今年も様々な「不祥事」が世間を騒がせた。その中でもっとも、起こした企業や自治体、団体のイメージを失墜させた出来事はいったい何か?
宣伝会議が発行する広報・メディア対応の専門誌「広報会議」はこのほど、全国の20~60代の男女1000名を対象に「2024年1月~10月に発生し、イメージが悪化した企業や自治体、団体などの不祥事」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
イメージが悪化した24年の不祥事、1位は「小林製薬、紅麹関連製品による健康被害」
■2024年 イメージが悪化した不祥事ランキング
1位 小林製薬、紅麹関連製品による健康被害(37.5%)
2位 宝塚歌劇団員死亡問題、パワハラ認め遺族側に謝罪(34.3%)
3位 ドラマ『セクシー田中さん』原作改変巡る一連の問題(28.9%)
4位 トヨタなど自動車業界で認証試験における不正発覚の連鎖(11.6%)
5位 神戸大、非公認バドミントン同好会「旅館破壊」動画拡散(10.6%)
6位 羽田空港における日本航空機と海上保安庁機の衝突事故(10.3%)
7位 いなば食品、新入社員の寮の「ボロ家」騒動など内部告発相次ぐ(9.9%)
8位 損保大手4社カルテル問題、課徴金20億円(8.7%)
9位 日産自動車に下請法違反で勧告、30億円の不当な減額要求(5.5%)
10位 鉄道各社の車両、輪軸の組み立てで検査データ改ざん(4.4%)
2024年1月~10月に発覚した不祥事13件(※)のうち、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらったところ、1位は「小林製薬、紅麹関連製品による健康被害」(37.5%)となった。以下、2位「宝塚歌劇団員死亡問題、パワハラ認め遺族側に謝罪」(34.3%)、3位「ドラマ『セクシー田中さん』原作改変巡る一連の問題」(28.9%)と続いた。
2024年は、事態を認識してからの行動に時間を要したことにより、さらなる被害の拡大やイメージの悪化につながった事例が上位に挙げられた。
なお調査対象とした13事例は、編集部が危機管理の専門家の意見をもとに選定したものであり、回答者は任意で3事例を選択している。
上位に挙げられた事例について、回答者に選択した理由を自由回答形式で尋ねたところ、次のようなコメントが寄せられた。
●1位 小林製薬、紅麹関連製品による健康被害(37.5%)
・死者が何人も出ているのに原因究明が遅かったしトップの謝罪も誠意が感じられなかった(61歳女性)
・健康被害をすぐに報告しなかったのが隠蔽体質な企業だと感じた(57歳男性)
●2位 宝塚歌劇団員死亡問題、パワハラ認め遺族側に謝罪(34.3%)
・当初否定していたこと、および、歌劇団側の報告が全オープンになっていない(53歳男性)
・劇団側のコメントが二転三転して、劇団のイメージが更に悪くなった(25歳女性)
●3位 ドラマ『セクシー田中さん』原作改変巡る一連の問題(28.9%)
・作者の意向を無視したドラマ制作の過程に関する言い訳。世間体を気にしているだけで一応形だけしたような謝罪が文面から伝わってきた(35歳女性)
・全く説明責任が果たせておらず、うやむや(47歳男性)
●4位 トヨタなど自動車業界で認証試験における不正発覚の連鎖(11.6%)
・こんなにも連鎖続く?嘘でしょ?(30歳女性)
・何回同じような不正が明るみに出れば気がすむのか(58歳男性)
●5位 神戸大、非公認バドミントン同好会「旅館破壊」動画拡散(10.6%)
・この学校に通っている子までイメージが悪くなった(57歳男性)
・学生のノリなんて通用しない(42歳男性)
<調査概要>
編集部が危機管理の専門家の意見をもとに選定した、13件の企業・団体に関する不祥事(2024年1月~10月までに発覚)の中から、任意で3つまで「イメージが悪化した」項目を選択してもらい、ランキング化。あわせて、選択した理由などを自由回答で調査した。
調査方法:インターネットリサーチ/対象:全国、20~69歳の男女/期間:2024年11月5日~7日/有効回答数:1000/調査機関:ネオマーケティング
出典元:株式会社宣伝会議
構成/こじへい