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ストレス解消の衝動買いから卒業するために必要な「対策自分論」とは?

2024.12.21

「話題の新製品を試してみたい」「ストレス発散したい」という気持ちから、日頃ついつい浪費してしまったりしませんか?

そのお金の使い方、もしかしたら「浪費メンタル」になっているかもしれません。

浪費習慣を卒業して「貯金メンタル」を身につけることができれば、人生の満足度が上がるお金の付き合い方に変えることができます。

今回は、節約・投資系YouTuberの節約オタクふゆこ氏による著書『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』から一部を抜粋・編集し、初心者でも無理なく続けられる貯金・節約・資産づくりのヒントを紹介します。

「対策自分論」でストレス解消の衝動買いから卒業する

 先にお伝えしたように、ストレスによる浪費をなくし、貯金メンタルに変わるためには、ストレスのそもそもの原因を取り除いたり、遠ざけたりすることが最善の策です。

 例えば特定の人がストレス源なら、距離を置く、関係を断つというのがいいでしょう。それが職場そのものだったり、性格が合わないけれど毎日接しなければいけない上司や同僚だったりした場合には、すぐに離れるのは難しいかもしれません。でも、心身の健康を損なってしまっては本末転倒なので、精神的な負担が大きいと感じているなら、異動や転職など、根本的な解決法を考えてみてもいいのではないかと思います。

 しかし、他人ではなく自分の「考え方」がストレスの原因になっている場合は、逃げようがありません。なぜなら、たとえ居場所や環境を変えたとしても、どこに行っても同じようなストレスが発生してしまうからです。これをなくしていくためには、ストレスを生み出している自分自身の考え方のクセに気づき、あらためていく必要があります。

 わたし自身、「転職で職場環境がよくなりストレスが緩和された」ことが、貯金メンタルに変わるひとつのきっかけだったとお伝えしましたが、もちろんすべてのストレスがなくなったわけではありませんでした。その原因を突き詰めると、ストレスの原因は自分の「考え方」にあったのです。

 ここからの話は、そんな事例のひとつとして読んでください。

■他人へのイライラは「勝手な期待」と「思い込み」から生まれていた

 職場が変わったことで業務上のストレスや給料の不安、人間関係やセクハラやパワハラのイライラもなくなり、最初のうちは「なにもストレスがないなんて、天国!」と思っていました。

 同僚のみんなは、出社時や退勤時には笑顔で挨拶をしてくれる。通路ですれ違うときは、道を空けてこちらに譲ってくれる。

 あたりまえのことと思うかもしれませんが、最初に勤務した会社は、社内全体がギスギスしていて、そういった気遣いやマナーもなく、小さなストレスが積もりやすい環境でした。

 ただ、恵まれた職場環境になったはずなのに、しばらくすると、またイライラし出したのです。

 それまで、イライラの原因は「会社にある」「職場のせいだ」と考えていました。しかし、新しい職場には大きな問題がない以上、「どうしてイライラするのだろう? もしかして、わたしがおかしいのかも」と、自分自身に原因があるという可能性に向き合うことにしました。

 このように書くと、いわゆる「自己責任論」のように感じてしまう人もいるかもしれませんが、それはちょっと違います。

 ストレスの原因は様々で、複雑に絡み合っていることが多いものです。

 例えば、一口に「仕事のストレス」といっても、

● 会社自体がブラック企業体質である
● 上司がパワハラ気味
● 自分の視野が狭い、経験が足りない

 などというように、自分自身の問題を含めて、複数の原因が混在しているものです。

 ひとつめ、ふたつめのように、あきらかに自分以外のこと(職場や上司)に原因がある場合、「自分は悪くない」と思ってしまうかもしれません。

 しかし、「自分は悪くない」というケースでも、現実問題として、そのことについてなんらかの対策をしていかなければ、いつになってもつらい現状を変えることはできません。そして同時に、他人や会社自体を変えることは現実的には難しいものでもあります。

