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冬の健康リスクを徹底回避!生活習慣病予防のプロが薦める2つのオイルとは?

2024.12.14

令和4年国民健康栄養調査結果によると、直近10年で男性肥満者(BMI25以上)が増加。悪玉コレステロール値は男女ともに増加している。

やみくもに油を避けるのは禁物

肥満や悪玉コレステロール対策としてすぐに思いつくのは、食事で油を控えること。しかし油は「効率的なエネルギー源」「細胞膜の材料」「脳・神経系の機能維持」「血液・ホルモンの材料」「体温維持・臓器保護」など、重要な役割を担っている、なくてはならない栄養素。したがってやみくもに油を避けるのは禁物であり、健康にいい油を上手に取り入れることが大事だ。

その意味で生活習慣病予防のプロが「特に冬に摂りたいオイル」として推奨しているのが、「MCT」と「オメガ3」。それはなぜか。以下、脂質の健康価値や日常生活でのとり入れ方を発信しているヘルシーオイル・プラス・コンソーシアムが主催した「今年の冬こそ知りたい!ヘルシーオイルの可能性 メディア勉強会」での講演内容を紹介する。

一般的な油と比べて約4倍、エネルギーになりやすい「MCTオイル」

「冬は体温維持のためにエネルギーをたくさん作ろうとする。つまり代謝が上がりやすい。冬こそ、脂肪燃焼のボーナスタイムです」と語るのは、米国公衆衛生学修士で抗加齢学会専門医・日本内科学会認定医の医師・中村康宏氏。そして冬にアップする脂肪燃焼率を、さらに向上させてくれるのがMCTオイルだという。

油の特性は、油の主成分となる「脂肪酸」の種類や並び方によって異なる。ココナッツなどのヤシ科植物の種実、牛乳や母乳などに含まれている「中鎖脂肪酸(MCT:Medium Chain Triglyceride)」は一般的な油脂に含まれる「長鎖脂肪酸(LCT)の約半分の長さ

中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸の違いについて解説する中村氏

「物理的に分子数が少なく、一般的な油と比べて約半分の長さというところで、特徴が異なってきます。最大の特徴は分解される速さ。一般的な油は小腸で吸収され、そこからリンパ管・静脈を通って全身に回るという複雑な過程を経るので、すぐにエネルギーとして分解されずに貯蔵され、脂肪となっていきます。一方MCTオイルは門脈を通じて肝臓に直接運ばれることですぐにエネルギーとして分解されると言われていまして、一般的な油と比べて約4倍、エネルギーになりやすいと言われています。

この特徴によりMCTを継続的に摂ると、普段の生活を送るだけでも効率よく脂肪燃焼ができるのです。MCTを摂り入れるだけで、12週間(約3か月)で4.4kg分の体脂肪をエネルギーに変えることができるというデータもあります」(中村氏)

健康のために、運動をしたいと思っても、時間がなくできないという人が多いが、そういう人にこそ、MCTオイルがおすすめ

一般的な油と比べて効率よく体脂肪をエネルギーに変えやすいので、特別なスポーツをしなくても日常の徒歩移動や立仕事、家事などで効率的に脂肪燃焼ができるのだ。年末年始の大掃除などは、脂肪燃焼の絶好のチャンスかもしれない。

1日に小さじ半分程度のMCTオイルで、やせやすい体質になる

日清オイリオグループ株式会社 基礎研究所第1課 渡邉愼二氏によるとMCTオイルは1955年に安全性評価のために行った実験で安全性が確認された。それ以降、エネルギーを積極的に必要とする未熟児や腎臓病患者、高脂肪食を必要とするてんかん患者、消化器系の手術を行って油の消化吸収が低下した患者などへの栄養補給時に、医療現場で広く利用されてきたという。さらに介護現場では、食が細くなり、充分な栄養摂取ができない方高齢者にとって、エネルギーになりやすいMCTは、少量でも健康維持に役立つ可能性がある成分として活用されている。

2000年頃には、日清オイリオが技術革新により、世界で初めてMCTオイルを調理用油脂として使用することを可能にした。同社は、2g(小さじ半分程度)のMCTオイルを2週間にわたり摂取して、「日常活動時の脂肪燃焼」をキャノーラ油摂取と比較検討した臨床試験の実施。散歩レベルの運動でも脂肪代謝を上げることができて、肥満予防に繋がる体質変化の可能性があることが確認されたという。

「オメガ3」でからだのめぐりを整えて、冬のヒートショックに備えよう!

