東京と大阪の中間に位置する地理的な利便性の高さや、生活コストの安さ、自然の豊かさ、子育てのしやすさなどから居住場所として人気の愛知県。同県において、居住者からもっとも「住み続けたい」と思われている街はいったいどこか?
リクルートはこのほど、愛知県に居住している人を対象に実施したWEBアンケート形式による「SUUMO住み続けたい街ランキング2024愛知県版」を集計し、その結果を発表した。
本調査は、「住んでいる街に住み続けたいか」という“継続居住意向”に関する実態を調査したもの。隔年で調査を実施しており、この手法で調査したのは今回で2回目となる。
住み続けたい街(駅)ランキング<総合TOP20>
前回実施した2022年の調査と同様、「住み続けたい街(駅)」として最も住民評価が高かったのは覚王山となった。日泰寺の参道沿いに趣ある商店街が広がり、一方でスイーツの新店が並ぶなど、新旧の魅力が合わさる街だ。
2位のはなみずき通と13位の杁ヶ池公園は、共に長久手市の街。はなみずき通は長久手市西部に位置し、名古屋市の藤が丘の隣なので、どちらの街へも行きやすい。長久手市の「ジブリパーク」では、2024年3月に新エリア「魔女の谷」がオープンし、全エリアが開業して賑わいを見せている。また、長久手市の2駅と、豊橋市の駅である20位の東田坂上以外の17駅は全て名古屋市内という結果になった。
3位の桜山、5位の森下、8位の国際センターは、順位が大きくアップした。桜山は近年マンションが増加しているエリアだ。
4位の御器所は桜通線と鶴舞線の2路線が利用でき、都市部への通勤や通学も快適だ。深夜営業のスーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアが駅徒歩圏内にあり、共働きや単身者も生活しやすい。
7位の亀島は2021年に駅徒歩6分の距離に「イオンモールNagoya Noritake Garden」が開業し、生活利便性が大きく向上した。
住み続けたい街(自治体)ランキング<総合TOP20>
「住み続けたい街(自治体)」の1位は、2022年に引き続き長久手市で、「住み続けたい街(駅)」2位のはなみずき通を含む街だ。2022年11月より、「愛・地球博記念公園」内に「ジブリパーク」がオープンし、2024年3月の「魔女の谷」エリア完成で全面開業を迎えた。
50年にわたり人口増加が続く街であり、令和6年1月1日現在の総人口は61,082人で、平均年齢は41.3歳(長久手市参考指標)。令和2年時点の国勢調査でも平均年齢40.2歳で「日本一若い街」と言われる。
2位の名古屋市東区は中区・栄に隣接するなど生活利便性が高い街だ。2020年、久屋大通に公園と一体化した商業施設「レイヤード ヒサヤオオドオリパーク」 が開業し、飲食・物販を合わせて約40店舗が出店した。
3位の名古屋市昭和区は「住み続けたい街(駅) 」4位の御器所と6位のいりなかを擁する。御器所は桜通線と鶴舞線の2路線が利用でき、昭和区役所にも直結と利便性が高い。いりなかは私立・南山学園の校舎が集まるほか塾などの教育機関が多く、名古屋を代表する文教地区の1つとなっている。
注目エリア.1 住み続けたい駅1位/覚王山駅 住み続けたい自治体4位/名古屋市千種区
前回に引き続き「住み続けたい街(駅)」1位となったのは覚王山だった。「住み続けたい自治体」の4位である名古屋市千種区に位置する、名古屋駅や栄駅にも直通の東山線沿線の駅だ。シンボルは日本とタイを結ぶ「覚王山日泰寺」で、駅を出るとすぐに400mほどの参道が続き、商店街が広がる。
レトロな雰囲気の食堂などのほか、東海発祥のドーナツ店やパティスリー、インド料理店といった人気店も軒を連ね、新旧の良さが合わさる街だ。住民も街の魅力に「メディアによく取り上げられて有名である」という項目を挙げているように、近年はスイーツなどの新店が続々と出店し、常に話題を集めている。
注目エリア.2 住み続けたい駅3位/桜山駅、10位/瑞穂区役所駅 住み続けたい自治体5位/名古屋市瑞穂区
「住み続けたい街(駅)ランキング」で、2022年の73位から3位へと、順位が大幅にジャンプアップした桜山駅は、「住み続けたい自治体ランキング」5位の名古屋市瑞穂区に所在。地下鉄桜山駅8番出口を出るとすぐ、瑞穂区方面にかけて「桜山商店街」が広がる買い物環境も魅力だ。
2024年春には桜山交差点角に、クリニックや薬局が入った「クリニックモール桜山」が開業し、ますます便利になった。10位の瑞穂区役所駅は桜山駅の一駅隣で、共に名古屋市内を南北に走る地下鉄桜通線沿線。
