個人情報の流出や不正利用などを防ぐために、スマホのセキュリティ対策は怠るべきではない。では、若年層ほどスマホに慣れていない人も多いとされるシニア世代のうち、何割程度がセキュリティ対策を講じているのだろうか?
NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所はこのほど、全国の60~84歳の男女を対象に「シニアのスマホセキュリティ対策」に関する意識調査を実施し、1130の有効回答を得た。
80代の約4割が「スマホのセキュリティ対策を何も行っていない」と回答
スマホのセキュリティ対策を行っている割合を調べたところ、80代の約4割がセキュリティ対策を何もしていないと回答した。高齢になるほど、スマホへのセキュリティ意識が低くなっていることが見て取れる。
図1. スマホのセキュリティ対策を何も行っていない割合
セキュリティ対策の内容について調べたところ、画面ロックの利用が比較的高い一方、年代によって大きな差が見られた。60代では3人に2人が実施しているが、80代になると3人に1人も実施していないことが明らかになった。
図2. スマホのセキュリティ対策 実施内容
「今のセキュリティ対策は十分にできているか」と尋ねたところ、70~80代の約6割が対策は十分でないと回答した。スマホのセキュリティ対策が不十分と自覚しているシニア層は多いようだ。
図3. 自身が行っているスマホのセキュリティ対策が十分でないと感じている割合
新たなセキュリティ対策が必要となった場合、70~80代の約7割が「スマホの継続利用に自信がない」と回答
セキュリティ対策が十分にできていないと回答した人を対象に「なぜそう思うか」と尋ねた。その結果、半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答した。それ以外にも、「不審なメールが届くことがある」「面倒な対策はしていない」「対策方法が分からない」といった回答が上位となった。
図4. スマホのセキュリティ対策が十分ではない理由
「新たにセキュリティ対策が必要となった場合、現在のスマホ利用を継続できる自信があるか」と尋ねたところ、70~80代の約7割が「全く自信がない」と答えた。セキュリティ対策がシニア層のスマホ継続利用における大きなハードルとなっていることがうかがえる。
図5. 新たなセキュリティ対策が必要となった場合に現在のスマホ利用が継続できる自信がある
<調査概要 ―「2024年シニア調査」―>
調査方法 訪問留置調査
調査対象 全国・60~84歳男女
有効回答数 1,130
サンプリング QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期 2024年1月
構成/こじへい