■連載/阿部純子のトレンド探検隊
Vポイント、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、PayPayポイント、JREポイントなど、『ポイ活戦国時代』と呼ばれるほど、各社のポイントサービスが活況を呈している。
2003年にTSUTAYAのレンタル会員証としてスタートした日本初の共通ポイントサービス・Tポイントと、三井住友カードが提供する旧Vポイントが統合して、今年の4月に誕生したのが「Vポイント」。身近なお店で貯まるTポイントと旧Vポイントの統合で、提示と決済がダブルで貯まるようになった。
ポイ活戦国時代の中、ポイントの貯まりやすさで注目のVポイント
従来のTカード/アプリでも、使える店舗は変わらず、今まで通り貯めたり、使ったりすることができるが、統合で大きく変わった点が、三井住友カードを使うとポイントがさらに貯まりやすく、使える場所が多くなったということ。
Vポイントが貯まる提携先は約16万店舗。提携先以外でも国内約750万、世界で約1億のVISA加盟店でも、ポイントを貯めることができる。
Vポイント提携先で支払いした場合、統合前はTカードの提示でショッピングポイントは貯まるが、決済は人によって異なっていたため、貯まるポイントもバラバラで効率が悪かったが、統合後は決済に三井住友カードを使うことで、Vポイントをダブルで貯めることができるようになった。
Vポイントの還元率が一番高いのが三井住友カードのスマホタッチ決済。デジタルウォレットに三井住友カードを登録することで利用できる。対象のコンビニや飲食店の利用で最大7%還元、Vポイントが貯まる提携先では最大7.5%の還元率となる。
ただし気をつけたいのが、同じ三井住友カードでも、スマホのタッチ決済、カード現物のタッチ決済、カード差し込みで還元率が異なるということ。
カード差し込みで支払いをしてしまうと、7%の特約店でも0.5%になってしまうので注意したい。確実に高還元率のポイントをゲットするにはスマホのタッチ決済がベストだと覚えておこう。
ポイ活の達人に聞く『Vポイント活用術』
Vポイントをどのように使ったら効率よくポイントが貯まるのか、ポイ活情報を発信しているインフルエンサーの「くぅちゃん」(下記画像)、「mao」、「ななえもん」の3氏にVポイント活用術について聞いた。
〇活用術その1・セブン-イレブンの10%ポイント還元は激アツ
節約に手間も時間もかけない『時短節約家』として注目を集め、Instagramのフォロワー数は14万人超え、テレビや雑誌にも多数登場している「くぅちゃん」氏。まず挙げたのが、セブン-イレブンでの活用法だ。
「セブン-イレブンで、三井住友カードのスマホタッチ決済でポイントを貯めるのが断然お得。今年10月から、全国のセブン-イレブンで最大10%のVポイントが貯まる・使える、セブンマイルからVポイントへ交換できるサービスが始まり、セブン-イレブンで貯まるVポイントが、従来の7%から最大10%に還元率がアップしました。
セブン-イレブンの10%ポイント還元はポイ活をやっている主婦界隈では激アツな数字で、消費税分がポイントで返ってくるところが大きなポイントです。
セブン-イレブンアプリの『7iD』とV会員番号を連携させて、セブン-イレブンマイルで0.5%、三井住友カードのスマホタッチ決済で9.5%、合わせて10%のセブンマイルをVポイントに変えることができるので実質10%分のポイントが貯まります。
コンビニは普段からよく使う店ですから、こうした小さな積み重ねがポイ活ではとても大事で、セブン-イレブンでは三井住友カードのスマホタッチ決済を当たり前にすれば、自然とポイントが貯まってきます。普通は1%程度のポイントがセブン-イレブンだと10%。この差はかなり大きくて、毎日続けていくとポイントが貯まる感覚をすごく感じられると思います」(以下「」内、くぅちゃん氏)
〇活用術その2・ファミレスはすかいらーくグループがお得
「ファミリーレストランを家族で利用する人も多いと思いますが、Vポイントを貯めやすいファミレスは、ガストやジョナサンなどのすかいらーくグループです。
会計をするときに、まずVポイントのポイントカードを出してポイントを貯めます。そして支払いを三井住友のカードのスマホタッチ決済ですることで、VISA加盟店0.5%、VISA加盟店特約店ポイント7%、計7.5%が貯まります。
さらにすかいらーくグループの独自のポイントカードもあり、アプリを入れる必要がありますが、そちらも貯めることができるので、ポイントの三重取りができます。7.5%+すかいらーくのポイントも乗ってくるので、すかいらーくグループのファミレスに行ったときは、絶対に取り漏らさないようにしてください」
