コロナ禍の巣ごもり需要で、調理家電や生活家電が売り上げを伸ばした白物家電市場。その状況も落ち着きを見せた今、どんな製品に注目が集まっているのか。「家電王」中村剛さんが分析!
教えてくれたのは……
東京電力エナジーパートナー 中村 剛さん
2002年『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝。現在は〝家電王〟として動画マガジン『くらしのラボ』(YouTube、Facebook)を毎週配信、様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信中。無類のネコ好き!
個人の価値観に寄り添うパーソナライズ家電が増加?
もはや成熟した感のある家電市場。コロナ禍を経て物価高に直面する今、売れる家電の共通点とは? 中村さんに振り返ってもらった。
「目立ったキーワードとしては、自動ゴミ収集機能付き掃除機(ロボット、スティック共に)、リベイクトースター、コードレス調理器具、タイパ、スペパ&コンパクト化といったところです」
そして今後は〝よりパーソナルな志向が反映される〟と中村さん。
「自分の好みや生活に合うものを吟味して選ぶようになってきて、納得できれば、高価格帯製品でも購入する人が増えています。つまりメーカーはちゃんとしたコンセプトでものを作らないと、選んでもらえない。価値観も様々で、中堅も参入しやすいのでスマッシュヒットが多くなるのだと思います」
確かに今年話題を集めた家電は、嗜好の多様性を感じるラインアップ。ニッチなニーズを見逃さず、多くの人の共感を呼ぶ製品に昇華させる……。そうした家電が次なるヒットを生むのかもしれない。
マーケットシェア60%超のルンバから新登場の高コスパモデル
アイロボット『Roomba Combo 2 Essential ロボット + AutoEmpty 充電ステーション』
5万9200円(公式オンラインストア価格)
日本で最も売れているロボット掃除機『Roomba Combo Essential robot』に、自動ゴミ収集機能を搭載した待望の1台。「掃除機がけ、水拭きに、充電ステーションを搭載して、5万円台という手の届きやすい価格を実現。ホワイトカラーも人気です」(広報担当・村田佳代さん)
パワフルな吸引力に毛がらみに強いV字型のゴム製ブラシと、隅のゴミまで掻き出すエッジクリーニングブラシ、ファイバーモップで、優れた清掃力を発揮。充電ステーションには約60日分のゴミを溜めておける。
発売1か月で前年同等機種2倍の売れ行き
パナソニック『コンパクトベーカリーSD-CB1』オープン価格(実勢価格2万1780円)
「1斤では食べきれない」という少人数世帯のニーズに応え、パンのサイズを約0.6斤に。本体の設置面積はA4より小さく、キッチンに常に出しておける業界最小を実現。W〝サイズ〟の工夫がヒットを牽引した。
材料の計量は付属のカップとスプーンででき、はかりがなくてもOK。誰でも気軽に、材料が見える安心手作りパンが作れる。
約0.6斤は5枚切り食パンの3枚分。「食べ切りやすいので毎回焼きたてを楽しめると好評です」(広報担当・小谷香織さん)
〝使い続けられる〟価値で、1億5800万円のクラファン支援を獲得
カドー『ふとん乾燥機FOEHN 001』2万4200円
布団乾燥機の常識をくつがえすスティック型モデル。長さ約31.5cm、約420gと軽量コンパクトながら、タブルサイズのふとんまで対応するパワフルさと、業界最少クラス420Wの省エネも両立してヒット。
ふとん乾燥機市場初のオゾンを搭載し、ふとん内の汗や皮脂による臭気濃度を90%相当減少させる。ダニ対策にも効果的。