指静脈認証とは、指の静脈パターンの画像で個人認証を行なう生体認証システムのこと。すでに実用化され、社会インフラとして動き出している。日立製作所と東武鉄道が共同で開発・運営する、指をかざすだけで認証や決済が可能なデジタルアイデンティティの共通プラットフォーム「サクララ(SAKULaLa)」がそれだ。
指静脈マネー
日立の指静脈認証は、本人を第三者と誤認する他人受入率が6250万分の1と極めて低く、生体情報管理の特許技術「PBI※」に加え、プライバシー保護と高度なセキュリティーを両立しているのが特徴。サービスを開始した東武ストアでは、従来平均50秒を要したレジ決済が約25秒に短縮。セルフレジでは、店員の年齢確認なく酒類が購入でき、労働力不足対策や従業員の負荷軽減につながっている。
「業種横断的に幅広く活用できる共通プラットフォームとして日本の社会インフラに育てたいと考えています。1つの利用場面として鉄道・バスでの導入も視野に検討を進めていきます」(東武鉄道 経営企画本部・安齋秀隆さん)
高精度で買い物の決済に最適な指静脈認証。いずれスマホやクレカ決済も過去のものになりそうだ。
【DIMEの読み】
東武ストアの複数店舗で導入されているほか、上新電機やファミリーマートなど100店舗以上での導入が決定。交通インフラなどにも広がれば、指静脈認証の利用者は激増すると思われる。
指をかざすだけで個人を認証
指をかざすだけで決済・ポイント付与・年齢確認が1度にまとめてできる。荷物が多い時も簡単に使えると利用者に好評で、すでに約5000名が登録した。
東武と日立の生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」
会員になるには、Webサイトから新規登録を行ない、店頭の生体認証登録端末で指をかざすだけ。2つの紐づけが完了したら即、利用できる。
※Public Biometric Infrastructure(公開型生体認証基盤)
取材・文/安藤政弘