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【ヒャダインの温故知新アナリティクス】きょうだい芸能人って強大ですねえ

2024.11.20

 2024年のバズソングといえば「こっちのけんと」さんの『はいよろこんで』でしょう。日本のみならず世界でもぐるぐる再生されております。確かに中毒性高くて私もエンリピで聴きながらジムでトレーニングに勤しんでおります。さて、このシンガーソングライター「こっちのけんと」さん、俳優の菅田将暉さんの弟なんですね。楽曲のブレイクは「菅田将暉の弟」所以ではないので大したものです。しかしながら「菅田将暉の弟」という肩書きは学生時代から大変に重いものだったらしく、最近「こっちのけんと」さんによる独白を読み、有名人のきょうだいであることの苦しみや葛藤は経験者にしかわからないものなんだなと痛感しました。いいことだらけだと思ってました。だって、兄貴が菅田将暉ですよ? ご興味ある方はネット上にありますので、ぜひご一読を。

きょうだいで同じ職業はやっぱり大変!?

 さて温故知新、芸能界のきょうだいをつらつらと思い出してみましょうか。最近では広瀬アリス・すず姉妹(どっちも芸名ってびっくり)、上白石萌音・萌歌姉妹、新田真剣佑・眞栄田郷敦兄弟が大活躍ですね。どちらも等しく活躍しているのが凄いです。というのも、きょうだいタレント、そしてアスリートって人気差があったりしがちなんですよね。特に兄姉が先に売れていて、その恩恵でデビューした弟妹はなかなか成功しにくいイメージがあります。やはり年の近い比較対象がすでに売れているわけですし、縁故採用に対する世間の嫌悪感というのも少なからずあるのかもしれません。「おまえ、あいつのきょうだいじゃなかったらデビューできてねぇぞ」的な辛辣な声もネットに溢れます。そんな中、きょうだいで成功している例を見てみましょう。

 まず髙嶋政宏・政伸兄弟。このケースは異例で名優・髙島忠夫さんと宝塚出身の寿美花代さんの息子という七光りならぬ十四光なんですねえ。2人ともヒット作に恵まれ、そしてすらっとしたビジュアルと確かな演技力でいまだに人気俳優です。特に最近髙嶋兄弟が演じる悪役が最高なんですよ。いずれ兄弟役の社長・副社長的なド悪役で共演してほしいですね。

 そしていきなりスポーツ界ですが、若貴ブームは忘れちゃいけない。文字通り最強の兄弟ブームでしたから。まあこちらも七光りといえばそうなんですが、初代貴ノ花の息子である当時若花田と貴花田。1991年に弟の貴花田は横綱千代の富士を下して初金星、宮沢りえさんとの交際報道などまあ大人気でした。甘いマスクと圧倒的な強さもあり貴乃花の方が人気は上でしたが「お兄ちゃん」こと若乃花も横綱に昇進し、大人気でした。曙の活躍もあり、相撲がわーきゃー言われていた時期でした。結果、兄弟仲はあまりよろしくないらしく最近並んだ姿が見られないのは残念ですが。

 さて、今までの2組は同じ職業ですがタッグを組んでいたわけではありませんでした。そう考えると「狩人」や「キリンジ」、海外までいくと「Oasis」は音楽ユニットとして兄弟で仕事をするというスタイル。同じ親から生まれているだけあって声質の相性は抜群です。まあこの3組も結果袂を分かつことになるのですが。きょうだいで解散・脱退するってどういう感覚なんでしょうね。(あ!「Oasis」はまさかの再結成しましたね)

 人格形成に親・きょうだいは多大な影響をもたらすことはご存知だと思いますが、「職業」というある意味大人の印にも直接的にきょうだいが関わるのは利点も欠点もあることが見えてきました。特に人気商売、同じ血を分かつ者ゆえの葛藤もあるんでしょうね。やはり叶姉妹くらいのビジネスきょうだいの距離感がちょうどいいのかも。叶姉妹、阿佐ヶ谷姉妹に次ぐビジネスきょうだい、もっと増えろ芸能界!

こっちのけんと楽曲から映像まで、マルチに活躍するアーティスト。5月にリリースした『はいよろこんで』は今年を代表するヒット曲に。

『はいよろこんで』©blowout Inc.

文/ヒャダイン

ヒャダインヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名・前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。様々なアーティストへ楽曲提供を行ない、自身もタレントとして活動。

※「ヒャダインの温故知新アナリティクス」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME12月号に掲載されたものです。

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