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ブリヂストンの社内ベンチャーがゴム人工筋肉を使った〝無になる〟空間「“無目的室”Morph inn Shimokitazawa」を創出

2024.11.28

『となりのトトロ』や『ベイマックス』から着想「トトロに乗っかっているメイちゃんは無目的な状態」

『Morph』と『Morph』にくるまれ「無」を味わう/写真提供:ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ「Morph inn」PR事務局

「無になる時間」を味わうためにさまざまなメニューが用意されているが、リラックスや疲労回復を超えて、「無目的」をコンセプトにしたのはなぜなのか。ブリヂストンのソフトロボティクス ベンチャーズCEOの音山哲一氏は、「無は、次の一手です」と語る。

ブリヂストンのソフトロボティクス ベンチャーズCEOの音山哲一氏

「シャワーを浴びたり、頭が空っぽになっていたりする時にこそ、アイデアが生まれることもあります。“意識の世界”と“無意識”の世界があり、『無意識の世界を掘り出すことはアイデアを出すのに良い』という仮説もあります。インスピレーションや直感は、意識がない時に(脳の)シナプスがつながってひらめく。無に自分を誘って戻って来るのが『無になる時間』です。禅や瞑想、マッサージやリラックスともまた違う、あえて“無”になることで『新しいアイデアを生む』という方に無意識を使いたいと思っています。リラックスは(疲れを)マイナスにしたり、プラスマイナスゼロにしたりしますが、無意識で(アイデアや価値が)プラスになるようにしたい」

またソフトロボティクス ベンチャーズ主幹の山口真宏氏は『Morph』について、「僕たちはロボット後発組なので、操縦や操作しやすいパネルがついていたりするロボットで『なりたいものになっていく』というのではなく、逆にむしろ、『自分自身をありのままにゆだねるようなもの』がいいなと思って作り始めました。その過程で“無になる”という感覚を得ました」と、『Morph』開発途中で「無目的」というコンセプトにたどり着いたと明かす。

ブリヂストンのソフトロボティクス ベンチャーズ主幹の山口真宏氏(左)

「あえて目的をもたない、“無目的”というコンセプトの中で、リラックスでマッサージでもなく、無目的なところで無の時間を過ごしていただくということを思いつきました。表参道店では落合陽一さんや山口周さんなどオピニオンリーダーもお呼びしたのですが、『便利なモノや気持ちいいモノは溢れている。本来、無益だったものが貴重になっている中で、“無になる時間”・“無目的”というコンセプトがおもしろい』と言ってもらえて、励みになっています」

KonelのクリエイティブディレクターでCEOの出村光世氏

『Morph』をデザインしたKonelのクリエイティブディレクターでCEOの出村光世氏は開発について、「見せて頂いた人工筋肉のゴムが非常に有機的な動きをするもので、“掴む”という要素で確立されていました。生き物を触っているような感覚なので、しばらくはそれで何ができるか実験していました」と、最初の印象を語る。「その内に、この人工筋肉のゴムを大量に並べて、その上にどっかりダイブしたいなと。(この形にしたのは)それが最初のきっかけです。そこから『となりのトトロ』や『ベイマックス』だったり、具体的なメタファーが浮かんできました」と、イメージを膨らませていったという。

「トトロに乗っかっているメイちゃんって、無目的な状態ですよね。我々は日常生活でなかなかメイちゃんにはなれない。家族に無心に甘えたりできないし、ペットは心を許してくれる存在だけど、小型だとダイブはできない。『自分よりも大きい存在と、自分よりも小さい存在の間に挟まれたい』と思って、『Morph』を考えました」

大きい存在と小さい存在に挟まれ「無」になる出村氏

ちなみに『Morph』は英語で「変形する」「姿を変える」という意味。「たまたま日本語の『毛布』にかかっていますが、変形するという意味です。『Morph inn』のinnは、『東横イン』などのように、『休息する場所』『滞在する場所』という意味をこめて、『Morph inn』という言葉をつくりました」と、サービス名の語源も語った。

「よくマッサージチェアなどリラクゼーション向けのプロダクトと比較されますが、もちろんそれにも価値があると思います。ただマッサージチェアなどは『ここをもう少し強くしたい』などの調節・コントロールができる。自分で調節をすると、脳が働いてしまいます。『Morph』はあえてコントロールしません。メイちゃんはトトロのことをコントロールしないですよね。『何もしない』『なんの期待も抱かない』という方向で設置しています」

コントロールの聞かない世界で「無」を体感する

さまざまなウェルビーイング向けの取り組みがある中で、何もしない「無目的」から価値を生み出そうとする『Morph inn』。1社だけで「無になる時間」を創り上げるのではなく、ソフトロボティクス ベンチャーズ、Konel、第一三共ヘルスケア、VIE、NTT東日本グループ・エステー、その他Art Collective Ochill、日本草木研究所、京王電鉄、株式会社京王SCクリエイション、株式会社ヒトカラメディア、FAIRGROUND Bar & Wine shopといった多くの企業が共創してアイデアを出し合い、“チーム”で創り上げているのもウェルビーイング的な流れなのだろう。

企業の垣根を超えて創り上げる

あえて「無」になってみることで、新しいアイデアや価値が生まれてくるかもしれない。

取材・文/コティマム

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