機能性ナイトブラでヒットを生み出し、一躍注目を集めた「BAMBI WATER(バンビウォーター)」。
女性向け商材で顧客を惹きつけている企業、株式会社ラングレーの代表は男性が務めている。ある意味「男性なのに、どうしてここまで女性向けインナーをヒットさせられたの?」と不思議に映る。男性美容も当たり前になってきている昨今、男性が美容分野で成功することは決して珍しくはない。しかし、継続したヒットを生み出せるかどうかは、何らかの秘訣があるのではないか。
「BAMBI WATER」って?ナイトブラは2年連続通販サイトランキング1位
「BAMBI WATER」は2012年に誕生。当時、流行していたボディケアジェルの開発に着手し、ターゲットとなる女性のリアルな声を聞くべく、座談会を重ねた。「洗い流し不要」という女性たちのニーズを取り入れた、市場では稀なボディケアジェルが誕生。発売後、見事に大ヒットを飾った。
やがてクリームやミルク、オイルなどのボディケア商品を開発し、試行錯誤の末、「トータルボディメイク」というコンセプトで幅を広げることに。
2018年にはプロテインやスムージーを発売し、2019年にはブランドの代名詞ともなった「BAMBI WATER スタイルナイトブラ」を発売。同商品は「楽天年間ランキング」で2年連続インナー・下着部門1位を獲得するなど、注目を集めた。「楽天上半期ランキング2024」でも1位を飾った。
「BAMBI WATER スタイルナイトブラ」5,980円(税込)
社員の9割が女性。現場の辛口な声を聞き、トライ&エラーを徹底
ブランドのヒットの軌跡を受け、栗原氏がどんな人物なのかますます気になってくる。
そこで今回、同社の代表取締役社長/CEO 栗原淳徳氏にインタビューし、ヒントを探った。
栗原 淳徳氏
株式会社ラングレー 代表取締役社長 / CEO
大学卒業後、ITベンチャー企業にてCOOとしてコンテンツビジネスの新規事業開発を行う。2010年に株式会社LANGLEYを設立。ECセレクトショップをスタート。2012年よりオリジナルブランド「BAMBI WATER」を立ち上げ、“Quality Wear”ブランドとして展開。細部にまでこだわる高い商品力とお客様の声に真摯に向き合うマーケティング力で累計販売300万個にまで成長。2024年には海外での販売も開始した。
2010年の設立当初より、美容商品を仕入れて販売するECショップを運営。もともと女性向けの美容分野には興味があったそうだが、その興味関心のきっかけとは?
「子どもの頃から女系の家族に囲まれて育ったこともあり、美容に興味を持つきっかけも早く、私自身、昔から肌が綺麗と言われ続け、肌が自慢でした。そんな中、思春期にニキビに悩まされた経験があり、自己解決したことが美容に対する関心の始まりでした。
大学卒業後、IT企業にて新規事業に取り組んでいましたが、やがて自分が本当に情熱を注げることに携わりたいという気持ちが強まり、そこで思い浮かんだのが『美容』でした。ニキビに悩んだ経験を活かし、多くの人の悩みを解決したいという思いから、美容商材のEC販売をスタートすることにしました」
ボディジェルが大ヒットする頃から、女性のリアルな声を取り入れ続けている。なぜそこまで声にこだわるのか。
「ボディジェルのターゲットは女性ということもあり、実際に使用する方の声に対ししっかりと耳を傾け、お客様の不満や課題を解消することが一番のマーケティング手法だと考えているためです。『徹底したマーケティング=リアルな声を聞く』ことで商品に対するニーズを確信し、それらを商品開発に反映させています」
同社の社員は、約9割が女性。これも「リアルな声」を取り入れるのに一躍買っている。
ボディジェルやナイトブラの開発に当たって、彼女たちのアイデアやフィードバックも積極的に取り入れているという。どんな戦略に基づいているのか。
「開発段階の試着などは開発関係者だけで行うことが多いと思いますが、弊社では全女性社員でサンプル試着を行っています。それぞれ体型も気になる箇所も違うので、そのすべての声を把握した上で開発を進めていくことにより、精度の高いモノづくりができると考えているためです。
かなり骨の折れる作業で、サンプル数も数十回となってしまいますが、細かいところまで考え抜かれた完成度の高い商品を作ることができています。結果として、お客様から高評価をいただくことができ、高いリピート率に繋がっております」
ナイトブラの開発は1年かけ、何十回も試作を重ねた。パッドの改良だけでも30回は繰り返したという。