
ドレスコードとは、時と場所に応じた適切な服装の基準です。ビジネスや社交の場でのマナーとして、参加するパーティーなどの目的・雰囲気に合った装いをすることが求められます。
目次
そもそもドレスコードとは何?
パーティーなどに参加する際に、ドレスコードという言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。まずは、ドレスコードの意味や主な種類について確認しておきましょう。
■TPOに応じた服装の基準やルール
ドレスコードとは、時間・場所・場面に適した服装の基準やルールのことをいいます。ただし、単なる服装の規則ではありません。その場の雰囲気を尊重し、参加者全員が心地よく過ごすための配慮やマナーでもあるのです。
例えば、結婚式では主催者と一般ゲストなど、立場によって求められる服装は決まっています。また、取引先との会議や社内イベントなど、ビジネスに関連する集まりでも、状況に合わせた服装を着用しなければならない場面があるでしょう。
そうした意味から、単なる服装の選び方ではなく、社会人としての常識を示す重要な要素の一つといえます。
■ドレスコードの主な種類
ドレスコードは、主に以下の7種類に分けられます。
- フォーマル:最も格式高い正礼装
- セミフォーマル:準礼装
- インフォーマル:略礼装
- スマートエレガンス:カジュアルの中で最も品のある装い
- カジュアルエレガンス:ややカジュアルに寄った装い
- ビジネスアタイア:ビジネススーツを基本としたスタイル
- スマートカジュアル:最もカジュアルに近い装い
それぞれの種類ごとに、適切とされる服装があります。また、フォーマルやセミフォーマルの場合、昼と夜でそれぞれふさわしい服装が決められています。
ビジネスシーンにおける基本的なドレスコード
ビジネスシーンでも、適切なドレスコードを守ることは重要です。TPOに合わせた服装は相手に好印象を与えるため、ビジネスの成功にもつながります。それぞれのスタイルの特徴や注意点を押さえておきましょう。
■ビジネスフォーマル
ビジネスフォーマルとは、スーツスタイルをフォーマルにアレンジした服装です。
男性の場合、ダークスーツに白のドレスシャツ、エレガントな雰囲気のネクタイを着用します。タイピンやカフスリングを付けるのもおすすめで、靴は黒のドレスシューズを選びましょう。
女性は、パンツスーツや膝丈のスカート、ワンピースなどが適切です。黒やネイビーなど、落ち着いた色調のものを着用しましょう。
アクセサリーは控えめにし、靴はハイヒールやローファーなどを選びます。礼装に近い服装ですが、ビジネススタイルを意識しているのが特徴です。
■ビジネスカジュアル
ビジネスカジュアルは、スーツスタイルよりややラフな服装のことをいいます。企業によってカジュアルの許容範囲は異なりますが、基本的にビジネスの場に適した服装であることには変わりありません。
そのため、カジュアルといっても短パンにタンクトップ、サンダルといった服装はNGです。男性の場合は、ジャケットやブレザーにチノパン、襟付きシャツを合わせるのが基本です。
女性は、ブラウスにスカートやパンツスーツ、ワンピースなどが適しています。カジュアルではあるものの、取引先への訪問があることを前提とした服装だと考えてよいでしょう。
■ビジネススーツ着用時の注意点
スーツの上着は、基本的に脱がないのがマナーです。クールビズを採用している場合も、商談や会議などでは必ず上着を着用します。
また、スーツにはボタンが縦一列に並んだ『シングル』と、縦二列になった『ダブル』の2種類があります。シングルスーツの場合は、一番下のボタンは留めずに着用するのが基本です。ダブルスーツは、全てのボタンを留めて着用します。
どちらの場合も、座るときはボタンを全て外すのがマナーです。車や電車などで長時間移動する際は、シワになるのを防ぐために上着は脱いでおきましょう。その際は、裏地が見えるように畳みます。
シーン別ドレスコードの選び方
場面ごとに、ふさわしい服装の選び方を知っておくと役立ちます。ここでは、代表的な三つのシーンを例に挙げて見ていきましょう。