これらの駅がある名古屋市瑞穂区は、住宅街を山崎川が流れる緑豊かなエリア。区内では2024年4月に、名古屋市初登場の鮮魚市場「魚太郎」などからなる商業施設「iiNEマルシェ」が誕生し、買い物利便性が向上した。
また、プロサッカーチーム「名古屋グランパス」の本拠地の1つで、陸上競技場やテニスコート、プールなどのスポーツ施設が集まる「パロマ瑞穂スポーツパーク」があるスポーティーな街でもある。現在は2026年開催のアジア競技大会に向けて新たな競技場が建設されており、競技場とレクリエーション広場が8の字のループでつながる計画だ。
注目エリア.3 住み続けたい駅5位/森下駅 住み続けたい自治体2位/名古屋市東区
前回84位から5位へ大きく順位を上げたのが名鉄瀬戸線の森下駅だ。駅徒歩圏内に日本庭園の「徳川園」や「徳川美術館」などの名所もあるのが魅力。一駅隣には、2020年に駅前の商業施設「ミュープラット大曽根」が誕生した大曽根駅があり、名古屋方面へ向かうと中心地・栄のある栄町駅へ直通する。「住み続けたい自治体」2位の名古屋市東区に位置し、中心地である中区や子育て世帯に人気の千種区とも隣接する便利な街だ。
注目エリア.4 住み続けたい駅8位/国際センター駅 住み続けたい自治体12位/名古屋市中村区
前回120位から8位へと飛躍した国際センター駅。「住み続けたい自治体ランキング」で前回23位から12位と順位上昇した名古屋市中村区に位置し、リニア中央新幹線の計画路線に近いことで注目を集めている。
名古屋駅の隣駅であるため、地下街『ユニモール』を通れば、徒歩で天候を気にせず行き来できる。駅直結の「名古屋国際センタービル」は、市内の国際交流の総合拠点施設で、国内外の情報を発信するほか、外国語の図書の貸し出しなども行なっている。また、駅徒歩3分の場所に民間市場の「名古屋駅前柳橋中央市場」があり、一般客も買い物が可能だ。
プロが目利きした魚介などの生鮮食品が日常的に手に入る。市場内で早朝から営業するラーメン店や海鮮丼の店など、食堂も人気が高い。「町並み保存地区」に指定されている四間道をはじめ、西区の那古野エリアも徒歩圏だ。
名古屋で最も古い商店街とも言われる「円頓寺商店街」にはおしゃれなカフェやバル、ボルダリングジムなどが並び、新旧の魅力が交差する。毎年11月に行われる「円頓寺秋のパリ祭」をはじめ、個性的なイベントも住民の楽しみになっている。
注目エリア.5 住み続けたい駅9位/清水駅
前回67位から9位にランクアップした名鉄瀬戸線の清水駅。2019年に、一駅隣の尼ケ坂駅との約500mの間の高架下に商業施設「SAKUMACHI商店街」が誕生し、駅から駅の間を歩きながら、飲食やテイクアウトを楽しめるようになった。
小規模保育や学童保育、おしゃれな駄菓子屋などもあり、子どもの笑い声が響く環境に。「SAKUMACHI商店街」で2020年のグッドデザイン賞を受賞したエイトデザインがプロデュースした個性的な建物と、春は桜並木が楽しめる注目スポットになっている。名古屋市北区に位置しながらも、東区の高級住宅街である白壁エリアも徒歩圏で、閑静な住宅街が広がっている。
注目エリア.6 住み続けたい駅13位/杁ヶ池駅 住み続けたい自治体1位/長久手市
前回21位から13位へと順位を上げた杁ヶ池公園駅は「住み続けたい自治体ランキング」1位の長久手市にある東部丘陵線リニモの駅で、「住みたい街(駅)ランキング」2位のはなみずき通駅の隣に位置。駅構内からは、2021年にリニューアルしたスーパー「アピタ長久手店」と直結で、通勤の行き帰りの買い物に便利だ。
また、駅徒歩5分ほどの場所にある「杁ヶ池公園」が多世代に人気。杁ヶ池という池を囲むように整備された公園で、遊具のある広場のほか、水遊び場や遊歩道、体育館もあり、憩いの場となっている。
長久手市は総人口61,082人(令和6年1月1日現在)で、平均年齢は41.3歳(長久手市参考指標)という「日本一若い街」 。無料エリアもある「ジブリパーク」の他にも、愛・地球博記念公園内の県立大型児童館「愛知県児童総合センター」(中学生以上300円、その他無料)をはじめ、子連れファミリーが気軽に楽しめる場が豊富だ。
子育て支援にも「ひとり親家庭向けのサポート」と「子育て家庭全世帯向けサポート」をそれぞれ用意するなど力を入れる。2023年には、愛知県初の女性市長が誕生した。
出典元:リクルート
構成/こじへい