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MiMCが発売した香りのアイテムにみるコスメブランドが担う新たな役割

2024.11.22

ビューティーディレクター MICHIRUさんとともにおくる、連載「Wellbeing Beauty by MICHIRU」。

第二回は日本のオーガニックコスメブランドの草分け的存在、「MiMC」の開発者兼代表北島 寿さんが考える「ウェルビーイングビューティーとは」を伺っていく。

中編となる本記事では、この秋発売されたMiMC初の「香り」のアイテムを軸に、これからの化粧品の役割を考えていこう。

前編はこちら

「地球と人を美しく」を世界にひとつの物語に、オーガニックコスメブランドMiMCが提案するウェルビーイングビューティーとは?

オーガニックであることとサステナブルであることは、どれくらいイコールなのだろう。 ビューティーディレクター MICHIRUさんとともにおくる、連載「Wellbe...

情報社会から心を守る。4000年前の叡智を現代に

MiMCがこの秋発売した「ニーマルアッター」は、アーユルヴェーダの世界に残る古のレシピを元に作られた100%ナチュラルな化粧品グレードの精油原液。香りによって人の内面にダイレクトに働きかける化粧品だ。

ニーマル(Nirmal/ニルマル)は、サンスクリット語で純粋な水のこと。アッター(Attar/アタール・アッター)は、植物など天然由来のエッセンシャルオイル100%原液を指すという。

肌を整え、彩る化粧品から、内面にアプローチする化粧品へ。化粧品の概念を変えるこの商品の開発を北島さんは、今、なぜ行おうと思ったのだろうか。

ニーマルアッター。フィジカルにアプローチする「Body」、エモーションにアプローチする「Soul」、メンタルにアプローチする「Mind」を各数量限定で発売

MICHIRUさん(以下・MICHIRU):「ニーマルアッター」のお話しを聞いたとき、ビューティーの分野ではありつつも明らかにフェーズが違うものだなと感じました。どんな背景から、この香りのアイテムを作られたのですか?

北島さん(以下・北島):MiMCを展開するなかで、人の心まで元気にできるメイクや化粧品の力にずっと感動してきました。その一方で、じゃあ、化粧品で心にダイレクトに働きかけることはできないのかという思いもありました。そんな思いを瞑想を教えていただいていたニーマル・ラージ・ギャワリ先生(古来のヒマラヤメディテーションを継承する瞑想家・ヨガ指導者)に相談したら、一言「できるよ」と。そして教えていただいたのが、今回実現に奔走したアーユルヴェーダに伝わる4000年前の香りの処方でした。

MICHIRU:具体的にこの「ニーマルアッター」はコスメとしてどんな効果があるのでしょうか。

北島:音や香り、瞑想やヨガ……自分をヒーリングする方法はいろいろありますよね。なかでも香りはダイレクトに脳に届き、精神的な作用をもたらしてくれるものです。さまざまあるヒーリングの方法のなかで、一番簡単でもっとも強い力を持っていると言ってもいいと思います。

「ニーマルアッター」はみなさんが自分をヒーリングする一つのツールです。一般的に精油を直接肌に塗布するときにはオイルなどで希釈する必要があります。ですが「ニーマルアッター」は私たちの開発力によって直接肌につけることを可能としました。ダイレクトに肌につけられるので、ヒーリングの効果をずっと持ち歩いていただくことができます。

MICHIRU:処方のカギはアガーウッド(沈香)だと伺いました。かなり希少なものなのですよね?