もうひとつの重要なオイル「オメガ3」について講演したのは、シリーズ累計100万部突破のベストセラーとなっている「人体の超基本」(朝日新聞出版社)など、著書・監修書が100冊以上という工藤内科院長の工藤孝文氏。

寒さが厳しくなると増えるのが、心筋梗塞などの心臓血管病。血圧が高い人は特に、気温の急激な変化に注意が必要だが、今年の夏は猛暑で、6月から8月の平均気温が、過去最高を記録した。秋は異常気象で昼夜の寒暖差が大きくなり、10月で最高気温と最低気温の差が8℃以上あった日数が14日。工藤氏は臨床も見ているが、こうした寒暖差の影響で体調を崩す人が例年以上に多いと感じているという。

「例年、脳梗塞は冬に増えるんですが、今年はもうすでに増え始めています。男性の冷え性が、今年は特に多い気がします。脱水や自律神経の乱れにより長期間血流が悪い状態が続くと、血液の濃度がどんどん濃くなっていきます。血流が悪くなると仕事のパフォーマンスが落ちてきますし、最悪の事態では脳梗塞を起こして寝たきりになったり、急性心筋梗塞で死亡したりしますので、冬場は水分をしっかりとることが大事です」(工藤氏)

氷雪地帯に住んでも心臓病が少ないイヌイットの秘密は、「オメガ3」

水分をしっかりとると同時に重要なのが、オメガ3を摂ること。前述したように、寒さが厳しくなると血流が悪くなり、心臓病による死亡率が高くなるが、不思議なことにデンマークに住む白人の心臓病による死亡率が34.7%なのに対し、それよりもはるかに気温が低い氷雪地帯グリーンランドに住むに住むイヌイットの心臓病による死亡率は5.3%。なんと1/6程度だという。これはイヌイットがオメガ3を豊富に含む魚やアザラシなど海獣の肉を主食としているためだと考えられている。

「オメガ3は細胞膜を柔らかくして血流をよくすることで全身の状態を健康に保つ、非常に重要な成分です。またオメガ3は体内で作ることができない必須脂肪酸ですので、必ず食事などから摂らないといけないのですが、100gあたりの含有量を見ると、えごま油、アマニ油が非常に多いですね。」(工藤氏)

オメガ3を摂るとなぜ、血液のめぐりがよくなるのか。

脂質からできている細胞膜は細胞の形を保ち、細胞内から老廃物を出したり、細胞外から栄養を取り入れたりする働きをしている。しかし細胞膜が硬いと、この本来の働きができない。硬い細胞膜は、細胞のひとつひとつがすき間なくきっちり並んでいて、老廃物も栄養も行き気ができないようになっている状態。

細胞膜の構造について解説する工藤氏

ここで必要になるのが、折れ曲がった分子構造を持つオメガ3

「細胞膜に折れ曲がった構造のオメガ3が含まれていると、細胞膜が密着しすぎないため、柔軟性を保つことができる。つまり、栄養が入りやすく、老廃物が出ていきやすい、非常に良い状態になるんです」(工藤氏)。

血液中の赤血球も同じ細胞なので、柔軟性が保たれていれば毛細血管にスムーズに入って行けるので、詰まりにくくなる。末端すべてに赤血球がいきわたることにより、肌がきれいになり、シミやしわが減る効果もあるという。

肉や炭水化物が好きな人こそ、オメガ3を!

冷え性のほかに、普段からお肉や炭水化物中心の食生活をしている人も、血流が悪くなっているので要注意だという。血流が悪い「ノロノロ血流」とは、血管に悪玉コレステロールが蓄積している状態。「悪玉コレステロールがあると活性酸素が血管に炎症を起こし、プラークというかたまりができます。『プラークができても、(血流がよくなれば)取れると思っている人が多いのですが、血管のプラークは1回できるとほとんど取れません。検診で毎年コレステロールが高いと注意されても、症状がないからと放置していると、ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞で亡くなったりするので、このプラークを絶対に作っちゃいけないんです」(工藤氏)

このプラークを防ぐために有効なのが、オメガ3。プラークの原因となる血管の炎症を抑える働きがあるという。

オメガ3には、3種類ある

オメガ3は大きく3種類がある。

えごま油やアマニ油やなど植物由来の「α-リノレン酸」、サンマやサバなど青魚に含まれる「EPAエイコサペンタエン酸)」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」だ。EPA・DHAは摂取後、すぐに分解されるが、α-リノレン酸は肝臓に貯蔵され、EPA・DHAに分解される。また1日2gのオメガ3を摂取するには毎日アジ3匹を食べる必要があるが、アマニ油なら1日に小さじ1杯を好きな料理にかけるだけでいい

「細胞膜での出し入れは小さい話だと思うでしょうが、人は約37兆個もの細胞でできていますから、この働きがスムーズかどうかは非常に重要な話です。細胞膜を整えることができれば、全身状態を整えることも目指せるので、ぜひ積極的にオメガ3を摂ってもらいたい」(工藤氏)。

取材・文/桑原恵美子

取材協力/ヘルシーオイル・プラス・コンソーシアム

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