LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、住宅の購入を検討している910名を対象に、住宅に関する防犯意識調査を実施した。
強盗住居侵入報道の影響で一戸建てから集合住宅への希望変更の検討も
警察庁の「侵入窃盗データ」によると、住宅を対象とした侵入窃盗は、2004年から2022年までは減少していたものの、昨年2023年は1万7,469件で前年比+11.3%と増加しており、一日当たり約48件発生しているとのこと。また、最近では、闇バイトによる犯罪も多発し話題になっているほか、年末にかけて家を空ける機会も多くなるこれからの時期は特に防犯について意識する人も増えることが予想される。
そこで、LIFULL HOME’Sでは5年以内に住宅の購入を検討している人を対象に、住宅に関する防犯意識調査を実施。その結果は以下のとおりとなる。
■約8割の人が直近1年間で「防犯への意識が高まった」
まず、直近1年間の防犯への意識の変化について質問したところ、29.8%が「非常に高まった」、49.9%が「やや高まった」と、約8割の人が防犯への意識が高まっていることが明らかになった。
■9割以上の人が現在の住まいの防犯面になにかしらの不安をおぼえる
現在の住まいやその周辺について、防犯面での不安はないという人はわずか6.7%となり、9割以上の人が防犯面に何かしらの不安をおぼえていることが明らかになった。不安を感じるポイントについては1位「夜道が暗い」(46.9%)、2位「周りに警察署や交番が少ない」(37.8%)、3位「人通り/車通りが少ない」(33.1%)となった。
また、自由回答では「空き家が多い」「周りが高齢化」という意見のほか「最近犯罪が多い「隣に空き巣が入った」と、実際に犯罪を身近に感じたという声もあった。
■集合住宅の購入を検討している理由1位は「セキュリティ面の安心感がある」
一戸建てと集合住宅それぞれの希望者に対し、その居住形態を選んだ理由について聞いたところ、一戸建てでは1位が「プライバシーが守れそう」(48.3%)、2位が「資産性が高い」(37.1%)という結果に。一方、集合住宅では1位が「セキュリティ面の安心感がある」(53.0%)、2位が「プライバシーが守れそう」(42.5%)と、防犯に関連する項目が上位にランクインした。
なお、集合住宅では「セキュリティ面の安心感がある」が53.0%と過半数であったのに対し、一戸建てでは26.0%にとどまることから、集合住宅購入検討者の方が一戸建て購入検討者に比べ、防犯への対策を住宅購入において重視していることがうかがえる。
また、「プライバシーが守れそう」が一戸建て、集合住宅共に上位にランクインしたが、一戸建てでは周囲の住宅と隣接していないという点で、集合住宅については建物外の人からの侵入やのぞきが防ぎやすいという点などそれぞれ別の要因から選ばれていると推測される。
■集合住宅購入検討者のうち、約6割が強盗住居侵入の報道を受け一戸建てから集合住宅への希望変更も検討
集合住宅の購入を検討している人を対象に、強盗・住居侵入の報道が購入物件の検討に影響を及ぼしたか聞いたところ、3割以上の人が一戸建てから集合住宅へ希望を変更したことが明らかになった。また、変更までには至らなくとも、一戸建てだけでなく集合住宅も検討するようになったという人も27.2%おり、6割以上の人が物件の購入検討に事件報道の影響を受けていることがわかった。
さらに、年代別にみると、20代では50.9%、30代では38.2%が報道を受けて一戸建てから集合住宅へ希望を変更しており、比較的若い世代ほど報道の影響を大きく受けていることが明らかに。特に小さい子を持つ子育て世代などは、住まいの防犯面での安全性に高い関心を持っているものと推測される。
■LIFULL HOME’S 住まいの窓口 高瀬一輝によるコメント
「住まい選び・家づくりの無料相談窓口である『LIFULL HOME’S 住まいの窓口』へご相談にいらっしゃるお客様からも防犯やセキュリティに関するご相談が増えてきています。また、セキュリティ面の安心感を重視されている方は比較的マンションを希望される方が多い印象です。
ではマンションなら100%安全で、一戸建ては危険なのかというと、そこまで一概に言い切れるものでもありません。例えば、住まいは一戸建てであっても大規模分譲地内の建物であれば、防犯カメラや街灯で街全体が見守られているため、マンションに近い一定の安心感を得られます。
また、新たに一戸建てを買う・建てるといった場合は、立地がとても重要です。従来の駅徒歩分数や付近の施設の調査だけでなく、検討している物件は夜の様子も見に行きましょう。街灯がどれだけあり、実際の明るさはどうか。人の気配をしばしば感じられるか、というようなことは実際に夜に行ってみないとわかりません。空き巣や強盗に入られにくい環境えらびも今後は意識しましょう。
すでに一戸建てに住まわれている方の対策としては、窓用の防犯アラームがオススメです。透明窓に設置することで、外側からも防犯していることが見えますし、いざアラームが鳴った時にも追い払う効果を期待できます。事なきを得るに越したことはないため、対策は見えるように行ない、犯行グループのターゲットにされないように気を付けましょう」
<調査概要>
調査期間:2024年11月6日~11月12日
有効回答:910名
調査方法:インターネット調査
調査対象:5年以内に住宅購入を検討している20~69歳男女
構成/立原尚子