SquareはMMD研究所と共同で、18歳〜69歳の男女1万人を対象に「実店舗のデジタル化に関する消費者の意識調査」を実施した。これは日本の小売店やレストラン、他のビジネスのデジタル化に関する消費者の考え方を調べることが目的で行われたもので、本稿では、その結果を同社リリースを元にお伝えする。
進む店舗のデジタル化、73%が店舗のデジタル化に賛成
店舗のデジタル化に関する賛否を聞いたところ、「賛成」が23.3%、「やや賛成」が49.7%と合わせて73.0%が賛成と回答した。
続いて、デジタル化に取り組む店舗について、デジタル化が進んでいない店舗よりも利用したいか聞いたところ、「利用したいと思う」が17.6%、「やや利用したいと思う」が43.3%と合わせて60.9%が利用したいと回答した。
■店舗で利用したいデシタルツールは「キャッシュレス決済」が半数以上
店舗で利用したいデジタルツールを聞いたところ(複数回答可)、「キャッシュレス決済」が52.6%と最も多く、次いで「セルフレジ」が40.8%、「デジタルオーダー」が21.5%となった。
次に、利用したいデジタルツールがある7228人を対象に、デジタルツールごとの利用したい理由を聞いたところ(複数回答可)、キャッシュレス決済(n=5262)は「支払い方法の幅が広がる」、セルフレジ(n=4076)、店舗専用のモバイルアプリ(n=1304)は「待ち時間が少なくなる」、デジタルオーダー(n=2145)、無人受付(n=1636)、配膳ロボット(n=1506)、デジタルサイネージ(n=1055)、チャットボット・AIカスタマーサポート(n=572)は「店員を呼ぶ必要がない」がそれぞれトップとなった。
全体の理由を見てみると、待ち時間の短縮や、店員を呼ぶわずらわしさなどが、デジタルツールを利用したい理由として取り上げられていることがわかった。
■効率化しても買い物中の店員との会話は楽しみたい、全体の6割が店員との会話を好む傾向
お店のデジタル化による店員との会話について聞いたところ、「減ってほしくないと思う」が13.5%、「やや減ってほしくないと思う」が46.8%と合わせて60.2%が減ってほしくないと思うと回答した。
これを年代別で見ると、減ってほしくないと思う回答は、60代(n=1,902)が70.1%、50代(n=2,296)が65.4%、40代(n=2,163)が58.7%となっている。
一方で、減ってほしいと思う回答が多かったのは、10代(n=288)が49.3%と最も多く、次いで20代(n=1,630)が48.0%、30代(n=1721)が46.4%で続く。
コスパやタイパを重視し効率性に注目が集まる一方で、年齢層が上がるに連れて、店員とのコミュニケーションを重視していることがわかる。
■システムの安定性やデジタルに不慣れな人への配慮を気にする消費者も
店舗のデジタル化が進むことで感じる不安を聞いたところ(複数回答可)、「システム障害による不便さ」が36.1%と最も多く、次いで「デジタルデバイスに不慣れな人への配慮不足」が33.4%、「セキュリティ面での不安」が29.4%となった。
逆に不安に感じることはないという回答は、35.3%だった。
アナログ式で不便だと感じることは「現金払い」「スタンプカードや会員カード」「有人レジ」
デジタルツールを利用していない店舗に対して不便だと感じるか聞いたところ、34.8%が「不便に感じるものがある」と回答した。
次に、デジタルツールを利用していない店舗で不便に感じたものがあると回答した3483人を対象に、不便に感じた項目を聞いたところ(複数回答可)、「現金払い」が63.4%と最も多く、次いで「スタンプカードや会員カード」が27.8%、「有人レジ」が19.2%となった。
キャッシュレス払いやスマートフォンアプリでの利用が一般化する中で、より効率よく買い物を済ませたいという人が多くいるようだ。
続いて、店舗を利用した際にストレスを感じたことがあるか聞いたところ、「ストレスを感じたことがある」は61.7%となった。
「ある」と回答をした人を対象に、感じたストレスが何かを聞いたところ(複数回答可)、「混雑やレジ列の待ち時間」が56.5%と最も多く、次いで「店員を呼んでもこない」が38.4%、「接客の態度が悪い」が34.6%だった。
調査概要
「お店のデジタル化に関する消費者の意識調査」
調査期間/2024年11月1日~11月5日
有効回答/1万人 ※人口構成比に合わせて回収
調査方法/インターネット調査
調査対象/18歳~69歳の男女
関連情報
https://squareup.com/jp/ja
構成/清水眞希