女性の社会進出が進み、「家事シェア」が叫ばれるようになって久しいが、家事の負担率の現状はどうなっているのだろう。
オレンジページは、11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、「夫婦間での家事分担」について国内在住の20歳以上の女性1232名を対象に調査を実施した。
家事分担は「妻8割以上」が77.6%。最も分担率が高いのは30代
夫がいる人に、夫が家事をしているかをきいたところ、「している」と答えた人は56.6%と半数以上。
1日のうち家事に費やしている時間は、妻が平日で「1~2時間未満」、休日で「2~3時間未満」が最多なのに対し、夫は平日で「15分未満」、休日で「15~30分未満」が最も多いことが判明。妻と夫で時間的に大きな差があることが明らかになった。
夫婦間の家事分担の割合でも、「妻が8割以上」の合計が77.6%と、まだまだ妻の家事負担が大きいことがうかがえる。
年代別で見た夫が家事をしている割合は、30代で75.5%と高く、60代以上の64.0%と比べて10ポイント以上の差がある一方、夫が家事を「進んでしてくれる」との回答は、30代の59.2%に対し、60代以上では78.3%と20ポイント近く高い結果に。
ただし60代以上では、個々の家事について「夫にもしてほしい」との回答は全般的に少なく、「できる範囲でやってくれれば十分」と考える人が多いようだ。
また、「自分が興味あるかないかが家事をする、しないに直結している」(60代・ママリン)といった声もあった。
夫がしている家事は「ごみ出し」60.0%がトップ!妻がしてほしいのに夫がしていない家事は?
現在、夫がしている家事は「ごみ出し」60.0%がトップ。とはいえ、「各部屋のごみをまとめる」「ごみの分別」はともに3割未満にとどまり、いわゆる「名もなき家事」は、やはり妻の役割になっているようだ。
一方、妻が夫にしてほしいと思う家事のトップは「風呂掃除」45.8%。次いで「食器洗い」38.9%、「トイレ掃除」38.3%となっている。
そして「妻がしてほしいこと」と「夫がしていること」のギャップが最も大きかったのは「ふとん干し」。「してほしい」が37.5%に対し、「している」は17.9%で20ポイント近い差がついていた。
また2番目にギャップが大きかった「トイレ掃除」も18ポイントの差があり、妻の希望に対して夫の実施率が低いことが判明。
夫婦間での家事分担についての話し合い、「していない」が7割以上
自分の家事の時間や負担を減らしたいと思う人が8割にのぼる一方で、夫と家事の分担について話し合うことがある人は27.4%止まりであった。
「やってくれないストレスを感じるなら、自分でやったほうが早いと思って負担してしまう」(30代・なおなお)や、「言ったところで動いてくれず、こっちがモヤモヤするだけなので結局話し合っていない」(50代・MA)といった、あきらめの声も聞かれた。
しかし、話し合うことがある人のうち、夫の家事分担が「増えた」と答えた人は47.8%と半数近く。
「私はごみ捨てと高いところの掃除がおっくうだと伝えたところ、自分は得意だからとやってくれるようになった」(40代・はままつ)、「夫は在宅勤務の日が多いので、私の不在時に洗濯物の取り込みをしてくれる。さらにたたんでしまうのも分担することに」(50代・うさぎさん)といったコメントもあり、話し合いをしてみるのも一定の効果はありそうだ。
夫婦の家事分担について「満足」と答えた人は50.9%、「不満」と答えた人は49.1%と、ほぼ半々。
「夫は家事をやったことがないので大変さがまったくわかってないのが不満」(50代・夏みかん)、「気になったときに気になったほうが動くという暗黙のルールができているので満足」(30代・エブリちゃん)、「自分の思うとおりに家事ができるのがいい。分担しないことで口出しもされないので楽は楽」(40代・まろん)など、さまざまな声が聞かれた。
また、「家族からまめにお礼を言われるので満足」(50代・英いつき)、「定年退職後も家事をしてくれないのが不満。せめて感謝の気持ちを表してくれるといいな」(70代・ルーニーママ)といった声もあり、家事をしてくれたことに感謝の気持ちを伝えるだけでも、お互い気持ちよく暮らせるようになるかもしれない。
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構成/Ara