近年増加傾向にあるとされる熟年離婚。長く夫婦生活を続けていれば、良い時もあれば悪い時もあるだろうが、実際のところ、50歳以上の既婚者において「離婚」を考えたことがある人の割合は何割程度なのだろうか?
ハルメク生きかた上手研究所はこのほど、50~79歳の既婚男女600名を対象に「夫婦関係に関する調査」をWEBアンケートにて実施し、その結果を発表した。
夫婦満足度は66.3%で2021年から8ポイント低下。特に男女60代の低下が大きい
夫婦関係の満足度(「満足」「やや満足」の合計値)は66.3%。最も高いのは男性70代で78.0%。なお、本調査回答者の結婚生活平均年数は35年。
2021年と比べ、全体では8ポイント低下した。性別では女性はいずれの年代も低下。年代別では男女とも60代で大きく低下した。
離婚を考えた経験があるのは約4割。女性60代が最も高く、男性60代は2021年より増加
離婚を考えたことがある割合(「離婚を考えている」「これまでに考えたことがある」の合計値)は42.2%。女性60代が最も高く54%だった。
2021年と比べ、全体では同程度だが、男性60代が5ポイント上昇した。
離婚を考えたきっかけ(自由回答で聴取)では、性格や価値観の不一致が多く挙がるが、60代では「退職を機に」「給料が少ない」といった声のほか、女性70歳で「定年退職してから少しの間、ずっと一緒に居たくなかった」といったコメントもあった。
■離婚を考えたきっかけ(60代の自由回答を抜粋)
●男性
・日々の生活に中々協力しない(61歳)
・全く気持ちが通じ合わない(62歳)
・性格、能力が我慢できない(66歳)
●女性
・退職を機に(60歳)
・自分が正しいと決めつけ、他人の意見を聞かない(66歳)
・給料が少ない(68歳)
仲良しと不仲を分けるのは一緒に過ごす時間と会話の長さ。仲良し夫婦の会話時間は不仲夫婦の2.6倍
夫婦満足度別に一緒に過ごす時間を比較すると、平日は仲良し夫婦226分に対し、不仲夫婦120分、休日は仲良し271分に対し不仲153分と、いずれも2倍弱の差があった。
同様に夫婦の会話時間を比較すると、平日は仲良し137分に対し不仲52分、休日は仲良し169分に対し不仲64分と2.6倍の差が見られた。
なお、夫婦満足度において「満足」「やや満足」と回答した人を『仲良し夫婦』、「どちらともいえない」「あまり満足していない」「満足していない」と回答した人を『不仲夫婦』とした。
仲良し夫婦と不仲夫婦は食事・寝室・記念日などの行動にも差
夫婦満足度別に行動を比較すると、仲良し夫婦と不仲夫婦の差が特に大きかったのは、「夫婦で食事をする」「同じ寝室で寝る」「結婚記念日をお祝いする」だった。
■夫婦のコミュニケーションで良かったこと(自由回答抜粋)
・やりたいことリストを毎年更新して共有し、お互いにサポートする(男性51歳)
・年配になった頃に、ウォーキングという共通の趣味を持ち、一緒に歩いたりしてコミュニケーションを取っていた(男性76歳)
・夫は野球観戦をするが、私は全く野球に興味無かったが、大谷翔平さんが出ていたワールドカップから野球に関心を持ち、話題にするようになった(女性68歳)
・夫は車が好きなのでネットや雑誌の写真でカッコいい車が写っていたらLINEで送ると喜んでくれる(女性69歳)
■配偶者に一言(自由回答抜粋)
・離婚しないでくれてありがとう(男性53歳)
・俺の後から死んでくれ(男性64歳)
・加齢とともに健康不安が出てくるが、4年前の入院時と同様に面倒を見て下さい(男性75歳)
・まもなく金婚だ、それまでは元気でいよう(男性76歳)
・死ぬときも一緒ね!(女性53歳)
・お酒を控えてほしい(女性60歳)
・認知症にならないように!(女性68歳)
・退屈する暇もない面白い人生をありがとう(女性72歳)
<調査概要>
調査方法:WEBアンケート
調査対象・有効回答者数:全国の50~79歳・既婚の男女600名
調査実施日:2024年9月20日(金)~9月21日(土)
※ 2021年は10月8日~10月12日に実施。調査対象・有効回答者数は2024年度と同様
※ 調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがある。
構成/こじへい