ずんだ餅の妖精『ずんだもん』が日本を席巻している。マスコットと人間2つの姿があり、喜怒哀楽の感情表現もできると動画配信で使われまくっているのだ。
無申請・無料での商用利用を許可!
もともとは東北復興を掲げた『東北ずん子・ずんだもんプロジェクト』から生まれたキャラクターで、個人クリエイターの動画投稿では収益化も含め無申請、無料での利用を許可するなど寛容なルールも後押しし、10月下旬時点でチャンネル数1万、動画数は13万本を超えている。中には、わずか数日で20万再生を記録する動画も多数ある。人気の要因を『ずんだもん』の生みの親、SSS合同会社の小田恭央さんに聞いた。
「デザインがシンプルで作画コストが低く2次創作がしやすい点だと思います。頭に枝豆をつけて髪の毛を3ブロックにすれば、どう転んでも『ずんだもん』になるので(笑)」
さらに、『ずんだもん』の真骨頂といえば豊かな感情表現だ。
「感情表現を最初からいくつか用意した点も流行したポイントかもしれません。『ずんだもん』誕生の時期がたまたま音声合成技術の品質が上がったタイミングだったので、そこで仕掛けたのが大きかった」(小田さん)
結果、音楽系YouTubeにも注目され、右で紹介の『なみぐる–namigroove』のほか、替え歌を量産中の「わらさん」などのクリエイターが活用しはじめている。
2024年夏にはWebを飛び出し、キデイランドでポップアップストアも展開されるほど一般にも人気に。
「最近、『ずんだもん』の声にリアルタイムで変換できるAIボイスチェンジャーが公開されました。今後、〝ずんだもんYouTuber〟が増えたらいいなと思います。AIを駆使すれば『ずんだもん』で無限に遊べる。もっと「おもしろい」を追求したい」(小田さん)
究極に取っ付きやすいキャラはユーザーたちの最高の〝おもちゃ〟となって魅力を増幅させている。次世代の国民的キャラと言っても過言ではない『ずんだもん』、狙うは世界か!?
ずんだもん
一人称「ボク」の少し不憫なキャラ。趣味はその辺をふらふらすること&自分を大きく見せること。語尾に「~のだ」をつけてしゃべる。
キディランドのずんだもんコーナーが話題に
2024年6月に大阪・梅田店、8月には東京・原宿店がずんだもん一色に。完売アイテムも出るほど人が集まった。
ずんだもんの声優・伊藤ゆいなさん発案で無料テキスト読み上げソフト「VOICEVOX」の音声ライブラリーに。感情移入しやすい動画作成のきっかけとなった。
生みの親・SSS合同会社小田恭央さんが絶賛する『ずんだもん』コンテンツ
ずんだもんと学ぶ激安ガジェット
フォロワー数25.1万人
さいちょう
企業案件、タイアップ一切なしのガジェットレビューを投稿。怪しい商品から激安まで緻密な分析を行なう。
変わった物件を自腹でレビュー
フォロワー数15.9万人
ずんだハウス
ヤバいシェアハウスやカプセルホテルなどの情報を発信。物件好きのずんだもんと四国めたんの掛け合いが◎。
令和ボカロ界を代表するクリエイター
フォロワー数7.37万人
なみぐる–namigroove
『ずんだもん』を使用した楽曲で人気のボカロP。ニコニコ超会議ではCDが即完売!!
プラフィア『ずんだもんミニフィギュア同梱セット』
6050円
4種の顔と7種のハンドパーツ、2種の前髪と枝豆でキュートな姿を表現できるプラモ。ミニフィギュア付き。
取材・文/太田ポーシャ
※YouTubeのフォロワー数は2024年10月29日現在のものです。