今、国産ミニバンが熱い!! トヨタ・アルファードの超人気ぶりを始め、ホンダから大注目の新型フリードが登場し、ファミリーミニバンの定番となったMクラスボックス型ミニバンもステップワゴン、セレナ、ノア&ヴォクシーの最新世代が揃い踏み。国産ミニバンが選び放題なのである。
これまでこの@DIMEでは国産ミニバンの様々な解説記事をお送りしてきたが、今回はミニバンならではの多人数乗車を可能にする3列目席の実用性、実測による各部寸法の比較をお届けしたい。なお、3列目席の頭上、膝周り空間の数値は、身長172cm、体重65kgの筆者が着座したときのものである。また、ヒール段差とは、フロアからシート座面先端までの高さの実測値で、これが高いほど座りやすく、立ち上がりやすくなる。低い座椅子に座り、立ち上がるのと、高いダイニングの椅子に座り、立ち上がるのとでは、どっちが楽かと同じ理屈である。
「国産ミニバン」3列目席の実用性&寸法徹底比較!
まずはホンダ・フリードとトヨタ・シエンタがしのぎを削るコンパクトミニバンから。ホンダ・フリードの3列目席の寸法はシート座面長425mm、シート幅1150mm、シートバック高480mm。ヒール段差260mm、頭上スペース130mm、膝周りスペースは2列目席膝周り空間210mm時に80mm。乗降性にかかわる2-3列目席スルー空間は170mmである。
一方、ガチライバルのトヨタ・シエンタは3列目席の寸法がシート座面長420mm、シート幅890mm、シートバック高500mm。ヒール段差330mm、頭上スペース70mm、膝周りスペースは2列目席膝周り空間100mm時に40mm。乗降性にかかわる2-3列目席スルー空間は2列目席がベンチタイプのため、なしである。
この2台の3列目席の比較では、とくにシート幅に余裕があるのがフリード。シエンタのシート幅はかなり狭く、大人であれば1人乗車が快適だ。着座性、立ち上がり性にかかわるヒール段差はフリードが先代より低まり、シエンタのほうがその点では優位、つまり座りやすく立ち上がりやすいと考えていい。また、コンパクトミニバンにはMクラスボックス型ミニバン以上にある後席用エアコン吹き出し口は備わらないものの、シエンタには後席用サーキュレーターが、新型フリードにはクラス初のリヤクーラーが用意され、後席の空調環境、暑さ対策としてはフリードがリードしている。ちなみに3列目席の格納方法が楽なのは左右跳ね上げ式のフリードのほうである。
Mクラスボックス型ミニバン比較
続いてMクラスボックス型ミニバンを比較しよう。日産セレナは3列目席の寸法がシート座面長490mm、シート幅1260mm、シートバック高475mm。ヒール段差345mm、頭上スペース50mm、膝周りスペースは最小120mm、最大240mm。乗降性にかかわる2-3列目席スルー空間は150mmとなる。
ホンダ・ステップワゴンの3列目席の寸法はシート座面長430mm、シート幅1190mm、シートバック高500mm。ヒール段差340mm、頭上スペース140mm、膝周りスペースは最小200mm~。2-3列目席スルー空間は140mmとなる。
トヨタ・ノア&ヴォクシーはシート座面長430mm、シート幅1180mm、シートバック高500mm。ヒール段差330mm、頭上スペース200mm、膝周りスペースは最小100mm~。2-3列目席スルー空間は140mmとなる。
3列目席のシートサイズ、座面長とシート幅にもっとも余裕があるのはセレナで、ステップワゴンとノア&ヴォクシーはほぼ同等サイズ。座りやすさ、立ち上がりのしやすさではセレナとステップワゴンがややリードしている。3車ともに2列目キャプテンシートでは(セレナはスマートマルチセンターシートを1列目席に動かしたアレンジ時)2-3列目席スルーが可能で、もちろん室内の大空間に対応する後席用エアコン吹き出し口を完備している。3列目席を大人が常用するなら、このクラス以上を推奨する。