NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所から、子が情報機器を利用する時の親の考えに関する調査レポートが発表された。
これは2023年11月に実施された「2023年親と子の調査」から、親は子がスマホ・パソコンを利用することに対し、どのように考えているかについてまとめたものだ。
本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。
スマホは「遊び」、パソコンは「学習」と思っている親が多い
小中学生のスマホの利用が増えており(モバイル社会白書第7章資料7-5)、さらにGIGAスクールの関係もあり、その利用内容も多様になってきた。
それでは親は、子がスマホ・パソコンを利用することに対し、どのように考えているのか。
今回、親に対して子どもの機器利用について「学習」「遊び」「人との繋がりを豊かにする」という3つの項目で調査を行なった。
その結果、図1に示されているとおり、スマホは「遊び」や「人とのつながりを豊かにする」ための機器と考える親が多いのに対し、パソコンは主に「学習」を目的とした機器と考える親が多いことがわかった。
図1. 【小中学生】スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え
図1の結果の中から、「学習」と「遊び」で、どちらを重点的に考えているかを比較した。
その結果を図2に示した。この図を見ると、スマホについては多くの親が「遊び」と考えているのに対し、パソコンは「学習」と捉えている親が多いことが明らかになった。
図2. 【小中学生】スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(学習か遊びか)
■スマホは「遊び」と思っている親と子のスマホ利用時間は長い
子どもがスマホを使うことを「遊び」と考えているかどうかについて、子どもと親のスマホ利用時間の平均を調べた。
その結果、スマホを遊びだと思っている子どもは、利用時間が長い傾向にあった。また、その親のスマホ利用時間も長くなっていることがわかった。
図3. 【小中学生】スマホを遊びの機器と考えるかとスマホ利用時間
■スマホは「学習」と思っている親の子のスマホ利用時間は短い
最後に、親は子どもがスマホを使うことを「学習」と考えているかどうかと、子どもと親のスマホの利用時間の平均を計算した。
その結果、子どもがスマホを遊びと考えているかどうかとは違って、子どもが「学習」と思っている場合はスマホの利用時間が短くなった。一方で、親のスマホ利用時間は長くなっていることがわかった。
図4. 【小中学生】スマホを学習の機器と考えるかと親と子のスマホ利用時間
調査概要
調査名/2023年親と子の調査
調査方法/訪問留置調査
調査対象/関東1都6県・小学生及び中学生とその親
回答数/600
サンプリング/QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期/2023年11月
関連情報
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp24.html
構成/清水眞希