 そうであれば、「コントロールが可能な自分自身の考え方や行動を変えていくことで、少しでもストレスをなくし、穏やかな気持ちで過ごせるようになろう!」と考えたのです。わたしはこれを、「対策自分論」と呼んでいます。

 心理学について本で学んだり、自己分析に取り組んだりした結果、それまでは気がつかなかった、自分の一面が見えてきました。

 一般に、イライラは「自分の理想」と「現実」が食い違うことによって発生するといわれています。

 例えば、先ほど説明した浪費であれば、「わたしは20代女性なのだから、こういう生活をするべきだ」という理想(固定観念)が不要な浪費を生む↓しかし、お金が足りなくて実現できないことが出てくる↓理想と現実が食い違いイライラが生まれる―そんなロジックです。

 自己分析をしてみたところ、どうやらわたしは、この理想(固定観念)を他者に対しても抱いていることに気がつきました。要するに、他人に対して、自分の勝手な期待や思い込みをぶつけてイライラしていたのです。

「通路ですれ違うときは、道を空けてこちらに譲ってくれる」と書きましたが、会社のなかには、そうでない人だっています。

 社内ルールでは「左側通行」と決まっていて、それを守るべき(理想)なのに、ルールを無視して真ん中を歩いてくる人もいる(理想と異なる現実)ため、こちらが避けないといけません。理想と現実が異なるので、そこにイライラしてストレスが発生してしまうというわけです。

 しかし、こんなとき多くの人は「捉え方」を変えて対処するものです。「あの人は気が利かないからね(笑)」と性格で理由づけをしたり、「考えごとをしていたのかな」「体調が悪かったのかもしれない」などと相手の事情を想像したりして、「仕方のないこと」としてストレスをうまく受け流します。

 ですが、そういう切り替えが苦手なわたしは、常に全力でイライラしていました。

 ときには、「そうくるなら、わたしだって道は譲らない!」とムキになり、あえて避けずに真ん中を直進したこともありました。いま思うと、本当に大人気ないのですが、当時のわたしは本当に心に余裕がなくて、どうかしていたんだなあと思います。

 イライラやモヤモヤの原因を掘り下げれば掘り下げるほど、自分の身勝手さや心の狭さが見えてきたのです。

 この傲慢なわたしの心のありようについては、以前にブログでもマンガにして描きました。

 頑なに、「ルールは必ず守られるべきだ!」「お互いに配慮し合うのが当然だ!」という理想を持ち、固定観念として相手に押しつけるから、イライラしてしまうのです。

こちらからカラーでご覧いただけます。
節約オタクふゆこのブログ
「【エッセイ漫画9】避けない人にイライラしていた自分が、道を譲らなくなってしまった」より

 自分のなかにあるストレスの原因を突き詰めていったことで、器の小ささが情けなくもなりましたが、他人に対するイライラを受け流せるようになり、確実にメンタル面の成長につながるいい経験になりました。考え方を変えられたことで、感情的な浪費やストレス解消の衝動買いもなくなり、さらに貯金メンタルに邁進していけたわけです。

 このように、わたしのケースでは「ストレスの原因となる考え方」が、自分の傲慢さや未熟さといった「個人の性格」に起因するものでしたが、そのほかにも「アンコンシャス・バイアス」という無意識の偏見や先入観が、ストレスの原因となる場合もあります。

☆ ☆ ☆

『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』
著者:節約オタクふゆこ
発行:アスコム
【Amazonで購入する】
【楽天ブックスで購入する】

節約オタクふゆこ
1993 年2 月14日生まれ、自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金477 万円を返済しながら1カ月10 万円で生活し、年間300 万円を貯金、20 代で資産1000 万円を達成。現在は脱サラしてフリーランス。2021 年から運営しているYouTube チャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は58万人を超える(2024 年12月時点)。

構成/DIME編集部

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