Microsoft Officeの買い切り型「Office 2024」とサブスク型「Microsoft 365」。価格や使用台数、機能を徹底比較して、あなたにぴったりの選び方を解説する。
目次
Microsoftは2024年10月、買い切り型のOfficeパッケージ「Office 2024」の提供を開始した。仕事でもプライベートでも使用する方の多いOfficeソフト。
より安く使用するためにも、買い切り型かサブスク型か、どちらを購入すべきか悩む方も多いだろう。
本記事では、Officeの買い切り型とサブスク型の価格の違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介する。安く使えるのはどちらか、端末は何台まで利用可能か、といった比較をしつつ解説するので、これからOfficeを契約する予定の方は、ぜひ参考にしてほしい。
Officeは買い切り型とサブスク型から選択可能
Officeは買い切り型の「Office 2024」とサブスク型の「Microsoft 365」に大別される。まずは、両製品の概要をご紹介しよう。各製品の価格は、Microsoft公式サイトの価格を参照している。
■Office 2024
Office 2024は買い切り型の製品。2024年11月時点では、ビジネス向けの「Office Home & Business 2024」と個人向けの「Office Home 2024」が展開されている。
Office Home & Business 2024ではWord、Excel、Outlook、PowerPoint、OneNoteが使用可能。Office Home 2024ではOutlookが使用不可になる点に注意が必要だ。
前バージョンにあたる「Office 2021」のサポートは2026年10月13日まで予定されている。この期間が過ぎてもソフトそのものが使えなくなることはないので安心してほしい。
Office Home 2024 | ¥34,480 (税込) |
Office Home & Business 2024 | ¥43,980 (税込) |
【参考】
■Microsoft 365
Microsoft 365はサブスク型の製品。個人向けの「Microsoft 365 Personal」、複数ユーザー向けの「Microsoft 365 Family」、法人向けの「Microsoft 365 Business Standard」が展開されている。
支払い形態は月単位での支払いか年単位での支払いかを選択可能だが、年払いの方が価格を安く抑えて利用できる。
Microsoft 365 Personal | ¥14,900/年 (税込) |
Microsoft 365 Family | ¥21,000/年 (税込) |
Microsoft 365 Business Standard |
¥1,874 ユーザー/月(年払い) |
【参考】Microsoft 365
買い切り型とサブスク型の比較
ここでは、買い切り型とサブスク型をより詳細に比較する。個人向けの「Office Home 2024」「Microsoft 365 Personal」を参照して比較していこう。
■基本情報
Office Home 2024(買い切り型) | Microsoft 365 Personal(サブスク型) | |
費用 | ¥34,480 | ¥14,900(年額) |
支払い方法 | 買い切り | 年払い、月払い |
インストール可能台数 | 2台 | 制限なし(同時接続は5台まで) |
クラウドサービス | 使用不可 | 使用可能 |
アップデート | なし | 随時自動アップデート |
サポート期間 | 2029年10月まで | 契約期間中 |
■費用
サブスク型は月額での購入もできるが、ひと月あたり1,490円と割高になるため安く利用できる年額購入がおすすめ。
2年までの使用であればサブスク型の方が安く使用でき、3年以上使用すると買い切り型の方が安く使用できる計算になる。
Office Home 2024(買い切り型) | Microsoft 365 Personal(サブスク型) | |
1年目 | ¥34,480 | ¥14,900 |
2年目 | ¥34,480 | ¥29,800 |
3年目 | ¥34,480 | ¥44,700 |
4年目 | ¥34,480 | ¥59,600 |
5年目 | ¥34,480 | ¥74,500 |
■インストール可能台数
買い切り型は1パッケージにつき1ユーザーが対象で、Windows PCかMacに2台までインストール可能。サブスク型は買い切り型のOffice 2024と異なり、パソコンやタブレット、スマートフォンなどに台数の制限なくインストールできる。
何台まで使用するか今後の見通しが立たない場合も、台数無制限のサブスク型を選択するのをおすすめする。
■クラウドサービスの利用権
買い切り型の場合は、サブスク型に付属するクラウドサービスの利用権がついてこない点に注意。特に、オンラインクラウドストレージOneDriveの使用権がないのは大きなデメリットといえる。サブスク型の場合は、1TBのOneDrive利用権が無料でついてくるため、クラウドストレージを使いたい方は要チェック。
■サポート期間
買い切り型はサポート期間に制限がある。これまで提供されてきた製品は約5年でサポート期間が終了しており、最新のOffice 2024は2029年10月にメインストリームサポートが終了する。
サポートが終了してもOfficeの利用は継続できるが、セキュリティ面で危険な状態になってしまうため、業務使用の場合は特に注意したい。一方、サブスク型はサポート期間に制限がなく、契約期間中はサポートを受けられる。
サブスク型のMicrosoft 365を選ぶ際の注意点
ここまで紹介した両者の特徴を鑑みると、基本的にはサブスク型を選択するのがおすすめといえる。しかし、サブスク型にも注意点は存在する。以下のデメリットを考慮した上で、購入を決定してほしい。
■ローカル環境で使用できない
サブスク型を選択する際、まず注意したいのはローカル環境で使用できない点だろう。WordやExcelはローカル環境でも一応使用できるが、OneDriveをはじめとしたクラウドサービスを使う場合にはインターネット環境での使用が必須となる。
WordやExcelで取り扱うファイルを共有する際にもインターネット環境が必要になるため、基本的にはローカル環境で使うことは前提としていないと考えておいた方が良いだろう。
■アップデートが随時行われる
サブスク型の場合、アップデートが随時自動で行われる。自動アップデートは基本的には管理の手間を省けるためメリットとなるが、UIの変更によって使い心地が変わってしまうことがある点には注意したい。
買い切り型かサブスク型か決める際のポイント
ここでは、買い切り型かサブスク型かを決定する際のポイントを紹介する。ここまで解説してきた両者の違いの中でも、特に以下の点には注意して購入する製品を決定しよう。
■使用期間はどのくらいか
買い切り型かサブスク型かを選択する際は、予定している使用期間を考えよう。再度比較をすると、もっとも安いプランを選択した場合には買い切り型が34,480円、サブスク型が年額14,900円であるため、2年以内の使用を想定している場合にはサブスク型がお得になる。
反対に、3年以上Officeを利用する予定がある方は、買い切り型を選択したほうが費用面ではお得だろう。ただし、買い切り型はサポートが2029年10月までと指定されているのが難しいところ。アップデートや新機能が不要な方は長年の利用も可能だが、多くの場合、買い切り型の耐用年数は5年程度と考えた方が良いだろう。
■使用台数は何台か
Officeを使用するデバイスが何台かも、考慮しておきたいポイント。買い切り型だと最大でも2台までの使用になるため、3台以上で使用したい場合には必然的にサブスク型を選択することになる。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでもOfficeを使用する予定の方はサブスク型を選択しよう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部