2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)創始者の1人で、2015年にフランスに移住した西村博之氏(以下ひろゆき)が、代表取締役社長を務める新会社「株式会社made in Japan」を新規設立。事業第1弾として、新ブランド「Mo,de in Japan(モードインジャパン)」を立ち上げ、繊維メーカー・丸井織物と共同で「燃えにくい、切れにくい」衣服を開発した。
ひろゆきが新会社を設立、「燃えにくい、切れにくい」衣服を開発
202年12月16日には、都内で「Mo,de in Japan」商品発表会が開催され、会社設立の背景から製品説明、性能を試すデモンストレーションなどが行なわれた。
ひろゆきは、日本の職人たちによる製品の認知拡大を目的に新会社を設立。今回作られた衣服は、防弾・防刃チョッキに使用されるアラミド繊維100%で作られており「消防庁・消防隊員用個人防火装備に係るガイドライン」で要求されるISO11999-3と同等の耐火性能を有している。
自身が配信するときに着ている黄色いパーカーは、アラミド繊維で作られた丈夫な衣服だったそうだが、その生産中止を受けてアラミド繊維含有率100%の衣服の製作を始めたという。
ABEMAで放送された『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』にて、ナミビアの砂漠を歩いているときに着用していた服は「実は試作品です」と明かしていた。
社名の由来については「海外では日本製はそれなりに評価されているんですけど、日本人ってあまりわかってないんです。日本製のものというのをわかりやすくするために。すべて日本でやってますってのがわかりやすいかなと思って」と説明した。
■素材には2種類あるアラミド繊維のうち、高強度で燃えにくい「メタ系」を使用
写真左/丸井織物株式会社 代表取締役専務、株式会社made in Japan 取締役 宮本智行氏。
写真中央/丸井織物 産業資材部の金山拓夫氏 写真右/大井拓郎氏。両氏は繊維技術士の資格を持つ。
発表会には商品説明のために丸井織物 代表取締役専務で、made in Japan 取締役の宮本智行氏、繊維の専門家である金山拓夫氏、大井拓郎氏も参加。
金山氏は、今回は2種類あるアラミド繊維のうち、高強度で燃えにくい「メタ系」を使用したと解説。加工方法については宮本氏が「強いハサミ、針を使って強制的に切っていきます。1着作るごとに針が削れていくので、量産はしづらいです。アラミド繊維の服は量産するものでもないんですけど……。100%アラミドは世界でほぼないと思います」と述べた。
アラミド繊維の性質上、塗装も難しいとのことだが、今回のために保存剤を開発して落ちないようにしたという宮本氏。ひろゆきから「このためにわざわざ開発したと。二度と使うことはない技術?」と問われると、宮本は「二度と使うことはない」と認めていた。
製品の強度を確かめるべく、ガスバーナーとろうそくによる燃焼、ナイフによる切創実験を行なう場面もあり、ゲストとしてひげおやじ氏が登場。
ひろゆきがガスバーナーで製品を燃やそうとするも、塗料が落ちるだけで燃えることはなく、発表会開始から終了までろうそくで製品を燃やし続けるも、同様の結果となった。
ひろゆきは「アラミド繊維の場合は赤くなるんですけど、燃え広がったりしないんです」と難燃効果を示すも、「着ている人はめちゃくちゃ熱くなると思います」と注意喚起していた。
ナイフでは2回切りつけたが、塗料落ちはなく、傷がつくこともなかった。
■「Mo,de in Japan」製品情報
防弾チョッキ、防刃チョッキで使われるアラミド繊維100%で作られた衣服。Mo,de in Japanのアラミド繊維衣服は、『消防庁・消防隊員用個人防火装備に係るガイドライン』で要求されるISO11999-3と同等の耐火性能の素材を利用している。また、アラミド繊維は寒冷地作業服などでも使われている。
Mo,de in Japanのアラミド繊維衣服の耐切創レベルは3Cとなっており、刃物やガラスを取り扱う作業に使われる耐切創手袋と同等の耐切創性能素材を採用している。
アラミド繊維を含む一般用衣服で性能試験をしている製品は、Mo,de in Japanのみ(同社調べ)。
アラミド繊維100%は硬過ぎて縫製機械が壊れてしまうので、ほぼ業務用として作られてきた。一般的に良く知られているアラミド繊維のブランド名としては「ケプラー」がある。
ほとんどの衣服は、ファッションという機能を目的にしているが、Mo,de in Japanでは、“身体を守る“という機能の最高峰の衣服を、日本の技術で作り上げた。
販売アイテム
アラミド繊維半袖Tシャツ/3万1900円(税込)
アラミド繊維長袖Tシャツ/3万7400円(税込)
アラミド繊維パーカー/5万9400円(税込)
アラミド繊維ジップアップパーカー/7万400円(税込)
構成/清水眞希