に珪藻土マットが載っている。珪藻土というと、硬質なボードを想像する人は多いと思うが、本製品に付属する珪藻土マットはほぼシート。ネットに入れれば洗濯機にも対応する。
ペラペラとした珪藻土マット。ただ吸水力は十分だ。筆者はこれまで某大手家具屋で購入した珪藻土マットを使っていたが、感覚としてはほぼ変わらない。
Smart Bath Matを利用するにあたり、スマホに「スマートバスマット」アプリをインストールしておこう。画像は、App Store。
リチウムイオンバッテリを内蔵しているため、コンセントの配線を気にする必要はない。メーカーによると、フル充電すれば約3カ月使えるようだ。今回使ったのは体組成計モデル。体重、BMIのほか、体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量、体内年齢、基礎代謝量、体水分率、推定骨量、皮下脂肪量、タンパク質、除脂肪体重、体脂肪量、骨格筋量、ボディタイプを、Smart Bath Matに載るだけで計れてしまう。いや、それだと一般的な体組成計と変わりないので言い換えよう。Smart Bath Matなら、風呂を出て、足を拭く日常の中で計れてしまうのだ。
なお、サイズは500×350×20mmとやや大ぶり。重量も4.8kgとどっしりしている。
シンプルでみやすいアプリ。データは隠して、家族みんなで使えるのもイイ!
さて、先に足を拭くだけと書いたのだが、実際には足を乗せて静止したまま2,3秒待たなければならない。体重以外の数値を測るためには、さらに2,3秒かかる。また体組成計の計測は結構シビアで、バスマットの目印にきちんと足を乗せる必要がある。これがなかなかうまくいかない。あえて、うまく測れなかったときにやり直しをしないようにしていたのだが、その成功率は5分の1くらい。慣れてくればスムーズにできるようになるのだろうか。
と、最初からネガティブなことを書いてしまったが、基本的には体重が測れれば満足だ。また、細かい数値を毎日追うようなことはしていないので、数日に1度取れれば構わない(個人的には)。
あらゆる数値は、アプリでグラフ化される。アプリを開いた画面で見られるのは、前回計測時からの増減、そして体重、BMI、体脂肪率と体重の推移だ。体重の数値はスイッチのオン/オフで表示/非表示を簡単に切り替えられるので、オフにしておけば人前でアプリを開くのも怖くない(数値をWebで公開している筆者が言うのもなんだが)。
アプリ画面はシンプルで見やすい。図右は「体重表示」をオフにした画面。体重のほか、BMIや体脂肪率も見えなくなる。
そして、[詳細]からは体組成計のデータにアクセス可能だ。各項目をタップするとより詳細な情報にアクセスできる。数値だけではわからないことも多いが、[高][標準][低]で示してくれるのはありがたい。どれくらい正確な数値がとれているのかは分かりかねるが、当初「筋肉質」だったボディタイプが今は「標準」になっているので、自分の体の変化は把握できそうだ。ちなみに、最近ランニングを始めた一方で腹筋ローラーをやらなくなったので、その影響が出ていると思われる。
[詳細]をタップした画面。14種の数値と、その数値のおおよその評価を示してくれる。しっかり太っていることがバレてしまって恥ずかしい。
Smart Bath Matで計測を始めたことだけが要因ではないが、事実、体重が右肩下がりになってきている。これはうれしい。予定どおりモチベーションアップさせられてしまった。
最後にもう一つ気に入っているのは、家族みんなで使えること。しかも数値は非公開にできる。「ファミリー」に妻と息子を設定しているが、妻のすべての数値は私のアプリ画面からは閲覧できない仕様だ(もちろん共有することもできる)。また、まだ2歳の息子は「ベビーモード」で計測。まずは親が体重計に乗り、続いて息子を抱き抱えて乗ることで、親分を差し引いて子どもの体重を計測できるのだ。これが非常に便利である。
ベビーモードのほか、6種のモードがアプリから選択できる。高齢者にプレゼントして、健康と無事を見守る用途で使うのも良さそうだ。
”足を拭くだけ”というには、ややスムーズさに欠ける印象はある。ただ、体重計を出して、乗って、何かしらの方法で記録して、しまって…という作業がないのはまさにスマート(そもそも、筆者はSmart Bath Matでなければ計測を継続できない)。多くの人におすすめしたい製品であることは間違いない。デキる大人の一歩目として、体重の自動記録を始めてみてはいかがだろうか。
文/関口大起(https://x.com/t_sekiguchi_)