パナソニックは「マイクロミスト」機能を搭載したセパレート型コードレススティック掃除機MC-NX810KMを2024年10月下旬に発売した。
セパレート型の手軽さはそのままに、「マイクロミスト」を噴霧する新たな機能を搭載した本製品は、ノズルから床面に向かって約10マイクロメートルのミスト粒子を噴霧することで、目に見えないゴミ(※)を付着させることを可能にした。従来製品よりも、細かいゴミまでしっかりキャッチできるようになっている。
1954年に初めてハンディクリーナーを発売したパナソニックは、今年でクリーナー(掃除機)事業70年目の節目を迎えている。
パナソニックが歩んだクリーナー事業の歴史を振り返ってみたい。
※「見えないゴミ」とは、クリーンセンサーで検知できる約20μm以上の目に見えない微細な花粉やダニのフンなどのこと。
パナソニック製の名作クリーナー(掃除機)たち
画像提供:パナソニック
1954年、パナソニックの掃除機事業における初めて製造されたハンディクリーナー。電源コードと布の袋が本体に直接付いていた。
1957年に製造された金属製の青いシリンダー型の掃除機。板金を使用していて本体重量はかなりあったが、ローラーをつけることで使いやすさを実現した。いわゆるキャニスター型掃除機の初期モデル。
「隼」(はやぶさ)の名称で親しまれた、パナソニック初の樹脂製の掃除機。金属製の掃除機に比べて、重量が格段に軽くなった。「隼」が発売された1971年には、パナソニックの国内掃除機の一大拠点となっている八日市工場(滋賀県近江市)が操業開始。当時から現在に至るまで、樹脂の成型から組み立てまでを行なっている。掃除機の進化と共に成型技術は常にアップデートを続けており、八日市工場の発展にもつながっている。
立方体のフォルムをした本製品は1972年に「椅子型掃除機」として発売されたモデル。掃除機として使わない時は、椅子としても使用できる画期的な製品。機能と使いやすさを兼ね備えたインテリアになじむデザインというアイデンティティは、現在のパナソニック掃除機にも受け継がれている。
「Jコンセプト」の掃除機は、日本家庭での使いやすさを追求して大幅な軽量化を実現した製品。本体重量はわずか2kg。軽さと強度を両立したPPFRPという繊維強化樹脂を採用することでキャニスター型掃除機としては世界最軽量を記録した。現在も発売中のロングセラー製品。
2018年に発売された充電式スティック掃除機で、国内家電で初めて植物由来のセルロースナノファイバー樹脂を採用。パナソニックはこの頃から環境に配慮した材料開発に取り組んでいる。
誰もが小学生の頃に見たことがある黒板拭きクリーナーも、1965年から作られているパナソニック製。今でも多くの小学校で使われている。
■2024年、操業53周年を迎える八日市工場
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滋賀県東近江市八日市拠点(八日市工場)は1971年操業開始。敷地面積86,160㎡ (約26千坪)を誇り、従業員約460人にも及ぶ。生産品目はスティック掃除機・ロボット掃除機・キャニスター掃除機など、樹脂成形から組立までの一貫生産工場となっている。日産数としては、スティック掃除機1800台、キャニスター型が2400台となる。パナソニックのクリーナー事業のマザー工場である。
そして2024年、「マイクロミスト」機能搭載へ
2024年10月に発売された「セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NX810KM」は、〝新しい清潔のスタンダード〟を目指した新製品。
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パナソニックのくらしアプライアンス社ランドリー・クリーナー事業部クリーナービジネスユニットの森下和久ビジネスユニット長は本製品のコンセプトを次のように語る。
「クリーナードッグによる本質性能とストレスフリーの使い勝手、マイクロミストという新しい技術の搭載で、さらなる清潔の進化を具体化し、我々の目指す究極の提供価値のひとつの完成形です」
業界初のマイクロミストは、多くの日本人がフローリングを素足で過ごすことが多い一方で、従来のスティック掃除機では掃除機をかけた後も、床がザラザラあるいはベタベタしているという悩みを抱えているユーザーが多いところに着目して搭載された。
パナソニックは、私たちの暮らしが変化する中、日本の住環境やライフスタイルにしっかりと向き合い、掃除は嫌なものではなく、満足感や達成感を提供できる商品の開発をしていることが商品開発を通して伝わってくる。
■製品概要
品名:セパレート型コードレススティック掃除機 MC-NX810KM
URL:https://panasonic.jp/soji/products/MC-NX810KM.html
メーカー希望小売価格:オープン価格
発売日:2024年10月下旬
取材・文/峯亮佑