サブスク動画配信サービスの隆盛により、自宅で気軽に海外の映画やドラマが観られるようになった昨今。海外作品を鑑賞する際、字幕派か吹き替え派か人によって分かれるところだが、実際のところ、どちらを好む人が多いのだろうか?
Preply Inc.はこのほど、20歳~69歳の男女600名を対象に「映画鑑賞に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
字幕派が43.0%で、吹き替え派の36.7%よりも多い結果に
海外作品を視聴する際、「字幕と吹き替えどちらで観ることが多いか」という質問をしたところ、字幕派が多いことがわかった。また、「海外の映画やドラマは観ない」と回答した人も約2割を占める結果となった。
世代別では、「観ない」と回答した人がどの世代も20%代である中、60代では7.5%と少なく、60代は海外映画やドラマを視聴する人が多い傾向にあることがわかった。
字幕を選ぶ理由の第1位は「元々の言語のニュアンスを楽しみたいから」
字幕派の意見で最も多かったのは、「元々の言語のニュアンスを楽しみたい(67.4%)」となった。映画のセリフや表現には、その言語特有の文化や感情が込められている場合が多いため、字幕で観ることでそのニュアンスをより深く理解し、作品の本質を感じることができるのかもしれない。
また、第2位は「俳優の声を聞きたい(57.0%)」だった。原語での演技をそのまま観ることで、俳優の声や発音、抑揚が直接伝わり、よりオリジナルの演技に没頭できるのかもしれない。
吹き替えを選ぶ理由の第1位は「文字を追うのが疲れるから」
吹き替え派の意見で最も多かったのは「文字を追うのは疲れる(50.9%)」となった。原語のニュアンスを楽しめる字幕は、一方で疲れるという意見もあるようだ。
続いて「映像に集中したい(45.5%)」が第2位の理由となり、字幕の文字を追う必要がない分、より映像に集中できるから吹き替えを好むという意見も多いようだ。
僅差で第3位となったのが「音声が日本語の方が内容を理解しやすい(43.2%)」という意見で、テキストよりも音声で理解するのが得意な人は、日本語で聴いたほうがストーリーが頭に入りやすいのかもしれない。
好きな国の映画ランキング1位は「邦画」、第2位が「アメリカ(ハリウッド)」
好きな国の映画ランキングでは、1位が「邦画(79.2%)」で約8割が好んでおり、第2位が「アメリカ(ハリウッド)57.0%」、第3位が「韓国(17.3%)」となった。
スケールの大きいハリウッド作品も人気だが、邦画作品を好む人の割合が本調査では圧倒的に多いことが判明した。先の質問で「海外作品は観ない」と回答した人が約2割いたこともあり、邦画のみを好んで観る人もいるようだ。
20代は語学学習目的で海外作品を視聴する人も目立つ
語学を学びたい人にとって、その国の映画・ドラマを活用することは、学習方法の一つとして知られているが、本調査では「語学学習を目的に映画を観ることはない」と回答した人が全体で約半数となった。
世代別にみると、20代は「観る・たまに観る」と回答した人が30%以上いた。若い世代は、語学学習により熱心である可能性が高く、映像作品が比較的活用されていることがわかった。
映画やドラマではネイティブスピーカーの自然な会話を聴くことができるため、教科書では学べないリアルな表現が身につくと考えている人も多いのかもしれない。
スマホなどをいじらずに、映画を丸々一本観ることは「簡単」と答えた人が、「難しい」と答えた人よりも大きく上回った
SNSなどの通知等で集中できず、映画を丸々一本観ることが難しい人がいる、というニュースを見かけるが、実態を明らかにするためにこの件についても調査を行った。
結果、「非常に簡単・簡単」と答えた人が約46%と多数派で、「難しい・不可能」と答えた18.0%よりも大きく上回っていることがわかった。
しかし「不可能」と回答した人も4.3%存在しており、映画がより気軽に視聴できるようになったからこそ、何かの作業をしながら視聴する「ながら観」など、視聴態度も多様化しているのかもしれない。
<調査概要>
調査期間:2024年10月24日
サンプル数:600
調査対象者:日本在住の20歳~69歳
調査方法:インターネット調査
出典:オンライン英会話レッスン Preply(プレプリー)調べ
構成/こじへい