「是正」とはどういう意味？ビジネスシーンにおける正しい使い方

是正の類義語

是正と似た言葉に、次の言葉があげられます。

・改善（かいぜん）

・訂正（ていせい）

それぞれ間違いを改めるという点で共通していますが、是正とは異なる部分もあります。

ここでは、是正の類義語をみていきましょう。

■改善

改善とは、悪いところを改めて良くするという意味です。「悪いところを正しくする」という意味では是正と同じですが、改善は「良い方向へ改める」という意味もある点が異なります。より良くするという意味では是正を使えないため、改善を使うとよいでしょう。

（例文）

・この企画書はかなり良い出来だが、まだまだ改善の余地がある

・顧客満足度を高めるため、サービスの改善が必要だ

■訂正

訂正とは、誤りを正しく直すことです。特に言葉や文章、文字の誤りなどを正すときに使います。訂正も是正も「間違いを改める」という意味ですが、対象が異なります。「是正」が改めるのは状況であり、訂正のように言葉や文字には使いません。

（例文）

・会議資料に誤りがあったため、訂正したものを改めて配布いたします

・先ほどお伝えした内容に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。

シーンごとの「是正」の使い方をマスターしよう

是正とは悪い状況に陥っていることや、不平等な点を改め正すという意味です。是正勧告や是正処置といった言葉で使われます。特に労働基準法に違反している場合に行われる是正勧告は、ビジネスでも馴染みのある言葉といえるでしょう。

是正は悪いことを改めるときに使い、より良くするという意味はありません。

類義語には改善や訂正があげられますが、使うシーンはそれぞれ異なります。是正の意味や使うシーンを覚え、正しく使いましょう。

構成／須田 望