■結婚式
結婚式の場合は、参列者の立場によって着用する服装が異なります。新郎新婦や親族は、最も格式の高いフォーマル(正礼装)を選ぶのが基本です。
一方、一般的なゲストは、セミフォーマルまたはインフォーマルな装いを選びます。セミフォーマルの場合、男性はタキシードやディレクターズスーツ、女性はセミイブニングドレスやセミアフタヌーンドレスが適切です。
インフォーマルなら、男性はダーク系のカラースーツ、女性はドレッシーなワンピースやスーツが適しています。ただし、花嫁の色とされる白や、喪服を連想させる全身黒は避けるのがマナーです。
■ビジネス関連のパーティー
ビジネス関連のパーティーでは、ビジネスアタイアと呼ばれる服装が基本です。男性は、ダーク系のスーツを着用します。女性は、ドレッシーな印象のスーツやワンピースを選びましょう。
通常のビジネス着よりも、華やかな雰囲気にするのがポイントです。会場や目的によってフォーマル度が異なるため、事前に確認することが重要です。
高級ホテルでの懇親会なら、よりフォーマルな装いを心がけます。カジュアルな会食であれば、ビジネスカジュアルでも問題ありません。ただし、デニムやスニーカーなど、カジュアルすぎる服装はNGです。
■カジュアルなパーティー
カジュアルなパーティーでも、きちんとした印象を与える服装選びが大切です。男性は、ジャケットを羽織った方がよいでしょう。ジーンズは避け、チノパンなどを組み合わせるのがおすすめです。
女性は、膝が隠れる長さのワンピースやスカートが適しています。ジャケットの代わりに、ストールなどを着用するのもよいでしょう。靴は、男女ともにスニーカーよりも革靴やパンプスがベターです。
カジュアルとはいえ、Tシャツやジーンズなど普段着のような服装は避け、少しドレスアップした印象を心がけましょう。
ドレスコードで失敗しないポイント
ドレスコードで失敗しないために、注意点についても知っておきましょう。具体的にどのような点に注意する必要があるのか、主なポイントを三つ挙げて解説します。
■「平服」を指定されても普段着はNG
『平服』を指定された場合、普段着でよいという意味ではありません。礼服ほどではないものの、フォーマル感のある服装が求められます。
例えば、結婚式の二次会では、男性はスーツ、女性はきちんとした印象のワンピースを着用するのがおすすめです。光沢がある素材や、品格を感じるデザインを選びましょう。
露出の多い服装や派手すぎる色使いも、控えめにすることが大切です。スマートカジュアルではないので注意しましょう。
■小物の選び方も知っておこう
パーティーや結婚式などに参列する場合は、小物の選び方にも注意しましょう。女性の場合、バッグは華やかなパーティーバッグやクラッチバッグが適しています。大きすぎるものや、カジュアルな素材は避けましょう。
靴は、ドレスに合わせて3cmほどのヒールのパンプスが好ましく、つま先が見えるデザインはNGです。季節を問わず、必ず肌色のストッキングを履きましょう。
男性は、シャツ・ネクタイ・ポケットチーフなどの小物で、華やかな雰囲気を演出できます。靴の色は黒が基本ですが、カジュアルが指定されている場合は茶色でもOKです。
■色や柄の選び方にも注意しよう
色や柄の選び方にも注意が必要です。フォーマルなシーンでは、黒・紺・グレーなど落ち着いた色を選びましょう。シャツは白の無地が基本ですが、カジュアルなパーティーなどでは薄いブルーやラベンダーなどの淡い色も使えます。
ただし、ネクタイやポケットチーフにアニマル柄を選ぶのはNGです。女性のドレスも同様に、華美な色や派手すぎる柄は避け、場にふさわしい上品さを心がけましょう。
シーンに応じたドレスコードを守るのがマナー
ドレスコードは、相手への配慮や場の雰囲気を尊重する上で大切なマナーです。ビジネスの場では、信頼感や好印象につながります。
結婚式やビジネスの場、カジュアルな集まりなど、それぞれの場面に適した服装を選びましょう。どんな場面でも、清潔感や上品さを忘れないことが大事です。
構成/編集部