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80社以上が出展した「秋のヘッドフォン祭2024」で見つけた秀逸モデルと注目の新技術

2024.12.21

SHANLINGから平面磁界型ヘッドホン発売

SHANLINGが10年の歳月をかけて製品化したという「HW600」が出品された。標準装備でリケーブル対応のφ4.4mmバランスケーブルを採用。ハウジングはアルミ合金で、平面振動板は110×86mmの大口径で厚みはわずか8μmのポリエステルを使用。磁気回路はネオジウム磁石をデュアルで合計14本使い最大1.8Tの磁気密度を達成。再生周波数帯はハイレゾ対応の40kHzを保証する「Hi-Res Audio」認証を取得している。音色はウォームでボーカルはなめらか、音場は意外にタイトだった。

SHANLING初のフルサイズヘッドホンは平面磁界型だった

ポータブルDACのハイエンド「UA6」は粒立ちがよくキリッと辛口の音だった。DACにシーラスロジックCS43131を4個も搭載している

AUDEZEの平面磁界型をガッツリ試聴

平面磁界型のヘッドホンを作り続けているオーデジーのハイエンドシリーズが大型ハウジングに大面積振動板を採用したヘビー級のLCDシリーズである。今回参考出品されたリスニング向けのベーシックモデル「LCD‐2」18万円前後と、ミッドハイクラスの「LCD‐3」35万円前後の販売再開が決まった。

「LCD‐2」は平面磁界型らしい清々しい音で、広がりのある空間が感じられた。「LCD‐3」になると、さらに音数が増え緻密でいながら広い空間、そして中低域の力強さがアップされている。専用アンプで駆動する静電型の第2世代である「CABN2」も出品、低音の重心が低く、非常に情報量が多く、分離のいい音をハイスピードで聴かせてくれた。これで重量わずか300gというのも魅力的だ。

「CABN2」はカーボンナノチューブの振動板を採用。外装にもカーボンやマグネシウムを贅沢に使ったハイエンドモデルだ

来年1月に販売を予定している「LCD‐2」と「LCD‐3」が出品された

Australian Audio「Hi-X20」はハイコスパなスタジオモニター。折りたたみと回転機構でコンパクトになり、32Ωで鳴らしやすい。粒立ちのいい音でややドライな音色。ヌケのいい高域とフラットな低域が特徴だ

水月雨「MoonDrop」を鳴らすためのポタアン「HAS-0」

今回、「MusicWith 規格外」で試聴したのは、Z世代に人気の水月雨の平面磁界型ヘッドホン「MoonDrop」の実力を引き出すためのポタアンである。「MoonDrop」の問題点はインピーダンスが8Ωと低いため電源供給能力の高いヘッドホンアンプと組み合わせる必要があることだ。スマホに直挿ししてもその真の実力は発揮されない。Thyris Electronics「HAS-0」は超低歪み、超低出力インピーダンス、高速応答、超低ノイズを誇る。最大8時間駆動できるバッテリーを内蔵、USB接続での充電と給電にも対応している。

「MoonDrop」をFiio「M-15」に直挿しするよりも「HAS-0」に接続した方が粒立ちがよく、ハイスピードな音が再生された。特に音のもたつきがなくなり立ち上がりとたち下がりがスパッと素早い。こんなにもアンプによって音が変わるとは思わなかった。本機でポタアンの重要さを再確認できた。

「HAS-0」は歪みが少なく色付けなくヘッドホンやイヤホンをレスポンスよく駆動してくれる

水月雨「MoonDrop」を聴くと、その違いは歴然である。低インピーダンスのヘッドホンユーザーはぜひ聴いてみて欲しい

写真・文/ゴン川野

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