たんぱく質を取り入れるために食べているもの上位3位「肉」「牛乳、乳製品」「魚」
たんぱく質は食事で取り入れたいという声が多かったが、実際にたんぱく質を取り入れるために意識して食べているものについても質問した。上位3位にランクインしたのは「肉(75.6%)」、「牛乳、乳製品(75.6%)」、「魚(71.7%)」でした。これらは7割以上の人が意識して食べており、実際に食事を大事にしている人が多いことが予想できる。
朝昼晩の食事は「自炊」が多数!
食事の形式についても調査した。朝昼晩それぞれで頻度が高い形式を選んでもらうと、1位となったのはいずれも「自炊(朝:49.2%、昼:45.2%、晩:55.2%)」となった。半数前後の人は自炊をしていることがわかった。
食事の形式が「自炊」が多いのも、栄養バランスを整えるためという人もいるかもしれない。2位も朝昼晩同じく「家族が作った食事(朝:19.3%、昼:19.3%、晩:34.5%)」だった。朝昼の3位は「シリアルや菓子パンなど調理不要なもの(朝:17.0%、昼:8.3%)」がランクイン。晩は、1位2位だけで約9割を占めており、自宅で料理した食事を食べているケースが多いことがわかった。また、たんぱく質摂取の効果が一番高いといわれている朝食を、「食べない」と回答した人が、約1割もいた。
衰えると、転倒リスクやフレイル等に繋がる重要な筋肉・速筋。速筋・遅筋の認知度はわずか1割
「たんぱく質」摂取の実態について調査してきたが、たんぱく質は筋肉の材料になる栄養素。筋肉には、無酸素運動に使われる瞬発的な速筋と、有酸素運動に使われる持久的な遅筋の2種類がある。
特に速筋は、高齢になるにつれて衰えると、転倒などのリスクに繋がる可能性がある。「速筋」は、瞬発的な力を出さないと動かないため、しっかりとたんぱく質をとっているうえで、「筋トレ」などをすることで、鍛えられる。この速筋と遅筋の認知度を調査すると、速筋・遅筋を「知っている」と回答した人はわずか15.7%となった。「聞いたことはあるが意味は知らない(30.8%)」、「速筋・遅筋どちらも知らない(53.5%)」人は8割以上を占めた。
ニッスイではスケソウダラの速筋由来タンパク質に着目し研究を進めている。このスケソウダラの速筋由来タンパク質は、特別な運動を行わずに「速筋」を増やす効果を持っており、他の魚種、タンパク源においては現時点では確認されていない特別な効果だ。ニッスイの臨床試験により、スケソウダラの速筋由来タンパク質を1日1回4.5g摂取すると、高校生から高齢者、要支援・介護認定者と幅広い世代において、筋肉が肥大することを発見した。
約6割が日々運動をしている!日常的に運動している人は50代より70代のほうが多い傾向に
前述の通り、「速筋」をつけるには「筋トレ」など運動も必要だ。そこで、運動習慣についても調査すると、「全くしない(33.3%)」と回答した約3人に1人は運動を全くしていないことが判明。それを除く6割以上の人が日ごろから運動をしていることも明らかになった。「毎日(27.5%)」運動している人は約3割だった。
また、年代別でも比較した。50代では「全くしない(40.0%)」人が4割いる一方で、60代は34.5%、70代は25.5%と、日ごろから運動している人は70代が一番多く、7割以上の人が運動をしているようだ。毎日運動している人も50代に比べ、60、70代のほうが多いことが明らかになった。年代が上がるにつれて、運動する人の割合も増えていることが見て取れる。
「速筋」はフレイルとも大きな関係がある。フレイルが起きる要因の一つとして「速筋」の減少が挙げられる。この、シニア世代の筋力の低下や健康づくりの重要なキーワードともなる「フレイル」についても調査した。
「フレイル」とは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱した概念だ。年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、これによって健康に過ごせていた状態から、生活を送るために支援を受けなければならない要介護状態に変化していく。
フレイル予防のためにしていることを調査。何らかの予防をしている人は、50代で35.0%、60代で46.0%、70代で57.5%。「そもそもフレイルとは何か知らない」と答えた人は、50代では54.5%、60代では43.5%、70代では34.0%いることがわかった。
具体的な対策としてはどの年代でも「バランスの良い食事をとる(50代:23.0%、60代:26.5%、70代:41.5%)」に最も多く票が集まった。次いで「たんぱく質をとる(50代:17.5%、60代:26.0%、70代:33.0%)」、「水分を十分に摂取する(50代:19.0%、60代:23.0%、70代:33.0%)」という結果になり、食事面で対策している人が多いことがわかった。早いうちにできることから対策しておくことで、フレイルの予防につながると考えられる。
フレイル予防には、十分なたんぱく質と筋トレが必須といわれているが、筋トレを実施している人は1割程度で、たんぱく質摂取も筋トレもしている人は、7.8%とまだまだ少ない状況だった。
フレイル予防には食事と運動の両方が重要となる。筋トレに加え、スケソウダラやスケソウダラを使用した加工食品をシニアの食事に取り入れることで、筋肉の減少を抑え、フレイルの予防にも繋げられると考えられる。
<調査概要>
・調査方法:WEBアンケート調査
・調査テーマ:食生活の実態に関する調査
・調査対象者:全国の50~70代の男女 計600名
・調査期間:2024年8月29日~30日
・調査主体:株式会社ニッスイ
・調査機関:株式会社ネオマーケティング
出典:株式会社ニッスイ
構成/こじへい