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「裁量」とは何か?意外と知らない言葉の意味と正しい使い方

2025.01.07

ビジネスシーンで、「裁量」という言葉を耳にしたことはありませんか?「君の裁量に任せる」や「個人の裁量」と会話に使われることや、「裁量労働制」などの言葉もあります。 裁量とは、その人の考えによって判断し、処理することです。指示を受けて行動するのとは、対極にある言葉といえます。 ビジネスで用いられる裁量の使い方について、簡単にまとめました。ぜひご覧ください。

裁量とはどういう意味?使い方を例文でご紹介

決定するイメージ

裁量(さいりょう)とは、その人の考えによって判断し、処理することを意味する言葉です。名詞として使うことが一般的ですが、「する」をつなげて動詞として使うこともあります。

・わたしは口出しをしないよ。すべて君の裁量に任せるから。
・店の経営を一人で裁量することになった。

ビジネスシーンで用いられることがある表現としては、次のものが挙げられます。

・裁量に任せる、裁量に委ねる
・個人の裁量
・裁量権

それぞれの使い方や意味を、例文を通してご紹介します。

参考:デジタル大辞泉

■裁量に任せる、裁量に委ねる

「裁量に任せる」とは、判断や処理を相手の自由にさせることです。次のように使います。

・部長はいつでも「君の裁量に任せるよ」といって、何の指示もしてくれない。
・今回のプロジェクトはすべてわたしの裁量に任せられている。
・部下の裁量に任せるのも、上司の役割だ。

「裁量に委ねる」は、判断や処理を相手にすべて任せることを意味します。

・アルバイトのシフトはリーダーの裁量に委ねられている。
・新店舗の経営を新入社員の裁量に委ねておいたら、わずか2か月で赤字が2倍になった。
・一度、彼の裁量に委ねてみるといい。意外によい結果になるかもしれない。

参考:デジタル大辞泉

■個人の裁量

各自が自分自身で判断・処理することを、「個人の裁量」と表現することがあります。

・個人の裁量に任せられている部分が多いため、同じ素材でも完成品はまったく異なる。
・そこまで口出しをするのは行き過ぎた指導だと思う。個人の裁量に任せるのも教育だ。
・この部署では個人の裁量なんてありません。すべての行動や対応はマニュアルで決められています。

■裁量権

裁量権とは、物事を判断して処理・決定する権利のことを指します。ビジネスにおいては、予算を使う権利や人事を決定する権利などを指すことがあります。

一般的に成果主義の企業では、個人の裁量権が大きい傾向にあるようです。たとえば、外資系企業やベンチャー企業などでは裁量権が大きく、成果が出たときは報酬や役職などの目に見えるもので評価されますが、成果が出ないときは報酬・役職もそれなりになる可能性があります。

・彼は裁量権が大きい企業に就職したいと常々語っている。
・裁量権が大きいということは、個人の責任も大きいということだ。
・この会社では役職と裁量権が見合っていない。

裁量権を持つメリット・デメリット

話し合うイメージ

個人が自分の判断で処理・決定することは大切なことですが、企業や学校などの組織や団体においては、必ずしも裁量権を持つことがよい結果につながるわけではありません。裁量権を持つメリットとデメリットをご紹介します。

■メリット

企業において個人が裁量権を持つことには、次のメリットがあります。

・自発的な行動が増える
・自分の行動から気付きを得られる
・達成感ややりがいを得られる

上司から指示されるがままに行動するのではなく、自分で考えて行動する機会が増えるため、自発的に物事に取り組むようになります。行動の結果から気付いたことがビジネスにおける経験値となるため、裁量権の少ない職場で働くよりは短期間で成長できるかもしれません。

また、自分の判断や行動がそのまま結果として返ってくるため、自分の能力をより客観的に見られるようになります。よい結果として返ってくるなら、達成感ややりがいも得られるでしょう。

■デメリット

個人の裁量が多いことには、次のようなデメリットもあります。

・責任が大きく、ストレスを感じやすくなる
・業務量が増える可能性がある
・目に見えない努力が評価されにくくなる

裁量を持つことには責任が伴います。責任が大きすぎるときは、ストレスを感じるかもしれません。成果を出すために業務量を増やすなら、身体的にも負担が大きくなります。

また、常に成果が出るとは限りません。成果が出ないことが続くと、地道な頑張りを続ける意欲を失い、仕事に対して前向きに取り組めなくなる可能性があります。

業界特有の「裁量」とは?

権限行使のイメージ

業界によっては、「裁量」の意味が異なります。業界特有の「裁量」をいくつかご紹介します。

■【金融・FX】裁量取引

裁量取引とは、取引の都度、投資家自身が判断することを指します。「裁量トレード」や、「ディスクレショナリー取引」と呼ばれることもあります。

裁量取引を実施するには、投資家は常に相場をチェックしていなくてはいけません。株式や投資信託などの金融商品の価格変動を調べ、売り時や買い時、数量などを判断します。

一方、あらかじめ「A株が2,000円になったら1万株売却する」のように条件を決めておき、条件を満たす状況が訪れたときに機械的に売買する方法を「システムトレード」といいます。

インターネット上で条件を決めておくだけで自動的に取引ができるため、本業がある方も取り組みやすい投資方法です。

■【学校】裁量(裁量権)の拡大

学校では、「裁量(裁量権)の拡大」が徐々に実現しています。従来、公立学校には次の裁量がありました。

・カリキュラムの編成
・指導要録の作成
・入退学の許可、修了・卒業の認定
・非常勤講師の人選 など

しかし、近年では次の裁量も任せられるようになってきています。

・教育委員会の関与
・学校予算
・教育課程の基準
・教職員の人事

■【企業・労働全般】裁量労働制

裁量労働制とは、企業と社員の間で決めた「みなし労働時間」の分だけ給与を支払う制度です。

たとえば、みなし労働時間を8時間と決めた場合なら、1日の労働時間が6時間でも10時間でも、8時間相当の給与を受け取ります。実際の労働時間とは関係なく給与が決まるため、短時間で業務を終了すれば効率性の高い働き方が可能になります。

裁量労働制の導入方法

裁量労働制は、次の手順で導入します。

1.労働者に裁量労働制を導入することを説明し、同意を得る
2.対象の業務や労働者、みなし労働時間などを決める
3.健康や福祉を確保するための措置、苦情処理のための措置を決める

制度は定期的に見直し、その都度、労働者から同意を得ることが必要です。

裁量労働制のメリット

裁量労働制は労働者にとっては次のメリットがあります。

・効率よく働ける可能性がある
・労働時間をある程度自由に決められる

また、企業にとっても次のメリットがあります。

・人件費を予測しやすい
・時間外労働を減らしやすい

裁量労働制のデメリット

労働者にとっては、以下の点がデメリットになるかもしれません。

・労働時間が増える
・業務が増えても報酬に反映されにくい

企業にとっては、次の点がデメリットになる可能性があります。

・制度設計や導入に手間と時間がかかる
・チームワークが醸成しにくい

裁量と責任について考えてみよう

笑顔のオフィスのイメージ

裁量には責任が伴います。裁量を与えられたときは、付随する責任について正確に理解することが必要です。

また、裁量を与えることにも責任が伴います。相手の技量や能力を正確に判断したうえで裁量を与えているか、吟味することが必要です。

構成/林 泉

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