世界最大規模の越境ECマーケットプレイスとして知られる「eBay」。同マーケットプレイスでは最近、どのような商品が売れ筋なのだろうか?
イーベイ・ジャパンはこのほど、2024年(7-9月)の期間において日本セラー(販売者)から出品されたアイテムの販売動向を発表した。
売れ行きの商品
イーベイ・ジャパンは売れ行きの商品として、「メンズ アパレル&バッグ ブランド小物」と「自動車パーツ」、「デジタルカメラ」を挙げた。
メンズ アパレル&バッグ ブランド小物は、バッグ、アパレル、シューズ3カテゴリー全てで急激に伸長した。ブランド別では、1位にOnitsuka Tiger、6位にAsics、8位にMizuno、トップ20にユニクロ、Porter、デニムのiron heartと、国内ブランドの成長が顕著だった。
自動車パーツでは、車パーツが2桁成長したことに加え、バイクパーツが3桁成長を遂げた。特にエンジンパーツの成長が著しくToyota車種に適合可能なAISINのウォーターポンプが大きく寄与。バイクパーツはホンダのゴールドウィングとワルキューレのモデルに互換性のあるパーツが大きく寄与した。
古いモデルのメーカー純正部品を手頃な価格で安心して購入できる先が日本となっていることに加え、自分の車にパーツが合うか手軽に確認できるツール「myFiitment」が普及したことが要因としている。
デジタルカメラは、昨年同期比で2桁成長を見せた。世界的な旅行客増加で、撮影の難易度が低く携帯性の高いカメラへの需要が高まった。SNSの普及に伴う、瞬時にデジタルデータを共有できる容易さへの需要の高まりから、コンパクトデジカメが人気。今期は円高に傾いたものの、ハイスペックな日本の1,000ドル前後の高級コンパクトデジタルカメラの人気が衰えなかった。
2024年第3四半期(7-9月)カテゴリーランキング
2024年第3四半期(7-9月)における取引額ランキングは、1位が「レディース アパレル&バッグ ブランド小物」、2位が「時計・パーツ&アクセサリー」と、前回の同年4~6月同様の順位となった。また3位には「アニメアート&キャラクターグッズ」がランクインしており、前回3位のカメラレンズ&フィルターを追い越す結果となった。
前年同期と比べた2024年第3四半期(7-9月)における成長率TOP3は、1位が「メンズ アパレル&バッグ ブランド小物」となり、以下、2位「自動車パーツ」、3位「デジタルカメラ」と続いた。
イーベイ・ジャパンのカテゴリーマネジメント部 部長 北村氏は、2024年(7-9月)販売動向の総評と今後の販売予測について次のように見解を示している。
「7月前半につけた1ドル161円をピークに一時20円ほどの円高になった影響を受け、前回の同年4~6月ほどの伸びはありませんでした。しかし米国経済は堅調に推移、円高の影響は限定的となりました。米大統領選がトランプ氏勝利に終わり、米国の過剰なインフレを終わらせる動きへの期待感が高まりそうです。彼らが公約5つの柱で目指す、国内製造業活性化/GDPの押し上げ/雇用増が実現すれば、今後の米国経済の堅調な推移が持続する見込みが高いため、第4四半期と2025年第1四半期はもちろん、今後の対米ECの盛り上がりが期待できるのではないかと考えています。気になる日本製品への関税増加については、ヨーロッパ製の中古品や趣味性の高いコレクティブルズ商材が大きな売り上げを占めるという背景から、そこまで大きく影響はないと予想しています」
構成/こじへい