「iPhone 16」シリーズの登場を機にiPhoneの買い換えを検討している人もいることだろう。iPhone 16シリーズ、あるいは安くなった旧モデルはどこで購入するのがいいのだろうか?
iPhone 16シリーズをお得に買う方法
iPhoneはメーカーであるアップルのストア(オンライン/リアル店舗)や、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリア、家電量販店、ECサイトなどで購入できる。
アップルストアでは、いつでも最新モデルを注文・購入できる。一括払いの金額がキャリアよりも安く、4年、5年と長く使うならお得だ。旧端末の下取りや、手数料無料で最大36回の分割払いにも対応している。
アップルストアはリアル店舗、Webサイトのほか、「Apple Atore」アプリも用意されている
また、オンラインショップではソフトバンク、リアル店舗ではドコモ、au、ソフトバンクの通信契約を一緒に行うことで、8800円の割引を受けることも可能。契約事務手数料がかかるので実質的には5000円程度の割引になるが、お得に買うことができる。
4キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)での購入は、「いつでもカエドキプログラム」(ドコモ)、「スマホトクするプログラム」(au)、「新トクするサポート」(ソフトバンク)、「買い換え超トクプログラム」(楽天モバイル)といった端末購入補助プログラムを利用して購入すると非常にお得だ。
月々の負担が抑えられる分割払いで、1年あるいは2年で端末を返却する必要はあるものの、トータルで支払う金額を半額以下に済ますことができる。
そして、MNPで契約する場合、オンラインショップで購入&契約すると割引が受けられるケースも多い。
ソフトバンクの「新トクするサポート」を利用し、MNP、オンラインでiPhone 16を購入すると、1年間は機種代金が月額3円! ただし、13か月目までに「早トクオプション」を申し込んで端末を返却しないと代金が翌月から4000円以上にアップする。また、「あんしん保証パック」を継続契約する必要がある
ただ、返却するタイミングを逸すると、ウェブサイトに記載されている実質負担額より高くなるので注意。また、4年以上使って端末代金を全額支払うことになると、アップルストアで購入するよりもかなり高額になる。
なお、1年で返却できるプランを用意しているのはドコモとソフトバンク。このプランを利用する場合は、端末保障サービスの契約が必須で、早期利用料を支払う必要もあるが、それでも実質価格は最も安くなる。毎年新しいiPhoneに買い換えていく人に最適だ。
家電量販店やECサイトでは、〝SIMフリー〟iPhoneをアップルストアと同じ価格で販売しているところが多い(キャリアが販売するiPhoneも今はすべてSIMフリーだ)。手数料無料の分割払いを用意している店舗もある。それに加え、家電量販店やECサイトではポイントが付く。iPhoneの場合、還元率は1%と低いが、それでもアップルストアよりお得に購入できる。
値下げした旧モデルを買う
新しいiPhoneが出ると、旧モデルが値下げされて販売されることがある。アップルストアでは「iPhone 14」と「iPhone 14 Plus」、「iPhone 15」と「iPhone 15 Plus」が値下げして販売されている。
iPhone 14/14 Plusは昨年の同時期に1度値下げされており、2022年の発売時に比べて2万円以上値下げ。iPhone 15/15 Plusは1万円以上値下げされている。iPhone 15はiPhone 16とチップセットこそ2世代分の差が開いてしまったが、iPhone 16最大の魅力といえるAI技術「Apple Intelligence」が日本では来年対応ということで、iPhone 15/15 Plusでも大きな差を感じない可能性が高い。
iPhone 14は、メインカメラの画素数がiPhone 15と16が4800万画素に対して1200万画素と小さいが、撮った写真でそれほど大きな違いは感じられず、十分満足できるスペックだ。そして、iPhone 14は外部接続端子がLightningなので、今持っている周辺機器を使い続けたい人にはいいだろう。
なお、アップルストアでは、iPhone 14 ProやiPhone 15 Proシリーズの取り扱いは終了してしまったが、キャリアのオンラインストアやショップではまだ販売されているところもある。とはいえ、在庫限りとなるかもしれないので、購入したいモデルがある場合は、早めに決断する方がいいだろう。
「サブブランド」で買う
