
「話題の新製品を試してみたい」「ストレス発散したい」という気持ちから、日頃ついつい浪費してしまったりしませんか?
そのお金の使い方、もしかしたら「浪費メンタル」になっているかもしれません。
浪費習慣を卒業して「貯金メンタル」を身につけることができれば、人生の満足度が上がるお金の付き合い方に変えることができます。
今回は、節約・投資系YouTuberの節約オタクふゆこ氏による著書『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』から一部を抜粋・編集し、初心者でも無理なく続けられる貯金・節約・資産づくりのヒントを紹介します。
使わない「自分ルール」が自然に身につく9つのテクニック
「変動費とはなにか?」を下にまとめました。固定費との違いもわかりやすいように、「固定費」のまとめも念のために入れています。
ここでは、説明用にあえて勘定科目を細かめに分類していますが、自分が管理しやすいように、もう少しざっくりまとめてしまっても構いません。
固定費は原則的に一定なので、月ごとに支出を仕分けて計算する必要はありませんが、変動費は科目が多いほど「この支出は◯◯費で……」と考えて分類するのが面倒になります。
ですので、支出状況により、例えば娯楽費を交際費と一緒にしたり、被服費を美容費とまとめたりするなど、自分なりのルールを決めていきましょう。
逆に、現状における毎月の浪費額が大きくて節約の重要度が高いなら、より細かく個別の科目を立てたほうがいいと思います。
例えば、外食が浪費のおもな原因になっているなら、食費を外食費とそれ以外で分けたほうが、支出の状況が把握しやすくなることは間違いありません。
(1)「ついで買い」「乗せられ買い」の罠にハマらない買い物のコツ
「まったく買う気がなかったものを、つい衝動的に買ってしまった」
そんな浪費が頻発する場所は、たまに行くデパートやファッションビルよりも、むしろ日頃通っている食品スーパーです。
自炊をしようと食材を買いに行ったのに、入口に並べてあるお惣菜や菓子パンがおいしそうで、割高でも思わず購入。あるいは、試食販売のお姉さんのトークスキルに乗せられて、買う予定のなかったウインナーを3パック買ってしまうといったことは、誰にでも経験があるのではないでしょうか。
もともと意志が強くて、どんな誘いにも揺るがないタイプの人であれば問題ありませんが、わたしはすぐにホイホイ乗せられてしまう、いわゆる〝チョロい客〞でした。
こういう買い物は、自分の意志で買っているのではなく、店舗の販促マーケティングに踊らされているということ。お店側は、「この位置で、この価格で、こんなふうにアピールをすれば必ず客は買いたくなるはず」と狙って販売しているわけですから、わたしはまんまとその戦略にハマっているのです。
そんなマーケティングやPRのプロたちの戦略に抗うために、わたしが実行したのは、「買い物は週1(土曜日)にする」こと。そして、「見たら負けの精神」を持つことでした。
まず、買い物に行くのは週に1回、土曜日のみと決めました。わたしの場合は、近くのスーパーが車で行く距離にあるということもあり、車で出かけて1週間分の食材をまとめて買い込みます。平日の仕事帰りは心身ともに疲れていて、お腹も空いています。仕事で嫌なことがあれば、ストレスも溜まっているでしょう。
そんなコンディションが悪い状態でスーパーに行けば、ついついお菓子やスイーツ、楽チンなお惣菜を買ってしまって当然です。
だから、金曜の夜にグッスリ睡眠をとって、心身のコンディションがいい、休みの日の土曜日に買い物に行くという作戦にしました。
そして実際の買い物では、事前に「買い物メモ」を作成し、メモに書いた商品だけをカゴに入れていきます。買い物メモの内容がすべて揃ったら、お惣菜売場やお菓子コーナーなど、誘惑の多い場所を通らないコースでレジに直行。
YouTubeや本書では、さんざん節約マインドを語っていますが、わたしはもともと意志薄弱なタイプ。目にしたら買ってしまうので、「とにかく見ない」ことにしたのです。
「優先順位」や「自分軸」の話をしてきましたが、ここでも大切なのは、スーパーに行く、食材を買うという行為を自分のなかでどう位置づけるかです。
わたしのやり方は節約を最優先に考えたものですが、「買い物を楽しむこと」や、「少し割高になっても、調理時間を短縮して別のことに時間を使いたい」という部分の優先順位が高いのであれば、売り場をくまなく見て回ったり、時短アイテムを活用したりするのもいいでしょう。
