消費者向けサイバーセーフティブランド「ノートン」が、「マイナンバーカードの利用実態調査」を実施。その結果を踏まえて、懸念される犯罪被害、その対策について、2024 年 11月 6日に実施した「Norton ダークウェブ体験会」で説明した。
マイナンバーカードの利用について調査したその結果とは?
2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行はなくなり、医療機関や薬局ではマイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証)を利用する仕組みに移行する。また25年3月24日からは、マイナンバーカードと運転免許証を一体化させたマイナ免許証の運用が開始する。
このようにマイナンバーカードに様々な情報が紐付くことで、その価値が高まってくる。このような背景を踏まえて、ノートンが「マイナンバーカードの利用実態調査」を実施。その調査結果について、SNS・PR担当の櫻井理沙氏が説明した。なお調査は20~70代の1200人を対象に実施。その調査結果を見ていこう。
まず、マイナンバーカードの利用可能用途の質問では、本人確認できる写真付きの身分証明書として利用できることは全世代に広まっているものの、20代の10人に1人がマイナンバーカードの用途を知らないと回答した。
次にマイナンバーカードの信頼性の質問では、51.1%の人が「マイナンバー制度が信頼に足らない」と回答。年代別では40代女性の信頼度が38%と最も低く、70代男性が61%と最も高い結果になった。
運転免許証との連携については、52%の人が「多分連携する」と答えたものの、その割合は20代女性では32%に止まった。
2025年3月24日以降、自身の運転免許証とマイナンバーカードを連携すると思いますか?
そして、マイナンバーカードのトラブルについて、5人に1人がカードの紛失を懸念し、13.4%の人が不正利用などに悪用されることに危機感を抱いていることがわかった。
マイナンバーカードの利用で最も危険度が高いと思われることは?
実際に不正利用された事例としては、マイナンバーカードに印字されている氏名、住所、生年月日を使って本人になりすまし、勝手にケータイを機種変更したり、高額の買い物をするケースがある。「SIMカードをなくした」と新たな番号を入手するSIMスワップ詐欺も被害が増加しており、自分のケータイ番号が闇バイトの番号として使われる危険性もある。
流出している個人情報の内容は、名前、メールアドレス、クレジットカード、住所、電話番号、口座番号、免許証、パスポート、保険証、マイナンバーカードなど。
各自が自分自身の個人情報を管理することはもちろんだが、予期しないところで自分の個人情報が漏洩することもある。不正アクセスや従業員による不正持ち出し、人的ミスなどにより、2024年8月だけでも合計延べ396万4054人の個人情報が漏洩している。
2024年8月における個人情報流出数(Cyber Security.comより引用)。