1月には新NISAがはじまり、8月に記録的な株価の乱高下を記録した2024年。投資経験者たちの間ではどのようなことが話題となったのだろうか。
スパークス・アセット・マネジメントは、今年(2024年)1年の日本株式市場を総括し、また、来年以降の見通しについて探るため、2024年11月8日~11月12日の5日間、全国の20~79歳の投資経験者を対象に、「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2024」をインターネットリサーチにより実施し、1,000名の有効サンプルを集計したので、概要をお伝えしよう。
2024年の“日本株式市場を表す漢字” 1位「乱」2位「変」3位「高」
株式投資家(533 名)に、2024 年の日本株式市場を表す漢字 1 文字を聞いたところ、1 位「乱」(70 名)、2 位「変」(30名)、3位「高」(26名)、4位「上」(22名)、5位「新」(19名)となった。
それぞれの漢字を選んだ理由をみると、「乱」では『株価が乱高下したから』や『波乱な相場だったから』、「変」では『様々な制度が変わった年だから』や『日米のトップが変わったから』、「高」では『日経平均株価が史上最高値をつけたから』『物価が高くなったから』といった回答があった。
昨年の調査結果と比較すると、2023年は株高や物価上昇を象徴する「高」や「上」が上位となっていたほか、紛争・戦争が続く世界情勢を反映した「戦」がTOP10入りした。
2024年は「乱」が1位、「変」が2位と、株価の乱高下や政治・経済状況の変化を象徴する漢字が上位に並んだ。
2024年8月の日経平均株価の記録的な乱高下、投資家はどのように動いた?
今年(2024年)の8月5日に、日経平均株価は前日比4,451円28銭安と過去最大の下げ幅を記録、しかし翌6日には前日比3,217円04銭高と過去最大の上げ幅を記録し、記録的な乱高下となった。
投資家(829名)に、2024年8月に日経平均株価が大きく下落した局面で、保有投資資産をどのようにしたか聞いたところ、「売却のみ行った」は3.6%、「売却と買い増しの両方を行った」は11.3%、「買い増しのみ行った」は22.7%で、『売却した』(「売却のみ行った」と「売却と買い増しの両方を行った」の合計)は14.9%、『買い増しした』(「買い増しのみ行った」と「売却と買い増しの両方を行った」の合計)は34.0%。また、「何もしなかった」は62.4%という結果に。
動かず様子見した人や、反発を期待して買い増しした人が多いのではないだろうか。次に年代別にみると、『買い増しした』と回答した人の割合は、30代男性(48.9%)が最も高くなっていた。
投資家が選ぶ今年の経済分野の流行語 1位「新NISA/NISA/つみたてNISA」
投資家(829 名)に、今年(2024 年)の経済分野の流行語(トレンドワードや新興の分野、技術、産業など)だと思うものを聞いたところ、「新 NISA/NISA/つみたて NISA」(114 名)がダントツとなった。
新 NISA スタートをきっかけにNISAブームが起きたことを実感している投資家が多いのではないだろうか。以降、2位「AI(人工知能)」(55名)、3 位「円安」(44名)、4位「半導体」(34名)、5位「トランプ/もしトラ/またトラ」(33名)と続いた。
投資経験者が来年以降の日本経済成長のために必要だと思うこと 1位「物価高騰の抑制」
全回答者(1,000 名)に、来年以降の日本経済の成長のために必要だと思うことを聞いたところ、「物価高騰の抑制」(31.4%)が最も高くなった。延々と続く物価上昇への対策が急務と考える人が多いようだ。
次いで高くなったのは、「持続的な賃金上昇」(28.9%)、「過度な円安の是正」(28.2%)、「減税策の推進」(24.6%)、「ウクライナ情勢の解決」(24.1%)であった。
男女別にみると、「AI・ロボットの普及」(男性20.6%、女性13.6%)は、女性と比べて男性のほうが7.0ポイント高くなっている
年代別にみると、50 代では「持続的な賃金上昇」(34.0%)が 1 位に。また、60 代・70 代では、「ウクライナ情勢の解決」(35.5%)と「原油価格の適正化」(33.0%)が全体と比べて10ポイント以上高くなっていた。
“与党過半数割れ”が2025年日本株式市場に与える影響 投資経験者の33%が「良い影響」と予想
日本では、10月の衆議院議員選挙において、与党の議席が15年ぶりに過半数を割る結果となった。
そこで全回答者(1,000名)に、衆議院議員選挙2024における“与党過半数割れ”は2025年の日本株式市場にどのような影響を与えると思うか聞いたところ、「非常に良い影響」は 8.1%、「やや良い影響」は 24.9%で、合計した『良い影響』は33.0%、「非常に悪い影響」は7.6%、「やや悪い影響」は24.7%で、合計した『悪い影響』は32.3%となった。また、「影響はない」は34.7%という結果に。
年代別にみると、40代以下では『良い影響』(20代38.5%、30代33.5%、40代32.5%)が『悪い影響』(20代27.5%、30 代 32.5%、40 代 26.0%)を上回ったのに対し、50 代以上では『悪い影響』(50 代 35.5%、60 代・70代40.0%)が『良い影響』(50代29.5%、60代・70代31.0%)を上回った。
“またトラ”が2025年日本株式市場に与える影響 投資経験者の41%が「良い影響」と予想
11 月のアメリカ大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利し、4年ぶりに大統領に復帰する。
トランプ氏のアメリカ大統領再就任は2025年の日本株式市場にどのような影響を与えると思うか聞いたところ、『良い影響』は41.1%、『悪い影響』は38.0%、「影響はない」は20.9%となった。
年代別にみると、40代以下では『良い影響』(20代51.5%、30代44.0%、40代40.0%)が『悪い影響』(20代28.0%、30 代 34.0%、40 代 31.0%)を上回った。
50 代では『良い影響』(40.0%)と『悪い影響』(40.5%)がほぼ同率で、60代・70代では『悪い影響』(56.5%)が『良い影響』(30.0%)を上回る結果に。日本株式市場への影響について、若い年代ほどポジティブにとらえているようだ。
調査概要
調査タイトル:日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2024
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする 全国の20歳~79歳の投資経験者 (日本株式、外国株式、公社債、投資信託などの 金融資産への投資経験がある人)
調査期間:2024年11月8日~11月12日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社
※「スパークス・アセット・マネジメント調べ」
構成/Ara