「災害大国」と呼ばれる日本に暮らす以上、地震や台風、津波、洪水などの脅威は常に隣り合わせにある。そのため、災害・防災について日々知識を深め、万が一の事態に備えているという人も多いのではないだろうか?
NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所はこのほど、全国の15~79歳の男女を対象に「災害・防災を学んだ経験」に関する意識調査を実施し、8,991の有効回答を得た。
1. 学校の授業以外で、災害・防災について、学んだことがある人は3人に2人
災害や防災については、さまざまな機会で学ぶことができる。学校の授業以外で、災害や防災について学んだ経験がある人は、全体の3人に2人となった。年代による大きな差は見られなかったが、10代の学びの割合はやや高い結果となった。
図1. 学校以外で災害・防災について学んだ経験
2. 10代の4割超はwebサイト・動画で災害・防災を学ぶ
それでは、どのような情報源で災害や防災について学んだのか、調査結果を図2に示す。すべての年代で、テレビが最も高い割合を示している。若年層は、Webサイトや動画からの学びも多く、10代では4割を超えた。一方、シニア層は自治体や地域のイベントからの学びも多く、特に70代では約3割となった。
図2. 学校以外で災害・防災について学んだ情報源
3. 災害・防災を学んだことがある人は防災リテラシーが高い傾向
災害や防災について学んだ経験の有無と、防災リテラシー(以下、7つの質問の回答結果を得点化したもの)を関連付けて分析した。具体的には、以下の7項目を評価した。
(1) 発災時に自分で何かできるか(身の回り・身の回り以外)
(2) 助け合いへの考え
(3) 助け合いへの意欲
(4) 他人からの救助意向
(5) 他人への注意喚起
(6) 命を守る自信
(7) 防災教育・震災伝承への取り組み
その結果、災害や防災について学んだ経験がある人は、防災リテラシーが高い傾向が見られた。
図3. 学校以外で災害・防災について学んだ経験と防災リテラシー
4. 学校での防災教育、10代の7割超が内容を覚えている
最後に、学校での防災教育について考察する。図4では、防災教育の実施状況と記憶についてまとめた。若年層ほど、学んだ内容を記憶している傾向があり、特に10代では7割以上の人が内容を覚えている。
授業内容については、図5に示す通り、多くの学校で「避難訓練」が実施されている。しかし、若年層を中心に、避難訓練以外の項目(災害時の行動など)も行われていることがわかる。
図4. 学校での行われた防災教育
図5. 学校での行われた防災教育内容
参考資料 : 図6.学校以外で災害・防災について学んだ経験(都道府県)%
<調査概要―「2023年防災調査」―>
調査方法:Web
調査対象 全国:15~79歳男女
有効回答数:8,991
サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。
調査時期:2023年11月
構成/こじへい