〇活用術その3・毎月20日はウェルシアで“ウェル活”
「現金だと1円は1円ですが、ポイ活の良さは1ポイントを1ポイント以上の価値にして使うことができることで、私がポイ活を推す理由でもあります。
ドラッグストアのウェルシアは、毎月20日に開催する『ウェルシアお客様感謝デー』でWAONポイントを使うと1.5倍で使えるところがすごく魅力的で、主婦界隈でもとても話題になっています。
1.5倍になるのはWAONポイントのみなので、VポイントをWAONポイントに変える必要がありますが、ポイント変換もアプリで即日に等価交換できるので、Vポイントの1ポイントをそのままWAONポイントの1ポイントに変えることができます。
WAONポイントで20日に買い物をすると、ポイントを1.5倍にして使うことができるので、例えば1000ポイントあった場合、ウェルシアで1500円分のお買い物ができるというすごく激アツな使い方になり、ポイ活界隈では『ウェル活』として注目されています。
ウェルシアでは食品も売っているので、日用品や食品に落とし込んでその分現金を浮かすことができ、お得感があると思います」
〇活用術その4・旅行好きならVポイントをマイルに変えて
「ポイントも目的を決めて貯めるとモチベーションが上がるので、旅行好きな方は、旅行をするためにポイ活を活用してはいかがでしょう。ソラシドエアーの『Solaseed Airカード』というクレジットカードを作りVポイントをソラシドマイルに変えると、1ポイントが2マイルに交換されます。
ポイントが倍のマイルに変わるので、安い金額で沖縄往復も実現できます。これも1ポイント1円以上の価値にして使うポイ活の楽しさであり、旅行といった好きなことにお得にポイントを使うことができます」
〇活用術その5・VポイントPay利用/カード支払いに充当して実質値引き
毎月1万円ポイ活で貯める方法をInstagramやXでポイ活情報を発信する主婦の「mao」氏。家族での外食先は高還元率の飲食店をチョイスしていることに加え、支払いはVポイントPayにしているとのこと。
VポイントPayとは、アプリをダウンロードして、手持ちのVポイントをチャージすると、Visaのタッチ決済で使うことができるサービス。クレジットカード番号が発行されるので、クレジットカード登録することでECサイトでの支払いも可能。モバイルVカードもアプリ内で表示ができる。
また、高還元率の店が近くにない場合でも、Vポイントは三井住友カードの支払いに充当することもできるので、クレジットカードの支払い額を実質減らすことで節約ができる活用法も「くうちゃん」氏や「mao」氏は勧めている。
〇活用術その6・SBI証券でポイント投資
東京から地方へ移住したことをきっかけにポイ活を開始、約4年間で1000万円貯金を達成したノウハウを活かし、Instagramを中心に様々なキャンペーン情報をわかりやすく発信している「ななえもん」 氏。
高還元率のセブン-イレブンでは、レジャーチケットや絵本など少し高額な商品をセブンネットで購入してポイントを貯めているとのこと。ポイント交換おすすめ3選として、ウェル活、ソラシドマイルで2倍、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンチケットへの交換を挙げた。
現金だと躊躇してしまう投資でもポイントなら挑戦しやすいと話すななえもん氏。SBI証券では手持ちのポイントで1ポイントから投資ができ、NISAにも対応している。
【AJの読み】ポイ活の極意は『使うお金は最小限、貯めるポイントは最大限』
くぅちゃん氏がポイ活をする上で意識していることが、『使うお金は最小限、貯めるポイントは最大限』。
「ポイントを貯めたいがためにお金をたくさん使うのは本末転倒。必要最低限のお金を使いながら多くのポイントを貯めることが、ポイ活で押さえなければいけない点です。
上手にポイントを貯めて、生活費に落とし込むことで食費や日用品費を抑えることに繋がり、浮いたお金を貯蓄や投資に回すなどして、ポイントもお金も効果的に使うことができます」
共通ポイントサービスが乱立している現在、どのポイントがお得なのか、ひとつにまとめた方が早くポイントが貯まるのか、いくつか併用した方が様々なサービスが受けられるのかなど、ポイ活をする上で迷うことも多い。
まずは利用している銀行口座、クレジットカード、普段使うキャッシュレス決済がどこかで判断することが基本。複数のサービスがあることで目的ごとの設定ができるので、管理しやすい2~3のポイントサービスを使い分けてもいいだろう。
取材・文/阿部純子