ここでも、自分のなかでの「優先順位」の考え方が、大切になってくるのです。
(2)「なんとなくコンビニ」から卒業する
次にご紹介する節約法は、「コンビニに行かない」ことです。
もともとあまりコンビニには行かないという人や、必要なものしか買わないという人には関係ないと思いますが、わたしはコンビニが大好きで、ほぼ毎日、出勤前や帰り道に特に用もないのに立ち寄り、お菓子や飲み物を買っているタイプでした。
アプリで家計簿をつけてみたところ、多い日はなんと1日に3回もコンビニに立ち寄っていました。1回あたりは400円、500円という出費ですが、積み重なると毎月数千円、多い月は1万円近い金額になっていたのです。
月4000円でも、1年間に直すと4万8000円。これはかなりの出費です。
自分のなかで、「コンビニに通って買い物をすることは優先順位が高い」と位置づけている人はいいのですが、ほとんどの人はなんとなく習慣で通っていて、そこでなにを買ったのかすら覚えていないことも多いのではないでしょうか。
そんな「なんとなく」の行動に、あなたの大切なお金を使ってしまうのは、とてももったいない。それこそ年に4万8000円もあれば、近場に旅行に行ったり、おいしいものを食べに行ったりすることもできますよね。
わたしと同じように、
● 用もないのにコンビニに行く
●「ついで買い」をよくする
● 新製品や限定品という言葉に弱い
そんなタイプの人は、コンビニでの浪費割合がかなり高いことが予想されます。
まずは、騙されたと思って1週間でも2週間でも、「コンビニに絶対に行かない」ルールを試してみてください。
いちどそう決めてしまえば、最初のうちこそ気分が落ち着かないかもしれませんが、徐々に慣れていきます。きっと、「コンビニに行かなくても困ることはないな」「行くと余計なものを買ってしまうだけだったんだ」と実感できるはずです。
みなさんもご存じのように、コンビニの商品はスーパーなどと比べて高めの価格になっています。同じお菓子や飲み物を買うのでも、スーパーでまとめ買いをすればずっと安い金額で入手できるのです。
多くの人が、「自分がどれだけコンビニに行っているか、毎月いくら使っているか」を認識できないくらい、生活の一部になっているかもしれません。しかし、そこに節約や貯金のヒントがあるのです。
(3)自炊で実現! 食費1万円生活
浪費メンタル時代のわたしの1カ月の食費は4万円でした。その頃を思い返すと、自炊はほぼゼロ、昼ごはんはコンビニか外食、夜も週に1回~2回は外食で、それ以外の日もお弁当やお惣菜を買って済ませていました。
「毎日仕事で疲れているし、自炊する気力なんてない。時間をお金で買おう」という気持ちだったのです。しかし、自炊をしないぶん、ほかのことに有意義に時間を使えていたかというと、まったくそんなことはありませんでした。
帰宅後はお弁当やお惣菜で食事を済ませ、そのあとは特に目的もなく、ダラダラとスマホを見ていたら、あっという間に寝る時間……。そんな過ごし方をしていたのです。時間もお金も、すごくもったいない使い方をしていたと反省するばかりです。
食にこだわりがあって、「自炊で節約するよりも、おいしいものを食べるためにお金を使いたい」と思っている人なら、自炊にこだわらなくてもいいでしょう。
でもわたしは、単にめんどくさいという理由でそんな食生活をしていたので、選ぶものも適当で、毎日の食事に対する満足度も高くありませんでした。
貯金メンタルに切り替えてからは、外食は月に1回程度に抑え、食事はほとんど自炊をするようになったことで、月の食費を1万円に抑えることができました。
最近は、「ウーバーイーツ」などの配達サービスを使って調理の時間を省くなど、「時間対効果(いわゆるタイムパフォーマンス=タイパ)」が大事にされている傾向もあるようです。確かに、共働きの家庭や、仕事が猛烈に忙しい人は、それらをうまく活用することで効率化を図れるでしょう。
時間がなければ心に余裕は生まれませんし、仮にお金のことを真剣に考えていても、マネーリテラシーを高めるための勉強もままなりません。ですので、本当に時間がないという人に限っては、自炊のような時間がかかる節約は不向きかもしれません。
ただし、自炊といっても、じっくり時間をかけて凝ったものをつくる必要はないと思います。わたしの場合でいえば、食材の半分くらいは缶詰やパウチ、冷凍食品を活用することで、手間ひまをかけず、なおかつ安い金額で自炊生活ができています。
