小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

スズムシは少なかった!?秋に鳴いている虫の正体について昆虫ハンターの牧田習が解説!

2024.12.10

夏から秋にかけて草むらから聞こえてくる綺麗な虫の声。誰しもが彼らの声を聞いたことあるはずですが、どんな虫がどんな音色を奏でているのかをよく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?また、鳴く虫の代表格・スズムシは意外と野生では見つけられない珍しい種類でもあります。今回はそもそもこの鳴く虫たちとは一体どんな虫なのか、代表的な種類について、そしてスズムシの意外な事実について解説します。

草むらの鳴く虫たち

鳴く虫とは文字通り、音を出して鳴く虫のことです。音を出す虫と言うと、多くの方はセミを思い出す方も多いかもしれませんが、昆虫業界では主にコオロギやキリギリスなどの仲間のことを指します。それぞれの種類が個性豊かな音色で鳴くのですが、ここではそもそも鳴く虫はなぜ鳴くのか?何を食べるのか?日本には何種類くらいいるのか? について解説します。

(1) 鳴く虫が鳴く理由

実は、鳴く虫が鳴く理由はいくつも存在します。代表的な理由としては異性へのアピールのため、自分の縄張りの主張のため、ケンカのためなどです。ほとんどの種類ではメスは鳴かず、鳴くのはオスのみです。

(2) 何を食べるのか?

鳴く虫が食べるものは種類によって様々ですが、スズムシやコオロギなどの仲間は雑食性の種類が多く、キュウリやナスなどの野菜を与えることで飼育できることも多いです。キリギリスも雑食性ですが、時にはカマキリなどをおそって食べることもあります。

(3) 日本には何種類の鳴く虫がいるのか?

日本にはなんと230種類ほどもの鳴く虫が生息しています。ですが、種類によって鳴き声が異なるため、オスとメスは鳴き声で自分と同じ種類の異性に巡り合うことができるのです。

身近な鳴く虫たち

さて、それでは私たちの周りにはどんな鳴く虫が生息しているのでしょうか?ここでは、簡単に見つけることができ、多くの方が一度は鳴き声を聞いたことがあるはずの鳴く虫3種類を紹介します。

(1) エンマコオロギ

夏から秋にかけて見られるコオロギの仲間で、体長2.5~3cmほどの体です。「コロコロリー」と鳴き、身近な公園などの草むらはもちろん、市街地でも多く見かける種類です。オスはメスに比べて、翅にはっきりとした筋が多くあることで見分けることができます。

(2) アオマツムシ

こちらも夏から秋にかけて現れるコオロギの仲間で、体長2~2.5cmほどの緑色の体をしています。「リーリーリー」と鳴き、樹木の葉の上などにいることが多いです。その動きから「アオゴキブリ」と呼ばれることもあります。

(3) カネタタキ

夏から12月頃まで見ることのできる種類で、1~1.5cmほどの小さな体をしています。街中の街路樹や植木などにも生息していて、「チッチッチッ」という音を出します。その変わった名前の由来は鳴き声が鐘をたたくような音に似ていることに由来しています。

野生のスズムシは珍しい!?

ここまで、鳴く虫とは、そして身近な鳴く虫について紹介してきましたが、やはり多くの方に人気な鳴く虫は「リーンリーン」と美しい音色を出すスズムシではないでしょうか?スズムシはペットショップなどではよく販売されていますが、野生のスズムシを見たことがあるという方は意外と少ないはず。それは実は野生のスズムシを見つけるのは簡単ではないからです。

スズムシはどこにでもいるわけではなく、ススキなどが生い茂った環境の良い場所に生息しています。そのため、野生で見つけてもなかなかゲットするのは難しいです。僕も先日、関東のとある河川敷でスズムシが生息している場所を見つけましたが、鳴き声を聞いてから姿を見つけるまで、更には姿を見つけてからゲットするまで苦労しました。

また、多くの方がスズムシは秋の虫だと思っているかもしれませんが、実は夏の終わり頃が狙い目で、8月~9月前半頃に探しに行くのがおすすめです。10月になると野生の個体はほとんど姿を消してしまいます。

そんなスズムシですが、簡単に購入することができ、専用のエサや野菜などを与えることで、初心者でも音色を楽しみながら飼育することができるので、野生で見つけるのが大変だ、という方はぜひ購入して、飼育してみてくださいね。

昆虫ハンター・牧田習

1996年、兵庫県宝塚市出身。2020年に北海道大学理学部を卒業。同年、東京大学大学院農学生命科学研究科に入学、現在、博士課程在学中。昆虫採集のために14ヵ国を訪れ、9種の新種を発表している。「ダーウィンが来た!」(NHK)「アナザースカイ」(NTV)などに出演。現在は「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。昆虫をテーマにしたイベントにも多数出演している。

著書:「昆虫ハンター・牧田習のオドロキ!!昆虫雑学99」(KADOKAWA)、「昆虫ハンター・牧田習と親子で見つけるにほんの昆虫たち」(日東書院本社)好評発売中。Instagram・Xともに@shu1014my

文/牧田習

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年12月16日(月) 発売

DIME最新号は、「大谷翔平研究!」。今年を象徴するDIMEトレンド大賞の発表や、Aぇ!group、こっちのけんと他豪華インタビューも満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。