夢の超特急と呼ばれた東海道新幹線が開業してから60年の月日が流れた。東京〜新大阪間の最短所要時間は開業直後に4時間だったのが現在は2時間21分に(Data1)。運行本数も開業当初の52本から現在は最大383本まで増えた(Data2)。
所要時間の短縮、本数の増加は続くのか。鉄道フォトライターの栗原景さんに聞いた。
リニアが開業で大胆な変化の可能性も?
「車体の軽量化、スピードを落とさずに曲線区間を走り抜ける装置の採用など、現在走っている車両にはたくさんの列車を高速で走らせるための技術が詰まっています。その結果が東京〜新大阪2時間21分なので、これ以上の時間短縮は困難と思います」
1日の運転本数(Data2)は増やせそうだが、
「現在、1時間に運行できるのは最大17本。
車両の性能を揃え、信号システムを改良するなどやれるだけのことをやった数字なので、本数もこれ以上は増やせないでしょう」
Data4を見ると、睡眠や快適に眠りにつくための車両を求めている人が多いが、栗原さんは将来、この流れが変わると予想する。
「リニアが開業すると人の流れが変わるので、新幹線は大きく変わるでしょう。富士山や浜名湖など沿線には美しい風景が多いので窓の大きな展望車両が誕生するかもしれません」
開業90年、100年といった節目の年、東海道新幹線はどんな姿になっているか。未来像が気になるところだ。
現在の東海道新幹線は限界まで進化しています鉄道フォトライター 栗原 景さん
旅や鉄道をテーマの記事を執筆するフォトライター。東海道新幹線の気になる車窓専門家という一面も。
Data1|60年間に東京〜新大阪間は4時間以上も短縮!
東京〜新大阪間の所要時間
60年以上前に建設された線路はカーブが多く、他の新幹線よりスピードアップが難しい。そんな中、1992年「のぞみ」登場以降も所要時間を縮めている。
Data2|10年ごとに運行本数をチェック!令和の今は、60年前の約4.5倍に!!
東京〜新大阪間の1日の列車運行本数(月〜金曜運転の列車)
運行本数は10年前とほぼ同じだが、システムの改良で現在は1時間で最大17本(のぞみ12、ひかり2、こだま3)が運行可能となっている。
Data3|1日19万人も利用!JR東海のお膝元、名古屋駅がトップに!
JR東海 駅の乗車人員ベスト10【2023年度版】
名古屋、静岡、浜松はJR東海の在来線と合わせた数字だが、東京、新大阪、京都、新横浜、品川は新幹線だけでこの数字だ。
Data4|どうやって新幹線車内で過ごしたい?実は仕事よりも寝たい人が多かった!
新幹線に乗車している時に〝もっと質を高めたい/有意義にしたい〟と感じる行動は何ですか?
新幹線の利用者の多くは1〜4時間電車に乗っている。休息・睡眠が趣味・娯楽よりも多いのは、通勤電車よりも長い乗車時間が一因といえるだろう。
「新幹線車両」のアイデアについて
「料金が上がっても利用したい車両」「良くない/あってほしくないと思う車両」をそれぞれいくつでも教えてください