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【テスタの投資じゃない話】人はどんな時に「面白い」と感じるのか?

2024.12.22

一流の人との対談で「面白い」と感じる時を掘り下げて考えてみました

 パリ五輪ブレイキン代表のShigekixさんと対談させてもらった「DIME Business Trend Summit」がとても好評だったみたいです。対談を見てくれた方からは、「お二人とも勝利への執着がすごい。やはりそれだけ努力されているんですね」「思っている以上に、ご本人たちは『負けている』という感覚を持っているのが意外だった」という声がありました。

 僕が違う世界の一流の方と対談させてもらって楽しいと感じるのは、「意外性」や「ギャップ」を見いだせた時。あの若さで、世界中から注目される五輪の舞台に立つ緊張感は、普通の人が味わうことは絶対ないわけで。その緊張感や感情を聞けたのは、とても面白かったですね。

 以前、羽生善治名人と対談をさせてもらった時、「何十年も第一線で活躍されていて、一番うれしかった瞬間はいつですか?」と聞いたことがあるんです。羽生名人といえば、通算タイトル獲得数は歴代トップ、前人未到の「永世七冠」達成という輝かしい成績を誇る方。でも、一番うれしかったのは「プロになった瞬間」だったそうです。「これで将棋で生きていけるんだ」って思えたのが一番うれしかったらしいです。世間的に一番盛り上がる瞬間と、その人が一番盛り上がっているときって実は違うという意外性が面白いな~と感じました。

今までの常識が覆される「意外性」や「ギャップ」

 こういう「意外性」って他にもあって。例えばアーティストの方がかつてのヒット曲を歌う時、僕たちは当時聴いたままで歌ってほしいと思いがちですが、だいぶアレンジされていることってありますよね。その曲がCDとして世に放たれるときは、そのアーティストからするとまだ出来立てで、10年、20年歌い続けていくことで、よりよい形に仕上がっていく。だから、アレンジされた歌い方がその曲にとっての本当のベストになっているんですね。僕らはCDが正解だと思っているけど、実は正解じゃない。後から徐々に正解になっていくと聞いて、なるほどな~と納得したんです。

 株の世界でも「昨日こんなニュースがあって今日の株価は下がりました」とアナリストが解説することがありますが、僕ら投資家からすると、「いや、絶対違うでしょ」と感じることってあるんですね。本当に「昨日の〇〇の影響で下がった」なら、朝から下落しているはず。でも実は朝は上がっていたなんてことはよくあるんです。アナリストの人って何かしら「下がった理由」を言わなくちゃいけなくて最大公約数的な理由をつけたりするから、実際とズレが生じることがあるんです。

 以前、プロ野球選手と話した時のことプロ野球ってテレビで実況を聞きながら見ますよね。「今こういう心理だからこう投げた」とか「ストレートにヤマを張って……」って解説されているじゃないですか。「こういう解説って本当なんですか?」と聞いたことがあるんですが、選手からすればあれもけっこう外れているらしいんです。中の人にこういった話を聞いて、「意外性」や「ギャップ」を知れたとき、すごく面白さを感じるな~と思います。みなさんはどうですか?

株の生涯獲得利益は100億円を超えるテスタさんだが、一番うれしかったのは「1億円になったとき」だという。

流行を斬る!

【1】常識の裏に潜む「意外性」「ギャップ」。今までの常識が覆る瞬間が面白い
【2】「正解」は後から形作られることがある。時間が経過して初めて本質が見えることも
【3】株価の解説は実際と異なることも。表面的な解釈と本質にはズレがある

文/テスタ

テスタさんテスタさん
2005年、300万円を元手にデイトレを中心に株式投資を開始、6年目で億トレーダーに。2015年からは中長期投資も始める。収支は19年連続プラスで、生涯獲得利益は100億円を超える。監修本『マンガでわかるテスタの株式投資』(大和書房)が発売中。

構成/向井翔太

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