新品の安いiPhoneを買いたいなら、サブブランドと呼ばれる「ワイモバイル」「UQ mobile」での購入を検討してみてもいいだろう。最新のiPhone 16シリーズは取り扱っていないが、人気の「iPhone SE(第3世代)」や、アップルストアでは取り扱い終了となった「iPhone 13」などを購入できる。UQ mobileにはiPhone 14やiPhone 15もラインアップされており、auと同じスマホトクするプログラムを適用して購入することもできる。
サブブランドは低容量の安い料金プランを選択することができ、端末価格も通信料も両方安く抑えることができるのがメリットだ。
中古のiPhoneを買う
中古のiPhoneの購入も、すっかりお馴染みの手段となった。新品に比べて大幅に安く、信頼できるお店で購入すれば基本的に不具合なく使える。SランクやAランクの商品なら、素人では新品と見分けが付かないほどきれいだ。また、最近では端末保障サービスを提供している中古ショップもある。
実は大手キャリアも中古端末を「○○ Certified」と品質を保証して販売している。在庫が豊富とは言えないが、安く購入できて手数料無料の分割払いにも対応している。なんといっても、キャリアが品質を保証しているので安心して購入できる点が魅力だ。
ドコモオンラインショップの「docomo Certified(ドコモ認定リユース品)」ページ
「格安スマホ」と呼ばれるMVNOでもiPhoneを取り扱っているところがある。中古品、ときには未使用品が並ぶこともあるので、安いiPhoneを探しているならチェックして損はない。
メーカーのアップルは中古品とはちょっと違うニュアンスの「整備済製品」を提供している。iPhone整備済製品は、新しいバッテリーと外装に交換され、1年間のメーカー保証も付いている。必要な場合はアップルの純正パーツに交換されており、動作テスト、クリーニングが施され、アクセサリやケーブルとともに新品の箱に再梱包されて販売される。
アップルのiPhone整備済製品。在庫が少ないので希望のモデルが見つかるとは限らないが、新品同様のモデルが安く買える
中古iPhoneを購入する際には注意すべきこともある。使われていたものなので、バッテリーが消耗している可能性がある。良心的な中古ショップは、バッテリーの最大容量を明示しているので、なるべく80%以上を選びたい。
iPhoneのバッテリー最大容量は「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」で確認できる
また、端末の分割払いが完了する前に中古市場に出た端末は、元の持ち主が支払いをストップすると「ネットワーク利用制限」がかかって使えなくなる。しっかりした中古ショップでは、ネットワーク利用制限がかかる可能性のある端末は、その旨を記載した上で安く売っている。また、使えなくなった場合は交換に応じている。逆に、そうした対応をしないショップでの購入は避けた方がいい。
中古ショップの「にこスマ」では、ネットワーク利用制限なし、バッテリー残量80%以上の製品のみを取り扱い。初期不良品の場合は発送日から1年間は無料で返品交換が可能な「あんしん1年保証」も提供する
旧端末からの移行する際の2つの注意ポイント
旧iPhoneから新iPhoneへの移行はとても簡単だ。電源を入れた新しいiPhoneと古いiPhoneを近づけると移行のプロセスが自動的に始まるので、指示に従って進めていけばいい。なお、古いiPhoneは事前にバックアップしておこう。
AndroidスマホからiPhoneに機種変更してデータを移行するには、Androidスマホに「iOSに移行」アプリをダウンロードしておく。これとWi-Fi環境があれば、AndroidスマホからiPhoneへデータを転送できる。
Androidスマホの場合は、Google Playから「iOSに移行」アプリをインストールしておこう
移行の際の注意ポイントは2つ。まずはLINEの移行だ。iPhoneからiPhoneへ機種変更する場合は、通知音の設定以外は引き継げるが、AndroidからiPhoneの場合は15日以上前のトーク履歴や購入済みのLINEコイン残高なども引き継げない。この点を認識した上で、LINEアプリでトークデータのバックアップを行っておく。
LINEのバックアップは「ホームタブ」→「設定」→「トークのバックアップ」で行える
新しいiPhoneで最初にLINEを開いた際に、本人確認で電話番号の入力とSMS認証を行い、パスワードを入力すると、データを引き継いだ状態でLINEを利用できる。
2つ目の注意ポイントはおサイフケータイのデータや電子マネーの残高の移行だ。作業を始める前に、各サービスのWebサイトで移行方法をチェックしておいた方が安全だ。基本的には旧端末で機種変更手続きを行ってデータをサーバにアップロードしておき、新しいiPhoneでダウンロードするという手順になる。
取材・文/房野麻子