北島:世界でも希少なものでワシントン条約の規制リストにも該当するため、原料の調達にはとても苦労しました。沈香は日本でも香木として平安時代から使われてきました。東大寺正倉院に置かれている、織田信長が切り取ったことでも有名な「蘭奢待(らんじゃたい)」も沈香の一種で、最高峰の伽羅(キャラ)です。ニーマル先生は「日本人のDNAには沈香の香りが刻まれている」とおしゃっていましたが、確かに沈香の奥深い香りには懐かしさも感じます。

戦国時代にはこの沈香が合戦の報奨だったこともあるそうです。精神を集中するために沈香を焚きしめて命懸けの戦いに臨んでいった武将たち。その光景を思ったときに、今の時代にも沈香の香りが必要だと本気で思いました。

MICHIRU:戦国時代の武将と現代を生きる私たちに似た何かを感じたのでしょうか。

北島:今の日本は昔のように命懸けの戦いはありませんが、情報が武器のように心を攻撃してくる時代です。たとえヨガや瞑想などでどんなに自分を整えても、一歩外に出てメールや電話に応対したら情報に振り回されたり傷つけられてしまう。そういうものから自分を防御する方法がないんですね。

神社仏閣でも位の高いところでは沈香を焚くという話を聞きますが、ずっとその空間にいられるわけではありませんよね。音も持ち歩けません。肌につけられてずっと自分のそばに置いておける香り、「ニーマルアッター」は私たちをプロテクトしてくれる唯一のものになれると感じています。

MICHIRU:MiMCファンの女性の方だけでなく、ハードに仕事をするすべての人に必要なものに感じます。男性こそ必要とされている方が多いかもしれないですね。

ニーマルアッターの香りを効くMICHIRUさん

美容も最先端の研究の世界も「心の時代」が始まっている

MICHIRU:精油は日本では雑貨登録の場合がほとんどですよね。化粧品として販売されているという点がまた、化粧品業界を変えていく可能性を感じました。

北島:肌に直接塗るものは日本の薬機法ではすべて化粧品となります。すべてにおいて化粧品グレードの規格を取らないといけなため、それらを整えるのも大変でした。たいていの場合、精油は薬機法を通すことが難しいため、ほとんどが雑貨として販売されているんですよね。精油原液のブレンドである「ニーマルアッター」が化粧品を取得できていることは奇跡だと言っていただいています。

MICHIRU:いつも感じていますが、北島さんのそういうことの実現力や開発力はどこから情報やアイデアを得ているのでしょうか。

北島:化学会や工学会主催の学会にも出席していますし、今は医学にも関わっています。世界の最先端はやはり学会ですし、新たなものを生み出すのは基礎研究があってこそ。学会で情報を得て、日本を代表する大先生たちと話し合いし続けているからこそ、安心して使っていただける新しい商品を開発できると思っています。

MICHIRU:やはり北島さんの化学者というバックグラウンドがMiMCの進化を支えているのですね。4000年前から伝わっている香りの処方が、最先端の知識や開発力によって蘇ったというのがまた素晴らしいです。まさに古くて新しい商品ですね。

北島:MITやスタンフォードでも今、眠りの質や時間の質というようなウェルビーイング系の研究が進んでいるんです。化学の世界も新しい次元軸が差し込まれてきているのを感じています。たとえば「ニーマルアッター」のようなものを身につけることで、同じ1時間をつけない時とは違う軸で過ごせるというのもいつか判明するかもしれません。ビューティーの世界も研究の世界も、心の時代に入ってきています。

>>次回、後編では北島さんのビジネス論ともう一つのサステナブルな取り組みを紹介する

<プロフィール>
北島 寿(きたじま・ことぶき)
株式会社MIMC(エムアイエムシー)開発者兼代表取締役。化学を専門に研究していた大学院時代に化学物質過敏症になり、大学院卒業後、自然派化粧品会社に入社。その後、本物のオーガニックを知るために渡米。渡米中にミネラルメイクと出会い、MIMC.incを設立。世界で初めての日本人のためのオーガニックコスメブランド「MiMC」を立ち上げる。

MICHIRU(みちる)
メイクアップアーティスト・ビューティーディレクター/渡仏、渡米を経て、国内外のファッション誌や広告、ファッションショーやメイクアイテムのディレクション、女優やアーティストのメイクなどを数多く手がける。また体の内側からきれいになれるインナービューティを提唱するなど幅広く活躍中。本連載ではナビゲーターを務める。

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