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「テニスは自己表現の手段のひとつ」プロ車いすテニスプレーヤー・小田凱人さんが語る信念

2024.12.24

パリパラリンピックで輝かしい成績を収めた小田さん。プレーのほかに、数々の発言にも注目が集まる。彼の魅力の源泉を紐解くと、テニスに留まらない〝信念〟が見えてきた。

好きなことをして自分を表現する

小田凱人さんプロ車いすテニスプレーヤー  小田凱人さん
2006年5月生まれ。全仏オープン史上最年少優勝など数多くの輝かしい成績を収める。24年パリパラリンピックのダブルスで銀メダル、シングルスでは最年少金メダルに輝き注目を集めた。

好きなことを、好きなだけ。インスタでは「アーティスト」

 金メダリストの〝凱旋〟だった。パリパラリンピックの約3週間後となる9月、ジャパンオープンに出場し、有明コロシアムを埋めた大観衆の前で優勝した。

「パリ大会は自分のテニス人生の大きな節目になると思っていた。無事に金メダルを獲ることができて、さらにここから新たな戦いが始まるという意味で、ジャパンオープンは大切な大会になりました」

 サッカー選手の夢を抱いていた小田さんは9歳の時に骨肉腫を患い、車いす生活に。だが、テニスとの出会いによって、「今の人生のほうが楽しめている」と話す。

 現在18歳。彼の歩みには「史上最年少」の記録がついて回り、未来には無限の広がりがある。だが、Instagramのプロフィールはアスリートではなく「アーティスト」だ。

好きな時に好きなことをやりたいだけ。今思っていることを表現して伝えていくツールが車いすテニスなだけであって、僕の中ではテニスがすべてではないんです」

 そう語る彼のSNSの振る舞いも個性的だ。筆をとって絵を描き、ファンを惹きつける言葉を添える。彼の言葉の力は、小田さんが憧れる格闘家で18年に亡くなった山本〝KID〟徳郁にも通ずる。

「かっこいいですよね。ご本人だけでなく、競技に注目が集まる発言をする。車いすテニスはまだメジャーじゃないし、試合だけではスポットライトが当たらない。だからキッドさんみたいな受け答えがインタビューでできたらなと」

 今後も世界を舞台に、自己表現の旅は続く。

小田凱人さんInstagram(@tokitooda)ではオフショットや自身の描いた絵を掲載、自己表現の場となっている。

取材・文/柳川悠二

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