おおまかな記録ですが、次ページにわたし(20代女性ひとり分)の「1カ月・1万円」の食費内訳を紹介します。
「これは、自炊なのか……?」と思われた人もいるかもしれません。それでもわたしは、胸を張って「自炊である」といいたいです。
野菜は冷凍のものやカットしたものを活用することで、品質劣化を気にせずに必要量だけ食べられるので、結果的にコストを下げることができますし、お肉にしても、行きつけのスーパーでは鶏胸肉を1kg単位で買うと100gあたり40円まで下がるので、それを活用しています(ずっと鶏胸肉だけだとさすがに飽きがくるので、鶏もも肉や豚肉、牛肉なども安いタイミングを狙って買っています)。
また、食材を買う際には、たんぱく質や野菜(ビタミン・食物繊維)、炭水化物という栄養素のカテゴリ分けを意識するようにしています。『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)を参考に、できるだけ栄養のバランスがよく、健康にいい食生活を心がけています。
さらに会社員時代は、1万円で買った1カ月分の食材で、平日のお弁当もつくっていました。ただし、お弁当のために毎朝早起きなんて面倒なことはしたくありません。
おすすめは、休日に1週間分のお弁当を一気につくって冷凍しておくことです。
これなら、冷凍野菜もそのまま入れるだけで済みますし、職場にある電子レンジでチンするだけで、準備完了です。
「そんな質素な食事で満足なの?」と思った人もいるかもしれませんが、これも自分軸と優先度の問題です。わたしの場合は、もともと大好きなつけ麺や、友だちや家族との会食以外は、食事にそれほどこだわりがありません。
ただ、おいしいものは大好きなので食事自体の優先度は高いのですが、節約生活を通じて、高級なものや派手な食材でなくとも、お手頃価格のものや素朴な食材で十分おいしいと気づくことができました。
食費を減らしたぶん、大好きなオンラインゲームや、将来のための貯金や投資にお金を使えるようにもなりました。
「食事にはもっとお金や手間ひまをかけたい」という食事の優先度が高い人は、食費以外の部分でできる節約を実践していけばいいでしょう。
(4)無駄遣いの見える化「浪費日記」をつける
(3)で紹介した1カ月・1万円の食生活は、わたしのベースになっていますが、これ以外に食費をまったく使わないのかというと、そんなことはありません。
なにかを頑張った日は、ちょっと特別なお菓子が食べたくなることもありますし、気分転換のために、月1というルール外のところで外食をしたくなることもあります。
すべての欲望を抑え込んでしまうと、逆にストレスが溜まって、節約生活の妨げになってしまうかもしれません。とっておきの日にお金を使うことは、日々の生活に彩りを与えるためにも、そして節約生活を長く続けていくためにも必要なものだと考えます。
予定外の出費をするときに大切なのは、「浪費を自覚すること」です。
自覚がないと、「今日だけ」だったはずの出費が明日も明後日も続いてしまい、気づいたら浪費メンタルに逆戻りをしてしまうからです。
浪費を自覚するためにおすすめなのは、カレンダーに浪費を記録する「浪費日記」をつけること。
日記といっても細かいものではなく、スマートフォンのカレンダーアプリ、あるいは使っている手帳やカレンダーなどに、買い物をした日付に品名と金額を記録するだけでOKです。
「毎日必ず見るカレンダーに記録する」のがポイントです。
1カ月に必要な食費を決めたら、それ以外の食に関する出費は、すべて浪費です。
食費以外では、洋服、アクセサリー、雑貨など「買わなくても生活ができるもの」も浪費にあたるので、忘れずにメモします。
お伝えしてきた「自分軸と優先順位」の観点は人によって違うので、なににお金をかけるのかによって、浪費の捉え方は変わってくるところもあると思いますが、ここでは一番わかりやすい分け方でお話をします。
貯金メンタルが身につくまでは、「これはずっとほしかったものだ」と思うような買い物でも、価格がいくら安いものであっても、生活必需品以外は浪費として記録していくほうが、自分のお金の使い方が見えやすくなるでしょう。
これを記録していくと、あとからカレンダーを見たときに、「今週はお菓子をこんなに買った」とか、「今月はいらないものを買い過ぎたな」などと、浪費を一瞬で把握できます。浪費を視覚化することで、「自制心が働く」という効果が期待できるというわけです。
