スキンケア効果のあるファンデーションやハイスペックドライヤー……。美容・ヘルスケア部門のヒット商品には、「多少お高めでも、キレイを最大化できるなら出費を厭わない」、そんな美意識・健康意識の高まりが表われた。
教えてくれたのは……
『美的.com』編集長 小林由佳さん
2015年に小学館入社。広告局で女性メディアのデジタル広告セールスやマネタイズを担当し、そのうち2年間は美的ブランド室を兼務。2022年秋より『美的.com』編集長を務める。
自分らしい〝美〟への探究心がヒットの火付け役に
「今年の美容業界は、スキンケア、ベースメイク、ヘアケア、サプリメントなど、パーツごとに専門性の高いアイテムがたくさん登場しました。女性だけでなく、男性の美意識の高まりも顕著で、新しいものがどんどん発売される中でも、自分に必要なものをうまくチョイスしてアップデートしている人の多い印象があります」
そう話すのは『美的.com』編集長の小林由佳さん。自分に合った〝美〟を探求するためには、多少値が張る商品でも取り入れる潮流があるとか。ハイプライスのドライヤーや中価格帯のシャンプー&トリートメントのヒットも、その裏付けといえるだろう。
ヘルスケアにおいては、近年の健康意識の高まりは継続傾向に。
「サプリメントやインナーケアでは、特に〝腸活〟に効果のある商品に注目が集まりました」。
ほかにも〝ながら〟でメンテナンスできるマッサージツールがヒットするなど、自分をいたわるアイテムが好調だった。
美肌探求が深化。新・定番商品が誕生!【美肌】
美容液ファンデ人気の火付け役。累計出荷数50万個※
SHISEIDO『エッセンススキングロウファンデーション』7590円(30ml)
美容液によるスキンケア効果と美しい仕上がりを共に実現する「ファンデ美容液」。「美容液のような使用感が好評です。SNSでは、『もはや色付き美容液!』といったコメントも」(資生堂 PRグループ・野島希恵さん)
※SHISEIDO調べ:2023年9月〜2024年4月
シリーズ累計20億枚※突破の勢い止まらず!
Dr.ルルルン『ルルルン ハイドラ EX マスク』2640円(28枚)
グルタチオンやエクソソームなどの美容成分を配合。独自の3層構造シートによる圧倒的な液量で、白玉肌に。MEGUMIさんの紹介効果もあり、今年のパックといえばコレ! の声多数。
※2011年7月以降の累計販売枚数(自社調べ)
ヘアケアアイテムはミドル&ハイプライス志向が顕著に【ヘアケア】
発売前から予約殺到!計画比250%以上と初速好調
パナソニック『ヘアドライヤー ナノケア EH-NC80 nanocare ULTIMATE』
オープン価格(実勢価格8万4150円)
モイスト、ストレートなど髪悩みに合わせた4つのパーソナルメニューでなりたい髪に導くヘアドライヤー。「新コンセプトへの期待値も高く、発売前から多数の予約がありました」(広報・多田薫子さん)
高浸透ナノイーが第2世代に進化。従来の最大10倍の水分発生量で、毛髪内部まで水分を補給する。
全国発売から2か月でブランド累計出荷数195万個
ファイントゥデイ『+tmr (プラストゥモロー)スムース シャンプー/同トリートメント』
オープン価格(実勢価格各1650円/470ml)
髪の主成分であるタンパク質に着目。パラベン、エタノールなど、6つのフリー処方設計で髪の本質を補う。「見た目はかわいいけれど、中身は骨太」という〝欲しいものの両立〟で人気に。
「ご褒美ヘア体験」が人気!1か月で計画比9倍を売り上げ
花王『メルト モイストシャンプー/同トリートメント』
オープン価格(実勢価格各1760円/480ml)
髪表面と内側を同時に補修するハイブリッドリペア処方を採用。同シリーズの『メルト クリーミーメルトフォーム』も、ヘッドスパ発想の〝生炭酸シャンプー〟という新規性で支持を得ている。