
日進月歩で進化を遂げているPCゲーム。ディスプレイいっぱいの迫力満点な映像が醍醐味……かと思いきや、昨今ディスプレイの下半分のみで遊ぶPC用の「下画面ゲーム」が話題だ。2024年4月に発売された『Rusty’s Retirement』は個人開発ながら30万DLのヒットに。それを皮切りに、同系統のゲームが複数作られている。
「ながら作業」を意識したゲームデザイン
下画面ゲームの特徴として「ながら作業」を意識したゲームデザインが挙げられると、ゲームメディアAUTOMATONの編集長、川瀬鮎郎さんが解説する。
「ゲーム性はシンプルで、PCにタスクを与えて放置するだけ。しかも画面の下半分しか使わないので、残りの画面は作業に使えます。腰を据えて遊ぶのではなく、休憩時の息抜きという遊び方が適しています」
下画面ゲームのように、PC画面の一部分を〝ハック〟しているようなコンセプトの、遊び心のあるアプリは以前から開発されている。
「例えばデスクトップの壁紙に動きを持たせるアプリなんかがそうですね。しかし、その多くが無料で、マネタイズが課題でした。
そこにゲーム性を持たせ、買い切り型として発売した『Rusty’s Retirement』は、ありそうでなかった新たな一手でした」
昨今のゲーム業界の流れも、下画面ゲームの人気を後押ししている。
「リッチ化が進むゲーム性やグラフィックに疲れた人たちが、シンプルなゲームに流れていると推測しています。ドット調でそこまでPCスペックを要求しないのも、幅広い層に刺さっているのではないでしょうか」
今後、日本でも下画面ゲームは作られるのだろうか。
「現状のもので完成形のように見えますが、独創性を追い求める日本人クリエイターの手にかかれば、画期的なものが生まれるかもしれません」
スキマ時間にポチポチ遊べる下画面ゲーム。進捗が気になり、ついサボりすぎないように注意!?
30万DL以上ヒットしたながら系農業シミュレーションゲーム
Mister Morris Games『Rusty’s Retirement』
750円(STEAM販売価格)
ロボットのラスティに指示を与え、農場を運営するゲーム。作物の種を撒く場所や新設備の建設地を指定すれば、後はラスティらロボットが自動で栽培、建設する。収穫した作物をバイオ燃料へと変換し、換金したり設備投資へと回したりして、農場を拡大していく。
縦置きでもプレイ可能!
画面の下側だけでなく、右側を使ったプレイも可能だ。しかし、一度プレイ場所を決めると途中で変更はできないため注意が必要だ。
人魚と一緒に自分だけの水族館を作り上げる
DEVDUP『Under the blue horizon』
700円(STEAM販売価格)
多様な魚を育てよう!
人魚とともに魚を育てて海を作っていくゲーム。配置した魚は自動でエビを食べて成長し、一定時間が経つとアクアという通貨を生み出す。アクアを施設の追加や海の拡大に使用することで、より豊かな海を育てていく。
お役立ち機能もある動物収集ゲームの期待作
DevBandeira Studios『Work Adventure』
価格未定(2024年11月以降STEAMにて早期アクセス開始)
森の仲間を集めよう!
森に棲む動物をコレクションし、集めた動物が森で動き回る様を見て楽しむ収集系ゲーム。森の他にも沼地や砂漠など様々な生息域が登場する。2024年11月から2025年1月ごろに早期アクセスの配信が予定されている。
電卓やアラーム、ToDoメモといった作業補助機能が含まれているのが特徴だ。
取材・文/桑元康平=すいのこ
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年10月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。