9月にシンガーソングライターの優里さんがパニック症と広場恐怖症であることを公表した。パニック症(障害)はよく知られているが、広場恐怖症とは一体どんな病気なのか?
広場恐怖症
「広場恐怖症は大きく2つに分類されます。ひとつは気分が悪くなったときにすぐ逃げ出せない、または助けが求められないところにいるのが怖いという恐怖症です。そして、もうひとつはパニック症。発作が起こる恐怖心により、以前にパニック発作が起きた場所が怖くなる二次的な恐怖症です。ややこしいのは広場恐怖が原因でパニック発作が起こることも……」
こう語るのはパニック症の専門医として診療を続ける和楽会理事長・貝谷久宣さん。具体的にどんな場所やシチュエーションで広場恐怖が起こりやすいかは左の通り。やはりパニック症とよく似ているが、2つは厳密には異なるという。
「パニック発作がまず起きて、二次的に広場恐怖が出てきた場合は『広場恐怖を伴うパニック症』という診断です。ただ治療方法はどちらも同じで、基本的には投薬と認知行動療法が有効となります」
広場恐怖症は正しい治療をすれば、生活に支障がない状態になるまで回復できるそうだ。
【DIMEの読み】
認知行動療法は気持ちの動きや行動パターンに影響する「認知」を修正し、心のバランスを取る心理療法。貝谷さんによると効果的な認知行動療法を行なう医療機関に出合うことが重要になるという。
取材・文/高山 惠