@DIMEドッグフレンドリーカー・アワード2024の受賞車はコレ!
それがスバル・レイバック。正式車名がレヴォーグ・レイバックであることからも分かるように、スバルのスポーツワゴン、レヴォーグをベースにクロスオーバー化された、シンメトリカルAWDの駆動方式を採用し、最低地上高200mmを確保したオールラウンダーモデルです。
感動に値する欧州上級サルーンに匹敵する滑らかすぎる快適無比な乗り心地をオールシーズンタイヤで実現し、車内の静かさについては、クルマの騒音の原因として水平対向エンジンからのノイズ、振動、タイヤを介した路面からのロードノイズ、そして風切り音まで徹底的に遮断。ドライブの疲労の原因の一つが走行ノイズだとすれば、人間も、そして聴覚に優れた犬にとっても、これはもう、最上の移動空間と言っていいのです。その車内の静かさにおおきくかかわっているのが、レイバックはレヴォーグで言えば最上級のEXのモノグレード展開であること。そのため、ハーマンガードンサウンドシステムが標準装備されていて、プレミアムオーディオを聴くに相応しい、特別な遮音、吸音が施された車内空間になっているのです。
もちろん、後席エアコン吹き出し口を完備し、後席とサイドシルの間にステップ的な樹脂プレートがあり、隙間なし。ステップ的な樹脂プレートは犬が後席に自身で乗降する際に前足をかけるのにも適しています。
さらに、レイバックはパドルシフトを装備。ステアリング奥の「-」と「+」のパドルを引くことで、シフトダウン、シフトアップが可能なのですが、「-」のパドル操作による減速は、スピードコントロールにうってつけで、なおかつ下手にブレーキを踏むよりずっとスムーズに減速してくれるのです(スポーティな走りのためだけにあるのではありません)。ブレーキを踏むと減速Gが発生し、車内でどこかにつかまれない犬は思わず爪を出して踏ん張らなければなりませんが、それがドライブ中の犬のストレスに直結。運が悪ければ、フロアに落ちて、ケガをしてしまうかも知れません。しかし、パドルシフトをうまく使うことで、そうしたストレス、危険を防ぐことが可能になるのです(同乗者にも喜ばれますよ)。
レイバックの最後のドッグフレンドリーポイントは、日本車ではめずらしい、後席の分割方式。レイバックはハイクラスな欧州製ワゴンなどにあるように、4:2:4分割(ワゴンやSUVは一般的に6:4分割)。それがどうドッグフレンドリーポイントになるのかと言えば、やむなく大型犬を短距離、短時間、ラゲッジルームに乗せるような場面でも、4:2:4分割の中央の2部分をアームレストとして倒すことで、ラゲッジルームとキャビンに幅220mmものスルー空間ができ、愛犬と飼い主のアイコンタクトが可能になるだけでなく、後席エアコン吹き出し口からの冷風も届きやすくなるというわけ。これならお互い、安心・快適にドライブを楽しむことができるでしょう。
そんなレイバックのラゲッジルームはレヴォーグ=ステーションワゴンに準じた広大なスペースが確保され、荷物が多くなりがちな愛犬とのドライブにもうってつけ。フロア上だけでなく、フロア下のサブトランクまで大容量なのです。
実際、筆者と愛犬のジャックラッセルのララはスバル・レイバックに乗って東京から山中湖、箱根へと足を運び、高速道路の渋滞も経験。ドッグフレンドリーポイントとは直接関係ないかも知れませんが、アイサイトの基本である”ぶつからないクルマ?”という機能だけでなく、渋滞時にはアイサイトXによるハンズオフドライブも可能で、ドライバー(飼い主)の渋滞時の運転に関わるストレスを大幅に軽減してくれました。そんなアイサイトXとは、全面的に進化した「新世代アイサイト」に「高度運転支援システム」を搭載したSUBARU最先端の安全テクノロジー。
GPSや準天頂衛星「みちびき」などからの情報と3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握。ステレオカメラやレーダーでは検知しきれない行く先々の複雑な道路情報まで認識し、新次元の運転支援を実現。カーブや料金所前のアシストに加え、一定の条件を満たした自動車専用道路での渋滞時にはハンズオフドライブができ、安心で快適な安全運転をサポートしてくれるのです。
というわけで、スバル・レイバックを、モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある筆者が考える、ドッグフレンドリーカーの要件のほとんどを満たした希少な1台として、@DIMEドッグフレンドリーカー・アワード2024の受賞車とさせていただくことにしました。おめでとうございます!
文/青山尚暉
写真/雪岡直樹 青山尚暉