人生100年時代を迎え、成人後の親子関係もより長く続いていく。その中で、親子間においてどれほどの金銭的支援をし合うのだろうか?
PGF生命はこのほど、70歳以上の実の親がいる40~69歳の男女を対象に「『おとなの親子』の生活調査2024」をインターネットリサーチで実施し、有効サンプル2,000名の集計結果を発表した。ここでは「『おとなの親子』のマネー事情」に関する調査結果を抜粋し紹介する。
ついつい先送りにしがちなお金の話 おとなの親子でもお金のことは話題にしにくい?
全回答者(2,000名)に、親の資産の内容(種類や資産額)を把握しているかを聞いたところ、「把握している」は30.3%、「把握していない」は69.7%となった。
年代別にみると、「把握していない」と回答した人の割合は40代81.7%、50代73.2%、60代54.2%と、若い年代ほど高くなる傾向がみられた。
同居親子・別居親子についてみると、「把握していない」と回答した人の割合は、同居親子では61.9%となった一方、別居親子では71.9%と、10.0ポイントの差がみられた。別居親子ではコミュニケーションが同居親子と比べて少ないため、資産についての情報共有が十分にできていないケースが多いのではないだろうか。
親の収入や生活費を把握しているかを聞いたところ、「把握している」は38.6%、「把握していない」は61.5%となった。年代別にみると、「把握していない」と回答した人の割合は若い年代ほど高くなる傾向がみられ、40代では73.4%となった。
同居親子・別居親子についてみると、「把握していない」と回答した人の割合は、同居親子では49.2%、別居親子では64.8%と15ポイント以上の差が開いた。
また、自身の収入や資産の内容(種類や資産額)を親に伝えているかを聞いたところ、「伝えている」は19.2%、「伝えていない」は80.9%となった。
同居親子・別居親子についてみると、「伝えていない」と回答した人の割合は、同居親子では66.6%、別居親子では84.7%と15ポイント以上の差が開いた。
『おとなの親子』の間では、マネー事情についてお互いに情報共有していないケースが多く、その傾向は特に別居親子で顕著である実状が明らかとなった。
困ったときの親頼み 「親から金銭面の支援を受けたことがある」約2人に1人
親子間の金銭面の支援について質問した。これまでに、親から金銭面の支援を受けたことがあるかを聞いたところ、「受けたことがある」は47.4%、「受けたことはない」は52.6%となった。
親から金銭面の支援を受けたことがあるものを聞いたところ、「結婚費用」(25.5%)が最も高くなり、「生活費(社会人以降)」(24.2%)、「不動産購入時の頭金」(16.0%)、「子どもの教育資金」(14.8%)、「自動車購入時の頭金」(13.8%)と続いた。
支援額の平均(受けたことがある人)をみると、「結婚費用」は139.7万円、「生活費(社会人以降)」は133.3万円、「不動産購入時の頭金」は517.4万円、「子どもの教育資金」は187.0万円、「自動車購入時の頭金」は150.0万円となった。
「親に金銭面の支援をしたことがある」25%、九州・沖縄では38%
他方、これまでに、親に金銭面の支援をしたことがあるかを聞いたところ、「したことがある」は25.4%、「したことはない」は74.6%となった。年代別にみると、「したことがある」と回答した人の割合は、上の年代ほど高くなる傾向がみられ、60代では29.7%となった。
また、居住エリア別にみると、「したことがある」と回答した人の割合は、九州・沖縄では37.9%と、他のエリアと比べて10ポイント以上高くなった。
親に金銭面の支援をしたことがあるものを聞いたところ、「生活費」(17.4%)が最も高くなり、「旅行費」(9.7%)、「医療費」(7.2%)、「遊興費・交際費」(6.0%)、「冠婚葬祭費」(5.9%)と続いた。
支援額の平均(したことがある人)をみると、「生活費」は150.2万円、「旅行費」は38.4万円、「医療費」は45.5万円、「遊興費・交際費」は27.5万円、「冠婚葬祭費」は32.9万円、「住宅購入・リフォーム・転居の費用」は255.4万円、「介護費」は67.0万円、「住宅ローン・借入金の返済」は485.5万円だった。
<調査概要>
調査タイトル :『おとなの親子』の生活調査2024
調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
70歳以上の実の親がいる40~69歳の男女
調査期間 :2024年9月10日~9月11日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :2,000サンプル
調査協力会社 :ネットエイジア株式会社
出典:PGF生命調べ
構成/こじへい