自制心なくして節約生活を続けることはできないので、こうした「見える化」はとても大切です。浪費日記を習慣にすることで、どんどん貯金メンタルを育てることができるはずです。
(5)「浪費予算」を決めて引き算で生活する
カレンダーへの浪費記録は、いわば加算式で浪費を確認する方法です。
逆に、毎週・毎月の「浪費予算」を決めて、引き算で浪費を管理する方法も効果的だと思います。
例えば、手取りの収入が20万円で、固定費の合計が10 万円なら、毎月の残り予算は10万円です。そのうち、「毎月4万円を貯金しよう」と決めたのなら、変動費は残りの6万円でやりくりする必要があります。
この6万円のなかで、勘定科目ごとに具体的な予算を設定します。
〈6万円の変動費の予算設定例〉
● 食費 ………1万5000円
● 日用品費 ………5000円
● 交際費(飲み会や会食など)………2万円
● 娯楽費(映画やゲームなど)………1万円
● 雑費(これ以外の出費)…………1万円
このようにざっくり決めておいて、支出があれば引き算で記録していくと「今月はあとどれだけ使えるのか」を意識することができるはずです。
手計算とメモでやっていくと面倒で大変なので、わたしのおすすめは家計簿アプリの予算機能の活用です。そういった機能がないアプリもありますが、「マネーフォワードME」には予算機能があるので、とても重宝しています。
また、勘定科目ごとの予算を立てると、「自分はどんなことにもっとお金を使いたいか」という自分軸が見えてきます。「交際費を少し減らして、娯楽費(ゲーム)に多く使いたい」など、節約を強化する部分と、お金をかけたい部分が見えるようになります。
(6)「ほしいもの放置リスト」で物欲をクールダウン
節約生活を継続していくうえでのポイントは、「本当にほしいものは買う」ことです。
節約というと、「とにかくすべてを我慢する」というイメージがあるかもしれませんが、わたしはそうではなく、「不必要なものを買わないこと」だと考えています。「節約ができる」=「効率的で満足度の高い浪費ができる」ことでもあると思います。節約習慣が身につくと、自分の好きなこと(お金を使いたいこと)に優先順位をつけ、優先度が高いものにお金を使っていくことができるのです。
本当にほしいものまで我慢してしまっては、ストレスが溜まり、いわゆるクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)が低下してしまいますし、人生そのものがつまらなくなってしまうでしょう。
だからわたしは、「自分が本当に必要だと思っているのなら、値段が張るものであっても買おう」と思っています。自分の趣味であるゲームやマンガにはしっかりお金をかけますし、節約や投資の勉強のための書籍も頻繁に買っています。
それ以外でも、家電、洋服、ガジェット(タブレット、イヤホン、モバイルバッテリーなどの電子機器小物)、話題のお菓子なども、本当にほしいという気持ちがあれば買います。
「本当にほしいのか」という基準になるのが、自分軸と優先順位ですが、ふだんの買い物のなかでは、どうしても迷ってしまったり、判断を間違えて不要なものを買ってしまったりすることがあります。
そこで使えるテクニックが、「ほしいものをリスト化して放置する」ことです。
〈「本当にほしい?」チェックの手順〉
●「ほしい!」と思ったら、「ほしいものリスト」に記録する
↓
● そのまま、1週間くらいほったらかしにする
↓
● 1週間後にリストを見て、「やっぱりわたしには必要だ!」と思うなら即購入
↓
●「別にほしくないかも」と思ったものはリストから削除する
この方法は、たくさんの節約本やYouTubeなどでも紹介されているのですが、最初は正直、「そんなにうまくいくのかな?」と疑っていました。
でも、実際にやってみたら、「衝動的な感情や欲望に振り回されないための、基本行動にしたほうがいいかもしれない」と素直に思えたのです。
「アンガーマネジメント」という、対人関係における怒りのコントロール術で有名なテクニックに、「ムカっとしたら6秒置いてから言葉を発する」というものがあります。6秒経てば、怒りは自然に収まるので冷静な対応ができるのです。
それと同じで、衝動的な「ほしい」という感情もまた、時間を置けば静まります。
