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我々からお金を奪う「思い込み」と「こうあるべき」という視点

2024.12.17

「話題の新製品を試してみたい」「ストレス発散したい」という気持ちから、日頃ついつい浪費してしまったりしませんか?

そのお金の使い方、もしかしたら「浪費メンタル」になっているかもしれません。

浪費習慣を卒業して「貯金メンタル」を身につけることができれば、人生の満足度が上がるお金の付き合い方に変えることができます。

今回は、節約・投資系YouTuberの節約オタクふゆこ氏による著書『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』から一部を抜粋・編集し、初心者でも無理なく続けられる貯金・節約・資産づくりのヒントを紹介します。

「思い込み」と「こうあるべき」がわたしたちからお金を奪う

みなさんに質問です。

「アラサー世代の社会人女性って、どんな生活をしていると思いますか?」

● デザインの凝ったインテリアで部屋をおしゃれな空間にしている
● 恋人や友だちとの食事会では、ちょっと高くてもおしゃれなお店に行く
● トレンドをさりげなく押さえてファッションに気を配る
● プチプラだけでなく、ちょっと高価なブランドも取り入れる
● ジムやホットヨガに通って自分磨きをする
● ネイルサロンやまつ毛エクステなど美容にも定期的にお金を使う

 まだまだありそうですが、こうして書き出してみると「お金がかかる」ことばかりですよね? それこそ、女性インフルエンサーがSNSで発信するような生活を真似しようと思うなら、自由に使えるお金が月に30万円あっても足りない気がします。

 わたしは、このような「世間の考えるアラサー女性像」を意識し過ぎていました。固定観念にとらわれ、「こうあるべきなんだ」という思い込みに縛られていたといってもいいでしょう。

 美容にたいしたこだわりもないのに、「もうアラサーなんだし」という、いま振り返るとよくわからない理由から、デパートで高級コスメを買い、ファッション誌やSNSで「アラサー世代が着るべき服や必須アイテム」を把握して、トレンドを意識した服やバッグを買いそろえていました。

 でも、高級コスメもおすすめのファッションアイテムも「自分の意思」で選んでいるわけではないので、結局は「買っただけ」でまったく活用できませんでした。

 いまのわたしなら、「使わないなら不用品として売るか、思い切って捨てよう」となりますが、当時は「高かったのに捨てるのはもったいない」「いずれ使うかもしれない」という思考で、部屋のなかは着ない服や使わないもので溢れていました。

「自分のために、自らの意思で選んだ支出」ではなく、ただ「世間体を気にしてお金を使っていただけ」だったのです。

〝オトナの女性〞だから、「こういうものを身につけないといけない」「これくらいのものは買うべきだ」という固定観念を持ち、それを実現するために散財する。

 百歩譲って、お金が足りているうちはまだいいのです。

 でも、お金が足りなくなって買えなかったり、買ったことで日々の生活が苦しくなったりすると、さらに大きなストレスを感じてしまう。

「こんなに頑張っているのに、ほしいものも買えない……。みんながSNSに載せるような、キラキラした素敵な暮らしができない。わたしは負け組だ」

 いまとなれば笑ってしまうような、はずかしい話です。日々のストレスにより、ちょっと買い物依存症のようになっていたのかなとも思います。

■「他人軸」を卒業して「自分軸」で生きていく

● 社会人ならデートはいいお店に行くべき→安くてもおいしいお店はたくさんある
● 大人ならスーツはそれなりのものを着ないと→見方によっては毎日着る作業着なのに
● 腕時計や靴は品格を表す→モノと品格ってそんなに関係ある?
● 女子会はホテルのアフタヌーンティー→仲のいい友だちとならどんな場所でも楽しい
● ○歳を過ぎたら○○にはお金をかけるべき→年齢で区切ることに意味はある?

 このような「○○すべき」や「普通は○○」は、〝世間の声〟を装った企業や広告が、巧みにわたしたちにお金を使わせようとしているだけなのです。

 こういった考え方に支配されたままだと、どこまでいっても他人軸でしか生きられません。

「みんな持っているもの」「○代の女性なら(男性なら)買うべきもの」「一人前の大人なら当然のたしなみ」という視点で考えてしまうから、「それができない自分」に劣等感を抱いてしまうのです。

 もちろん、「それなりのスーツ」や「いい腕時計や靴」を自分の意思で選んでいるのであれば、なんの問題もありません。

 また、営業職の人であれば、服装や身だしなみにお金をかけることは、成績アップ・収入アップのための投資になる場合もあります。この本では、おもに貯金や節約について書いていきますが、一方で、このような収入を増やすための自己投資にお金を使うのも、とても大事なことでしょう。

 問題は、そういった明確な目的のある買い物ではなく、単なる見栄や広告に乗せられて「なんとなく」お金を使ってしまうパターンです。

 このあとお伝えしていく「自分軸」や「人生のなかでの優先順位」が明確になっていて、自分が本当に大切にしたいこと、お金や時間を費やしたいものが決まっているのであれば、それを大事にしていけばいいでしょう。

 しかし、「お金を使わせよう」とする広告やマーケティングはとても巧妙です。「これが普通」「これをやるべき」という固定観念は、知らず知らずのうちに、わたしたちの思考のなかに深く刷り込まれているのではないかと思います。

「お金を使おう」としているとき、それが本当に自分の意思によるものなのか、それとも世間の「普通」や「流行り」に流されているだけなのかを見極める作業は、わたしにとってはなかなか難しいものでした。

「自分が本当にほしいものってなんだろう?」
「わたしが一番大切にしたいものはなに?」

 こうやって、お金の使い方に疑問を感じられるようになったのは、転職によって仕事のストレスが改善され、自分と向き合う時間と心の余裕ができたからでした。

「これって、本当に自分にとって必要なものかな?」

 この問いかけにはっきりと答えられない買い物であれば、いちど財布はバッグのなかにしまいましょう。その物欲は、世間体や固定観念に流されているだけなのかもしれません。

 それに気づくことさえできれば、「本当に必要なもの」以外はほしいと思わなくなるので、「我慢」の必要すらなくなるのです。

☆ ☆ ☆

『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』
著者:節約オタクふゆこ
発行:アスコム
【Amazonで購入する】
【楽天ブックスで購入する】

節約オタクふゆこ
1993 年2 月14日生まれ、自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金477 万円を返済しながら1カ月10 万円で生活し、年間300 万円を貯金、20 代で資産1000 万円を達成。現在は脱サラしてフリーランス。2021 年から運営しているYouTube チャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は58万人を超える(2024 年12月時点)。

構成/DIME編集部

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