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推し活のチケット争奪戦の実態とファンの本音

2024.12.03

推し活と密接な関係にある公演チケットの購入。チケット争奪戦もさることながら、不正転売といった問題もある。

NECグループの独立シンクタンク国際社会経済研究所(IISE)は、18~69歳の男女を対象に、2024年8月18日~2024年8月27日の期間、「ファンクラブ加入状況と公演チケット購入と推し活」調査を実施した。

チケット購入方法「チケット会社の販売サイト」が最多、ファンクラブの加入動機は「先行チケット購入権」が7割近く

ライブ/イベントのチケット購入者におけるファンクラブの加入状況は全体平均43%。加入動機は『先行チケット購入権(67%)』が突出して高く、次いで『アーティストを応援できる(33%)』、『限定イベントへの参加(29%)』と続く。

チケット購入方法は、『チケット会社の販売サイト』が全体ではもっともよく利用され、チケット購入回数・購入金額が多い(高い)人ほど、ファンクラブの利用率が高い。29歳以下の女性のうち50%が『ファンクラブを通じて』チケットを購入していた。

チケット購入時の不満・不安を聞いたところ、価格に関する不満が最も高く、次いで『諸手数料などの追加料金がかかる(30%)』、『人気の公演・イベントのチケットが買えない/買いにくい(29%)』の順に高くなっている。

そのほか、『座席の選択ができない、または不明確』『購入後のキャンセルや変更が難しい』『ファンクラブに入っていても買えないことがある』『日程が先過ぎて予定が立てにくい』など、多岐に渡る不満が20%以上となった。

この結果から、「チケット購入の困難さと不公平感」「価格に対する納得感」「日程の不安感・購入後の柔軟性」「購入プロセスで感じるストレス」この4つの視点に基づいて、チケット問題・課題を解決することが望まれていると考えられる。

8割が「不正転売禁止法」に賛成するものの、チケット購入に対する不安が残る

不正転売禁止法によりチケット購入時の不公平感は軽減できると感じる一方、いざというときに「高価であれば購入できる」という安心感がなくなるとも感じる。内容を含む認知率は59%だが、法律の内容を提示後の賛成比率は8割に達していた。

公正取引によるリセールについては男女、年齢問わず70~80%の高水準で賛成派が多い。行けなくなったチケットを無駄にしないことや、流通経路が明確であることが賛成意識と関係しているようだ。

「不正転売禁止法にも賛成」かつ「公式リセールの仕組みにも賛成」とした比率は71%に達していた。

この結果から、不正転売禁止法による“リセール行動の制約”は、公式取引の仕組みとセットで構築・提供されることが好ましいことがわかる。

推し活に使う年間支出額、『他のファンに負けたくない』人は154,669円、『他のファンとの交流を深めたい』人は127,693円

推し活は26%が行っており、ファン同士のつながりなど、ライブやイベント体験以外のファンコミュニティに対する意識も高まってきている。

推し活に対するポジティブな考えかた・態度としては『推し活をすることで、日常生活に喜びや充実感を感じたい』が46%でもっとも高く、次いで『アーティストのライブやイベントに積極的に参加したい』が38%。

自分(ファン)自身がライブやイベントを体験するだけでなく、『推しの対象をサポートする力になりたい』という意識は女性のほうが高い。『他のファンとの交流を深めたい』という意識は男性の方が高くなっている。

「推し活への支出額」を「推し活に対する考えかた・態度」別で見ると、『他のファンに負けたくない』という意識を持つ人の支出金額がもっとも高く154,669円という結果に。

次いで『推し活をやめられない義務感を感じる』人は142,551円、『推しのことで気持ちの浮き沈みが多い』人は137,452円。ネガティブな感情が高額支出につながっているようだ。

「魅力を感じる仕組み」として、『ライブやイベントのチケット偽造防止やリセールでの透明性を確保する』がもっとも高く29%、次いで『現地限定グッズの後買いサービス』が25%。今後のソリューションとして期待される。

調査概要
調査手法:インターネット調査
対象者条件:
<スクリーニング調査>18~69歳の男女の一般生活者(n=10,937)
<本調査>過去2年以内に、音楽・演劇・演芸いずれかライブ・イベントのチケットを購入した人(n=1,216)
調査時期:2024年8月18日~2024年8月27日
調査機関:株式会社国際社会経済研究所(IISE)
※出典:「国際社会経済研究所(IISE)」

関連情報
https://www.i-ise.com/jp/

構成/Ara

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