わたしは特に、この衝動的な「ほしい!」に弱く、かつて衝動買いばかりしていたときは、その瞬間は本気で「これがほしい! わたしにとって必要だ!」と思っていたのに、時間が経つと「あれ? これは買わなくてもよかったものかも……」と後悔の念に襲われていました。
「ほしい」という欲望が高まっているときは、一種のパニック状態に陥っているようなものです。ですから、「ほしい・ほしくない」「買う・買わない」という感情から、距離を置くようにしています。瞬間的に燃えあがった欲望を落ち着かせてから、要不要を冷静に判断すればいいでしょう。
例えば以前に、SABON(イスラエル発のコスメブランド)の店頭でスクラブ洗顔料を試して、「これはとてもいい! ほしい!」と思ったことがありました。でも、5000円くらいする、わたしにとっては高価なものでしたし、その洗顔料を使わなければ生活に困るわけでもありません。
絶対に必要なものではないので、いちど店を出てリストに記録しました。後日、あらためてリストを見返すと、試用したときの香りのよさや幸福感が強くよみがえってきたので、「あ、これはわたしの生活の質を高めるために必要だ」と思って買いに行きました。
逆に、3000円くらいするかわいいスマホケースをネットで見つけて「ほしい!」と思い、リストに書いたのですが、後日見返してみると、あまりピンとこず、リストから削除したこともありました。「これに3000円を使うなら、大好きなつけ麺(1杯1000円)を3杯食べたほうが幸せだな」と思えたのです。
些細なことですが、すぐに買わずに時間を置くことで「本当にほしいもの・必要なもの」に優先順位をつけることができ、浪費を減らす習慣づくりに役立ちます。
Amazonや楽天市場などのネットショップであれば、「ほしいものリスト」や「お気に入り」などの機能があるので、すぐに購入せずそこに登録しておくといいでしょう。
個人的な感覚としては、ほしいものリストに入れた時点で、欲望の半分は消化されている気がします。
(7)水分補給の出費ゼロ化計画
浪費をしていた頃のわたしは、会社にある自動販売機で、1日3本ほどドリンクを買っていました。エナジードリンクや甘い缶コーヒーなどを買うことが多く、仕事の活力を注入しているような気分に浸っていたのです。
1缶あたり150円くらいだとしても、1日450円×5日×4週間だと1カ月に9000円、年間だとなんと10万8000円の大きな出費です。
自動販売機で飲み物を買うことに価値を感じているというのではなく、「なんとなくの習慣」で出費をしているだけなので、とてももったいないお金の使い方です。
同様の習慣のある人は、コンビニ通いの話と同様に、とにかく1週間でも2週間でも、「自動販売機に足を運ばない」ということをやってみてください。
自動販売機に行くことが仕事中のリフレッシュになっているという場合もあるかもしれませんが、休憩をするときは自販機のないところでストレッチをしたり、外の空気を吸ったりするなど、代わりとなるリフレッシュ方法を考えて習慣化するといいと思います。
また、わたしのように1日に何本も買っていて、一気に全部やめるのはつらいという場合は、とりあえず「1日1本だけにする」などのルールを決めるのもいいでしょう。
給茶機がある職場であれば、水分補給は実質タダでできますが、わたしの職場には残念ながら設置されていなかったので、水筒作戦を実施しました。
毎朝自宅で水、お茶、コーヒーなどを水筒に入れて持参することで、自動販売機での出費をゼロにすることができました。
しばらくのあいだ自販機のドリンクから離れてみると、「糖分でリフレッシュ! というつもりで買っていたけれど、別に飲まなくても大丈夫だな」と思えるようになりました。
もともとコーヒーが好きだったので缶コーヒーを飲むようになったのですが、自販機のコーヒーは正直、そんなにおいしいわけではありません。
自宅で淹れたコーヒーのほうが断然おいしいですし、水筒でおいしいコーヒーを持参するようになったことで、以前よりも仕事中の気分転換ができるようにもなりました。
また、浮いたお金でちょっといいコーヒー豆を買うことができ、一層おいしいコーヒーが飲めるようになったのも嬉しい効果でした。
そもそも糖分は、1日3食の食事で炭水化物を摂っていれば十分だという説もあります。また、よくいわれていることですが、市販のジュースや清涼飲料水などには多量の糖分が含まれているため、1日に何本も飲んでいると糖分の摂り過ぎになり、体に悪影響を与えてしまう可能性もあります。
