ホンダは、インドにおいて、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」2個を動⼒⽤電源に採⽤した「ACTIVA e:(アクティバ イー)」、固定式バッテリーを搭載した「QC1(キューシーワン)」の電動⼆輪パーソナルコミューター2機種を発表した。
電動モビリティへのニーズに応じて電動コミューターのラインアップを強化
ホンダは、2050年に関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを実現することを目指し、2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目標にしている。この目標を達成するため、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでいる。
そして2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化し、ホンダは今年2機種をインドネシアで発表した。今回発表したACTIVA e:とQC1は、「2030年までに、グローバルで電動モデルを30機種投入」における、それぞれ12機種目、13機種目に相当し、目標に対して着実に歩みを進めている。
このACTIVA e:とQC1は、両モデルともインド国内での生産となり、インド市場で高まる電動モビリティへのニーズに応じて電動コミューターのラインアップを強化していく。また、インドの主要3都市(ベンガルール、デリー首都圏、ムンバイ)において、Honda Power Pack Energy India Private LimitedがバッテリーシェアリングサービスHonda e:Swapを展開。ユーザーにより安心な移動体験を提供する。
ホンダは、これからもより多くのユーザーの要望に応えられるように、コミューターをはじめとした電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させ、電動二輪車の多彩なバリエーションを構築していくとしている。
■ACTIVA e:
ACTIVA e:は、インド市場全体、また、ホンダの二輪車においても最量販モデルで、年間約250万台を販売する「ACTIVA」のボディー・フレームをベースに新規開発し、交換式バッテリーHonda Mobile Power Pack e:を動力源として2個搭載した排気量110cc相当の電動コミューターモデル。
デザインは、インドのユーザーから定評のあるACTIVAのスタイリングを踏襲しながら、一目で電動二輪車とわかるシンプルなスタイリングと、フロントコンビネーションライトおよびリアコンビネーションライトやウインカーをLED化することで先進性を演出している。
動⼒⽤電源には、交換式バッテリーのHonda Mobile Power Pack e:を2個使⽤。ホンダ独自開発の自社製ホイールサイドモーターを採⽤し、定格出力4.2kW、最大出力6.0kWを発揮。また磁気回路と構造の最適化により高効率化を図ることで、日常の使い勝手に十分な航続距離102kmを実現している。
そして、さまざまな走行シチュエーションやユーザーの好みに応じて、3つの走行モード(STANDARD、SPORT、ECON)から選択ができ、駐車時に便利なリバースモードも搭載している。
さらに、バイクとスマートフォンをBluetooth接続することで、通話やナビゲーション機能などを利用できるホンダ独自のサービス、Honda RoadSync Duoを装備したタイプも設定している。
このACTIVA e:は、インドの主要3都市(ベンガルール、デリー首都圏、ムンバイ)で2025年春に販売する予定となっている。この3都市においては、Honda Mobile Power Pack e:を用いたバッテリーシェアリングサービスHonda e:Swapを提供することにより、ユーザーがバッテリー切れの不安や、充電の待ち時間から解放され、より安心な移動体験することができる。
■QC1
一方QC1は、これまでホンダが培ったガソリン車の技術やノウハウ、信頼性を踏襲したモデルで、通学など、日常の近距離移動に最適な動力性能を実現するとともに、経済性重視のユーザーへの最適な選択肢として、インド市場専用に2025年春に投入するモペッド。
その動力用電源には、高いエネルギー密度と長いサイクル寿命を実現するバッテリーセルを採用した、1.5kWhの固定式バッテリーを搭載。専用充電器による家庭での充電が可能となる。
そして後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、定格出力1.2kW、最大出力1.8kWを発揮。またパワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの航続距離は80kmを達成。クリーンで静かな走行を可能にしている。
デザインは、安心感と先進性を共存させたものとし、ヘッドライトは凹凸のないフラッシュサーフェスデザインとするとともに、アイコニックな表情を演出。また灯火器には、夜間走行時の安心感にも貢献する高輝度なLEDを採用している。
さらにメーターには、5インチの液晶メーターを採用。スピードメーターに加え、バッテリーの残量表示などさまざまな情報をシンプルに表示することで、利便性を高めている。
なおシート下には、ヘルメットを収納するスペースのほか、小物の収納が可能なラゲッジボックスを確保。また、フロント部内側にはフロントインナーラックと、携帯端末の充電にも便利なUSB Type-Cソケットを標準装備。日常で使い勝手のよい機能を備えている。
構成/土屋嘉久