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年収130万円の壁は崩れるか?「国民年金第3号被保険者」制度に対する賛成派と反対派の割合は

2024.11.14

会社員の配偶者(第2号被保険者)に扶養されている、年収130万円未満で20歳以上60歳未満の人は、自身で保険料負担をせずに基礎年金が受け取れる「国民年金第3号被保険者」となる。年収の壁を超えないような働き方をしたい場合、求人を厳選する必要も出てくる。

アイデムは、2024年8月に総合求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員を対象に「国民年金第3号被保険者」の制度についてなど、仕事探しに関する調査を実施したので、結果を一部抜粋してお伝えしよう。

「国民年金第3号被保険者」の制度、「どちらかと言えば賛成」44.2%、「賛成」29.5%、「どちらかと言えば反対」17.2%、「反対」9.1%

求人に応募した人に、国民年金第3号被保険者制度についての説明を読んでもらったのち、この制度についての印象をきいた。説明文は次の通り。

『一般的には、会社員の配偶者(第2号被保険者)に扶養されている、年収130万円未満で20歳以上60歳未満の者。自身で保険料負担をせずに基礎年金が受け取れる』

全体では「どちらかと言えば賛成」が44.2%、「賛成」が29.5%、「どちらかと言えば反対」が17.2%、「反対」が9.1%となり、四分の三が好意的な意見のようだ。

属性別にみると、「女性」ではほかの属性と比べて反対意見の割合が多い(30.6%)。第3号被保険者の99%は女性であるが、収入や家族の状況によって左右される部分でもあるため、負担の不公平感から不満が多いかもしれない。

制度制定時から社会情勢の変化もあり、現在廃止の方向で検討が進んでいる制度だが、賛成派の多さから撤廃されたときには混乱が生まれそうだ。

「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」11.8%で、適用外の希望者は年々減少

求人に応募した人のうち、非正規雇用を希望する人(パート・アルバイト、契約社員または嘱託社員、派遣社員の計)に、社会保険への加入希望をきいた。

非正規雇用希望者全体では、「社会保険加入有無にはこだわっていない」が最も多く40.4%、次いで「社会保険に加入できる仕事につきたい」が37.0%、「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」が11.8%という結果に。

同様の調査は2021年から毎年行っているが、年々「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」という割合は減ってきている。

年代別に回答結果をみると、「社会保険に加入できる仕事につきたい」は「50代」で最も多く53.1%となり、半数以上を占めた。

一方で「40代」では「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」が他の年代と比べ高く24.1%で、就労調整ができる職場が好まれそうだ。「30代以下」では56.8%が「わからない」と回答している。

面接時や入社時にはどのような働き方をすると加入・非加入なのか、説明する必要があるかもしれない。

性別にみてみると、「男性」のほうが「女性」よりも「社会保険に加入できる仕事につきたい」という割合が多いようだ(41.4%)。

求人に応募した人に、今回の求職活動期間の中で、求人に応募する件数の目安があるかどうかきいた。

全体では、「 2~5件」が最も多く37.6%、次いで「件数に目安はなく、良い条件があれはすべて応募したい」が31.0% 、「1件だけ」が21.9%、 「6~10件」が6.6% 、「11件以上」が2.9%となった。「1件だけ」以外を選んだ割合は全体の8割となった。

希望雇用形態別にみると、「正社員」では、「件数に目安はなく、よい条件の求人があればすべて応募したい」の割合は39.4%で、4割は目安を設けていないことが判明。

「パートまたはアルバイト」では「2~5件」応募するとした割合が37.3%、「1件だけ」が30.7%で、応募件数に目安を設けて活動している人が多いようだ。

応募前の情報収集、「企業のホームページを探す」45.2%、「複数の求人サイトで同じ企業の求人を探す」28.3%、「企業の口コミを探す」25.1%

求人に応募した人に、求人に応募する前に求人企業または求人情報に関する情報収集をするかどうかきいた(複数回答)。

全体では「企業のホームページを探す」が45.2%で最多、次いで「複数の求人サイトで同じ企業の求人を探す」が28.3%、「企業の口コミを探す」が25.1%となった。

「特に調べず、いいなと思ったらすぐ応募する」人は19.2%で、8割弱の人は事前に何らかの情報収集をするようだ。また、「企業に問合わせしてみる」は5.9%とあまり選択されないようだ。

希望の雇用形態別にみると、「正社員」を希望する人では「企業のホームページを探す」が60.6%と半数以上となっている。

その一方で「複数の求人サイトで同じ企業の求人を探す」事はあまりしないようだ(15.2%)。一方「パートまたはアルバイト」を希望する人では、「特に調べず、いいなと思ったらすぐ応募する」が22.7%で、約2割は情報収集する前に応募にうつるようだ。

年代別にみると、「30代以下」では「ニュースサイト・ニュースアプリで企業名を検索する」が23.8%で、最新の情報を確認する人が他の年代より多い。「60代以上」では「特に調べず、いいなと思ったらすぐ応募する」が24.5%で、応募まで早い人が多かった。

■調査・分析担当者のコメント

8月のアンケートでは、社会保険の加入希望(非正規雇用を希望する方のみ)と、国民年金第3号被保険者に関する質問をしています。

社会保険の加入希望は、「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」人の割合が年々減少していることがわかります。

一方、国民年金第3号被保険者の制度について説明文を読んだもらったのち、どのように感じるかきくと「賛成」「どちらかと言えば賛成」の合計は7割を超えました。

その中でも、女性は男性よりも「どちらかと言えば反対」「反対」の意見が多く、不満を感じる人が多いようです。

調査概要
調査対象:総合求人サイト『イーアイデム』の会員で、2024年8月1日~8月31日の期間に『イーアイデム』から求人に応募した人
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社アイデム
調査期間:2024年8月1日~9月5日
有効回答:407名
※調査結果は四捨五入のために合計が100%にならない場合がある

■回答者プロフィール

関連情報
https://apj.aidem.co.jp/

構成/Ara

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