わたしは医師でも管理栄養士でもないので、それらの知識は本で学んだ受け売りに過ぎません。でも、そのような知識を身につけると、なおさら自販機で浪費をすることに意味を感じなくなるので、節約にはやはり知識が大切だと実感します。
水筒生活のネックは、「帰宅後に洗うのがめんどくさい」ということでしょう。わたしはちょうど食洗機を手に入れたことで、その壁をなんとか越えることができましたが、食洗機を持っていない人や今後も買う予定のない人は、別のやり方で飲み物代を節約できると思います。
例えば、缶コーヒーやペットボトルも、スーパーやネットショップでケース買いをすれば、自販機で買うよりもかなり安い値段で購入することができます。
また、職場に電気ポットや給湯機がある場合は、インスタントコーヒーやティーバッグなどをスーパーで購入して持参すれば、これもまた飲み物代の節約につながります。いずれにしても、自販機で飲み物を買うのは一番もったいない行為なので、少しでも出費を抑えられる方法を試してみてください。
(8)飲み会や外食は「ルール化」で無理なく減らす
社会生活を営むにはコミュニケーションを欠かすことができないので、「人づきあい」は重要です。だからといって、飲み会、会食、カラオケ、ゴルフなど、誘われるままになんでもかんでも参加していたら、お金はどんどん消えていきます。
人づきあいにおいても、自分軸や人生の価値観に沿って、消費の優先順位を決めることが大切です。
例えば、「自分の人生において、人との交流やつながりがなにより大事」という確固たるポリシーがあって、飲み会も遊びも積極的に参加したいのなら、それは支出の優先順位を上位にして、ほかのことで節約を図っていくべきでしょう。
一方、飲み会や遊びが家計を圧迫していて、「ただ惰性で参加しているな」とか、「断りづらくて参加しているだけかも」ということであれば、それらは節約を考えるべきでしょう。
できるだけ飲み会には参加したいけれど、支出もある程度抑えたいのであれば、「飲み会は月に◯回まで」とルール化するのが効果的です。自分で制限を設けてルール化し、「断る理由をつくる」のです。
飲み会以外でもそうなのですが、わたしは自分が「90点以上だ」と思ったこと以外はやらないようにしています。これは、グレッグ・マキューン著『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』(かんき出版)に書かれていた「90点ルール」を取り入れたものです。
その本では、ものごとを「よい」か「それ以外」で判断し、「悪くない」という曖昧な選択肢は思い切って捨てるという思考を紹介しています。
選択肢を100点満点で評価し、90点未満の選択肢はすべて0点とするのです。
「人づきあいに点数をつけるのは、人としてどうなのか?」とも思いますが、かといって、どこかで「(飲み会に)行く・行かない」の線引きをしないと、金銭的にも時間的にも収拾がつきません。
わたしは、「必要だ」「不要だ」という定性的な評価方法ではなく、「90点以上かどうか」という定量的な評価を行うことで(主観的な点数ではあるのですが)、明確な線引きをすることができるようになりました。
自分のなかで「90点以上」と思える場であれば、きっとお金と時間をかけて行く価値があるはずなので、そういう会には積極的に参加すればいいでしょう。
もちろん、その理由をそのまま相手に伝えると、角が立つこともあるので、断る理由はうまく考えたほうがいいとは思います。
このルール化は、飲み会以外の外食費を節約するのにも役立つ方法です。わたしも節約の初期段階では、ルール化で外食やコンビニに行く回数を少しずつ減らしていました。
それまで週に何回も外食していた人が、「もう行かない」「月にいちどだけ!」と極端なルール化をすると、ストレスになるだけです。スモールステップで段階を踏んで頻度を減らしていくことをおすすめします。
例えば、週5でほぼ毎日外食をしているのなら、「週3に減らしてみる」「週5のまま価格帯を抑える」など、いくつか小さな目標を立てて、ひとつずつクリアしていきましょう。
目標を達成するたびに、「ちょっといいアイスを買う」など、小さなご褒美を自分に与えると、モチベーションを維持しやすくなります。
飲み会や会食のルール化もストレスになりそうな場合は、同様のテクニックで少しずつ自分を慣れさせていってください。
(9)生活用品は「ふるさと納税」でお得にゲット
