2023年度の日本市場での出荷台数が前年比プラス135%、オープン市場でのシェアでNo.3に位置付け、飛躍的に注目度を増しているモトローラが、折りたたみスマホの最新モデルである「motorola razr 50」。
オープン市場向けモデルの価格は13万5800円。ソフトバンク版のmotorola razr 50sは、メモリ、ストレージ容量が小さくなっているが、新トクするサポートの契約で、1年間は月々3円から利用できる。
ハイエンドスマホの販売価格が10万円を超え、20万円台も珍しくなくなってきた昨今だが、同時にミドルレンジクラス、ミドルハイクラスの端末の性能、使用感が向上してきていることを忘れてはならない。ユーザーにとっては、自分が本当に必要としている機能、性能を見極めなければならない時代ともいえるだろう。
motorola razr 50は、ハイエンドに近い、ミドルハイに位置する性能を持つ。販売価格と性能のバランス、そして、折りたたみというデザインを活かした使い勝手を見ると、多くの人に、まずは触れてほしい1台と感じる。では、その詳細を紹介していこう。
閉じても3.6インチの大画面! アウトディスプレイでほとんどのアプリが動く!?
縦に折るタイプの折りたたみスマホは、閉じた状態でどれだけのことができるかが、重要なポイントだ。アウトディスプレイでできる操作、使えるアプリが少ないと、「結局折らなくていいじゃん」と思われてしまう。
motorola razr 50は、サブディスプレイが3.6インチ。折りたたんだ状態では、外側のほぼ全てがディスプレイに覆われている格好で、閉じたままでも動画の再生、QRコード決済用バーコードの表示、チャットアプリの閲覧、返信といった、ほぼ全てのアプリが動かせる。Amazon Prime ビデオアプリでは、HDR10ビデオの再生にも対応。グーグルのAIであるGeminiも、アウトディスプレイから操作できる。
縦折りスマホのメジャーモデルのひとつ、Galaxy Z Flip6では、専用アプリをインストールすることで、全てのアプリが動かせるようになるが、デフォルトの状態でほぼ全てのアプリが動作する意義は大きい。スマホにアプリをあまり増やしたくない、細かい設定はあまりわからないという人でも、パッとアウトディスプレイの恩恵が受けられる。
前機種となるmotorola razr 40はアウトディスプレイが1.5インチ、前上位モデルであるmotorola razr 40 ultraは約3.6インチだったことから、今回のmotorola razr 50は、従来の上位機種から仕様を継承した形といえる。ミドルハイクラスの性能を持つスタンダードモデルにも、大きなアウトディスプレイを搭載することで、Z世代を含む、これまで折りたたみスマホを使ってこなかった人たちへの訴求を目指すようだ。
縦折りスマホは、画面を半分立ち上げた状態で、スマホスタンドがなくても独立させられるのも魅力。motorola razr 50では、「テントモード」「スタンドモード」「ラップトップモード」と名称を定めている。テントモードでは、専用の壁紙を設定し、置き時計やフォトスタンドのようにも使える。
折りたたみ部分のヒンジは第4世代へと改良されており、より隙間のないデザインになった。耐久性も向上しているとのことで、IPX8の防水にも対応している。また、オープンマーケットモデルの場合は、落下などによって生じたディスプレイの破損を、購入後12ヶ月の間であれば、無料で1回修理してくれるサポートも用意されている。
スマホのサイズが約半分になる意味はあるのか
大型のアウトディスプレイを搭載することで、閉じたままでの利便性が向上したmotorola razr 50だが、そもそもスマホを閉じることに懐疑的な人もいるかもしれない。
縦折りスマホの場合、一般的なスマホサイズを約半分にして携帯できることになる。motorola razr 50でいえば、開いた状態だと約171.3×73.99×7.25mmのところ、約88.08×73.99×15.85mmとなる。
折りたたんだ状態では、Yシャツの胸ポケットにもすっぽりと収まるサイズ感。携帯性の良さは、従来のスマホに比べると歴然だ。
ここにほぼ全てのアプリが起動するアウトディスプレイを掛け合わせることで、通知の確認やチャットの返信、マップアプリでの道案内といった動作が、折りたたんだまま利用できる。ゲームアプリなど、大画面で表示したいコンテンツは開いて行うといったように、シーンに応じた形で操作できるのが、大きな特徴だ。
また、motorola razr 50にはヴィーガンレザー素材が採用されており、独特のピタッとした触り心地が特徴的。カラーリングによっても若干触り心地が異なるが、他のスマホにはあまり見られない、滑りにくく、指紋も付きにくい素材となっている。
開いても6.9インチの大画面! 普通のスマホとしても実は超優秀?
motorola razr 50を開いた場合は、約6.9インチのメインディスプレイを使うことになる。一般的なスマホの中でも大画面だが、スリムで縦長なデザインになっているため、握りにくさなどは感じなかった。
メインディスプレイはpOLEDを採用し、HDR10+、120Hzリフレッシュレートに対応する。ベゼルは若干分厚く見えるが、折りたたんだ際にディスプレイを守るためのデザインだろう。
搭載メモリは12GB、ストレージは512GB(ソフトバンク版のmotorola razr 50sは8+256GB)で、ハイエンドモデルと遜色ない仕様。チップセットはMediaTek Dimensity 7300Xで、操作性も申し分ない。
アウトカメラは5000万画素メイン、1300万画素超広角、インカメラは3200万画素となっている。AIを活用し、タイムラプス撮影やスーパースローモーション、デュアル撮影動画といった機能が使える。
折りたたみのギミックを活かし、ディスプレイを半分折って、ハンディカメラのように動画を撮影するフレックスビュースタイルも、特徴的な機能だ。この状態では、手持ち側に拡大、縮小ができるパネルが表示される。また、アウトディスプレイにも撮影している動画を映すことで、被写体からもリアルタイムに、映り方が確認できる。
そのほか、バッテリーは4200mAhで、30Wの高速充電に対応。生体認証は指紋、顔の両方が利用でき、おサイフケータイ機能もある。
取材・文/佐藤文彦