ふるさと納税とは、故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度です。
手続きをすると、寄付金のうち2000円を超える部分については、所得税、住民税の還付・控除が受けられます。返礼品がもらえて節税にもなるという、かなりお得な制度なのです。
ふるさと納税は、ここ数年ですっかり定着してきましたが、「地場の特産品をもらえる制度」だと思い込んでいませんか? もちろん、おいしい肉、魚、フルーツなども魅力的ですが、実は、生活用品を返礼品にしている自治体もたくさんあり、節約にかなり役立ちます。
以下は、わたしがふるさと納税で手に入れた生活用品の例です。
● トイレットペーパー(静岡県富士宮市)
● ティッシュペーパー(静岡県富士宮市)
● 洗濯用洗剤(千葉県市原市)
● 食洗機用洗剤(福岡県嘉麻市)
● ハンドソープ(福岡県北九州市)
● タオル(大阪府泉南市) など
静岡県富士宮市は大王製紙の「エリエール」の工場がある街として知られています。このほか、王子製紙の工場がある北海道苫小牧市など地元に製紙工場がある自治体で、特産品としてトイレットペーパーやティッシュペーパーが用意されています。
洗剤など、そのほかの生活用品も関連工場がある自治体が多いようです。キッチン用品や化粧品なども、ほとんどの生活用品はふるさと納税で手に入れることができます。
「ふるさと納税で生活用品をもらっても、なんだかテンションが上がらないな」と思うかもしれませんが、いやいや、そんなことはありません。
生活用品は、想像以上にテンションが爆上がりします。どうですか? この量ですよ? なかなかない光景で、非日常体験です。
ふるさと納税では、納税金額分から2000円を差し引いた金額が翌年の住民税・所得税から差し引かれます。つまり、ふるさと納税3万円分に対して合計で8900円(4700円+4200円)相当の大量のティッシュペーパーやトイレットペーパーが、実質負担額2000円でもらえたということです。
ティッシュペーパー60箱とトイレットペーパー64ロール! 自分ひとりなら、1年は確実、2年近く持つような量です。
ただし、ふるさと納税は年収や世帯構成に応じて寄付上限額が決まっています。例えば会社員で「年収400万円」「独身」「扶養家族なし」なら、寄付上限額は約4万2000円です。その金額までのふるさと納税なら、実質負担は2000円で済みます。しかし、上限を超えて、例えば6万円分をふるさと納税してしまうと、差額の約1万8000円分は翌年の住民税・所得税から差し引かれないので、実質負担が2000円+1万8000円=約2万円になってしまいます。
これでは、トータルで損をしてしまう可能性が高いので、寄付上限額には必ず注意しましょう。
ふるさと納税のサイトはたくさんあり、サイトによって取り扱う返礼品の数や、使い勝手のよさも異なります。そのなかで、わたしが利用しているのは「楽天ふるさと納税」。このサイトを選んだ理由は、「楽天ポイントの還元」です。
「ポイ活」の一環として、楽天経済圏に特化してポイントを貯め、ポイントを使用しているというわけです。ふるさと納税でもポイント還元されるのは、ちょっと意外で嬉しくありませんか?
わたしの場合、2019年に4万4000円相当のふるさと納税を行った結果として、「2000円の実質負担」と「楽天ポイント2300円分の還元」があったので、「実質負担ゼロ」どころか、300円もらったうえで返礼品をいただくことができました。かなりお得で節約にもなりますので、ぜひ活用してください。
☆ ☆ ☆
『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』
著者:節約オタクふゆこ
発行:アスコム
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節約オタクふゆこ
1993 年2 月14日生まれ、自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金477 万円を返済しながら1カ月10 万円で生活し、年間300 万円を貯金、20 代で資産1000 万円を達成。現在は脱サラしてフリーランス。2021 年から運営しているYouTube チャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は58万人を超える(2024 年12月時点)。
構成/DIME編集部